小学校第4学年国語科一つの花」 
 4年生の単元「場面の様子をくらべて読み,感想を書こう/『一つの花』」の「戦争・平和に関する本を読もう」の授業でブックトークしました。

 今日は“物語で知るいろんな場所での戦争”というテーマでブックトークします。194589日、長崎に原爆が落とされました。○小学校では、毎年夏が近づくと平和について学び、89日に登校日があります。だからみなさんは、長崎原爆のことは知っていると思います。でも、同じ長崎市でも、原爆が落とされた場所から500mしか離れていない場所にある城山小学校では、毎月九日に平和集会があります。今月は69日、つまり3日前に826回目の集会がありました。城山小学校は、「かよこ桜」と名付けられた木があります。そのことを書いた本がこの『かよこ桜』です。(『かよこ桜』2232ページを読む)こうして女学生だったかよこさんは,校舎の中で亡くなりました。お母さんは小学校の先生になるのが夢だった娘のことを思い、校庭に桜の木を植えさせてもらいました。桜の木の寿命は50年から60年と言われていますが、桜がいつまでも咲き続けるように、木のお医者さんに診てもらったり、柵を作ったりして大切にしています。またかよこ桜の周りで集会をしたり、千羽鶴を捧げに来たりしている人もいます。城山小学校にはもう1冊『世界でいちばん悲しいクラス』という絵本があります。この本は原爆が落とされたあとから物語が始まります。終戦が告げられ、徐々に市内の学校も再開しますが、城山小学校の児童は生きているのかどうか分かりません。89日たまたま仕事を休んでいて生き残った先生は、学校があった場所に「925日午前十時八幡神社に集まりましょう」と貼り紙をだしました。でも、集まったのは当時約1400人いた児童のうち、わずか12人でした。その後も声を掛け合う活動が続き、生き残っていた児童の数は増えますが、全部でわずか20人でした。その人達も徐々に原爆症で亡くなります。原爆は86日広島にも落とされていました。1発の原子爆弾で,広島では1314万人,長崎では78万人の方がなくなったといわれています。
 戦争は原爆だけではありません。次に紹介するのは
『ネーネ。』です。この本に登場するのもかよこさんです。兄が3人いるかよこは、弟、幸ちゃんが生まれて大はしゃぎ。戦争中でも、自分のことを「ネーネ」と呼んでくれる幸ちゃんと、やさしい家族がいれば、幸せいっぱいでした。しかし11歳の時「東京大空襲」で家族6人を失い、1人になってしまいます。4歳で亡くなった弟への思いと平和の祈りを込めて書かれた、本当にあった話です。東京大空襲では1012万人の人が亡くなったと言われています。
 戦争中、日本本土は空から爆弾が落とされて被害に遭っていました。でも、沖縄では兵隊が武器を持って戦っていたのです。沖縄戦では20万人亡くなったと言われています。『さとうきび畑の唄』はその沖縄戦のことを書いた本です。日本では,戦争の時、悲しいことがたくさん起こり、1945815日終戦を迎えました。それは75年前のことですが,戦争はそれで終わりではありません。第二次世界大戦が終わった後でも、アメリカ軍は日本各地で戦争の訓練をし、日本から戦地に向かっているのです。その基地の70%が沖縄にあります。時々アメリカ兵による事件や、アメリカ軍の飛行機墜落事故が起きています。1959年沖縄の小学校にアメリカ軍のジェット機が墜落し、11人の子どもが戦争ではないのに命を奪われました。その事故のことをこの『ひまわり』という本は伝えています。世界の中では今でも戦争が行われています。みなさんと同じ年齢の主人公が登場する『せかいいちうつくしいぼくの村』を読んで終わりにします。アフガニスタンという国は今でも戦争が続いています。もし自分が主人公のヤモならと考えながら聞いてください。
『せかいいちうつくしいぼくの村』よみかたり)
 《ブックリスト》

・『かよこ桜』山本典人/作:新日本出版社

・『世界でいちばん悲しいクラス』坂口便/作:あらき書店

・『ネーネ。』海老名香葉子/作:くもん出版

『さとうきび畑の唄』遊川和彦/作:汐文社

・『ひまわり』大城貞俊/作:汐文社

・『せかいいちうつくしいぼくの村』小林豊/作・絵:ポプラ社


黒板に書いたテーマと貼った文カード
物語で知る いろんな場所での戦争
落とされた日  長崎に原爆が
落とされた日 広島に原爆が
東京大空襲 沖縄地上戦 終戦の日 
1945年
8月9日
1945年
8月6日
1945年
3月10日
1945年3/26~ 6/23  1945年
8月15日

死者数
約7万人

 死者数
約13万人
死者数
約10万人 
死者数
 約20万人
死者数
300万人
以上