伴奏つきのアカペラもあります

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アカペラというと無伴奏合唱(ときには無伴奏ソロ)をさすことが多いのですが,伴奏つきのアカペラもあります.じっさいの例としてヴィルテン少年合唱団がオルガンとヴィオールの伴奏でウイリアム・バードの“5声のミサ曲”全曲を歌っています.歌のメロディーを楽器でなぞっています.

YouTubeに動画があります→  Kyrie  Gloria  Credo  Sanctus  Benedictus  Agnus Dei

アカペラとは,教会音楽であって,歌いやすい簡素なメロディーで,歌詞がききとれること,全体または一部がポリフォニーになっていること,無伴奏か歌のメロディーをなぞるだけ,または通奏低音(バスのメロディーにオルガンなどで即興の和音をつけるもの)の伴奏がつく という作曲のスタイルをいいます.ですので,教会音楽以外は,ほんとうはアカペラではありません.“ルネサンス合唱曲と少年合唱の部屋”ではこの定義にしたがって,“アカペラ”と“無伴奏”ということばをはっきりと使いわけています.

ルネサンス時代に教会音楽がだんだんと派手になり,祈りの場であるはずのミサが,作曲の技をきそいあう音楽会となって,歌詞がききとれないような,こみいった曲がつくられました.これをよくないと考えた教会は音楽を簡素にするよう求めました.これに答えて生まれたのがアカペラで,パレストリーナの作品はその典型です.

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