ハ音記号の楽譜のやさしい読みかた

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ハ音記号

ルネサンス時代の楽譜では,ハ音記号がふつうにつかわれています.記号の形がいくつかありますが,どれもおなじことをあらわしています.

ルネサンス時代のハ音記号現代のハ音記号

現代の音楽ではあまりハ音記号をつかわないので,合唱経験をつんだ人でも,どう読んだらよいのかわからないことが多いようです.おまけに,ソプラノ・アルト・テノールのちがいによって,ハ音記号のつく線がかわるので,たいへんむずかしそうに見えます.

じっさいには,わずかなルールをしっておけば,かんたんに読めてしまいます.ルネサンス時代の楽譜のほとんどは♭が1個つく(ヘ長調・二短調の形)か,♭も♯もつかないか(ハ長調・イ短調の形)のどちらかです.

《ルール1》♭が1個のときは,♭のついた音がファ
《ルール2》♭も♯もつかないときは,ハ音記号の中心の音がド

そこから上下にドレミファソラシドとたどっていけば,すべて読めてしまいます.ドの音の高さは,ルネサンス合唱曲のばあい,歌う人の声域にあわせて好きにきめてかまいません(もちろん,メンバー全員でそろえる必要があります.リュートなどの伴奏をつけるときは,楽器とあわせてください).

現代譜で,♭が2個以上ついているときは,右はしの♭がファ,右から2番目の♭の音がドになります(これらはおなじことをいっているので,ファのルールをしっておけばじゅうぶんです).また,♯がついている楽譜では,右はしの♯の音がシになります.ファのルールやシのルールはト音記号やヘ音記号の楽譜でもおなじで,これだけしっていれば,どんな調の何記号の楽譜でも階名(移動ド)のドレミで読める(メロディーがわかる)ようになります.

ここから下の説明は,わかりやすくするためのものであって,おぼえるものではありません.おぼえようとすると,かえってむずかしくなります.また※印からうしろの説明は,楽譜を読みなれた中−上級の人むけです.めんどうだったら無視してもだいじょうぶです.

♭が1個つくとき

ソプラノ

ソプラノの楽譜ではハ音記号がいちばん下の線につくことが多く,このときは上から2番目の線に♭がつき,ここがファになります.

※5線のうえのドレミの場所は♭が4個のト音記号の楽譜をみているのとおなじになります.
(右はしの♭=ファが上から2番目の線)

アルト

アルトの楽譜ではハ音記号がまん中の線につくことが多く,このときは上から3番目の線と4番目の線のあいだに♭がつき,ここがファになります.

※5線のうえのドレミの場所は♭が3個のト音記号の楽譜をみているのとおなじになります.
(右はしの♭=ファが上から3番目の線と4番目の線のあいだ)

テノール

テノールの楽譜ではハ音記号が上から2番目の線につくことが多く,このときは上から2番目の線と3番目の線のあいだに♭がつき,ここがファになります.

※5線のうえのドレミの場所は♭が6個のト音記号の楽譜をみているのとおなじになります.
(右はしの♭=ファが上から2番目の線と3番目の線のあいだ)

♭がつかないとき

ソプラノ

ソプラノの楽譜ではハ音記号がいちばん下の線につくことが多く,ここがドになります.

※5線のうえのドレミの場所は♭が3個のト音記号の楽譜をみているのとおなじになります.
(右から2番目の♭=ドがいちばん上の線と上から2番目の線のあいだ)

アルト

アルトの楽譜ではハ音記号がまん中の線につくことが多く,ここがドになります.

※5線のうえのドレミの場所は♭が2個のト音記号の楽譜をみているのとおなじになります.
(右から2番目の♭=ドがまん中の線)

テノール

テノールの楽譜ではハ音記号が上から2番目の線につくことが多く,ここがドになります.

※5線のうえのドレミの場所は♭が5個のト音記号の楽譜をみているのとおなじになります.
(右から2番目の♭=ドが上から2番目の線)

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