顕微鏡写真は従来より高価な専用の撮影装置を用いて35ミリフィルムに写していました。しかしここ数年で市販のデジタルカメラ(デジカメ)の高機能化,低価格化が進み現在では医療関連の学会発表でもデジカメで撮影された顕微鏡写真がふえてきました。
方法は簡単で,下の写真のように顕微鏡の接眼レンズ部分にデジカメのレンズをあてるだけです。顕微鏡のピント合わせを行っておけばデジカメはオートフォーカスでかまいません。ズーム機能で拡大もできますからモニタを見ながらフレーミングします。撮影した画像はパソコンに取り込み,必要に応じてフォトレタッチを行います。カラープリンタも性能が向上しており,従来のプリント写真の代用になります。また,パソコンに取り込まれた画像はweb上でディスカッションしたり,液晶プロジェクターを利用して行うプレゼンテーションに効果的です。市販のデジカメは各種ありますが,学術面では顕微鏡撮影が可能なものとそうでないものがあります。画像の周囲が切れてしまうもの(ケラレ)は適当ではありません。(ただし,子供さんたちの自由研究ではこのケラレは気にしなくて良いと思います)
接眼レンズへの固定について
顕微鏡撮影に限らず望遠鏡などでも,カメラで直接覗くようにして撮影する方法は「コリメート法」とよばれています。ここではカメラを固定しにくいという欠点を補うために,デジカメのレンズ部分にステップアップリング(Kenko製
28mm --> 37mm)を取り付けて顕微鏡の接眼部分にはめ込むようにしています。これで光軸合わせとシャッターぶれを改善できました。
接眼レンズにあてる | 内容をモニタで確認 |
外部出力
デジカメは外部モニタやビデオに接続して,画像を表示したり記録したりできます。デジカメのビデオ出力端子から専用ケーブルで行います。スチル撮影と違って,デジカメを顕微鏡に長時間固定するために,スタンドなど適当な機材を利用すると良いでしょう。下の写真では通常のテレビを使って試していますが,画質はそれほど良くはありません。しかし,それでも数人でちょっとしたディスカッションに利用できますからなかなか便利です。
デジカメの固定 | 外部モニタへ出力 |