観察をしようと思った理由
ぼくは,川原大池でいろいろな生き物を見つけるのを楽しみにしている。去年の春,大池の近くでメダカに似た魚のような生き物を見つけた。よく見ると,それには外にとび出した大きなエラや小さな4本の足があって,今までに見たことがない生き物だった。お父さんにインターネットで調べてもらったら,カスミサンショウウオの子供だということが分かった。小さくてかわいい顔をしていて,おもしろい動きかたをするので,とても興味がわいた。今年は,できるだけ長い期間観察をして,カスミサンショウウオはどのような生き物なのか調べてみようと思った。
見つけた所 長崎市川原町 川原大池
見つけた日 平成14年4月14日(日曜日)
見つけた時のようす
カスミサンショウウオを卵のときから観察したかったので,3月から大池に日曜日ごとに行った。しかし,卵は見つけることができなかった。4月14日になって,やっと幼生(子供)を見つけることができた。大きさは2センチくらいで,足が生えていた。幼生はせまい範囲に集中して見つかった。観察をするために,10匹を家におくことにした。次の日曜日からは,幼生はまったく見つからなかった。1週間の間にどこかへ行ってしまったようだ。
卵のうについて
「卵のう」というのは,多くの卵が入っている袋で,メス親は卵のうを水中に産む。一個一個の卵はこの中で成長して,やがて幼生が外にとび出してくるそうだ。去年の春,他の人がぐうぜん見つけた卵のうを写真にとらせてもらった。水を入れた細長い袋のようになっていて,たくさんの小さな幼生が中で動いていた。その時は,まだ足が生えていない幼生も回りで多く見つかった。今年は見つけた時期がおくれたせいで,すべての幼生に足が生えていた。幼生が泳いでいる近くに卵のうがあったのかもしれないが,見つけるのはむずかしいようだ。
水中時代の容器
プラスチックの容器に7センチの深さまで水を入れ、小石や水草を使って自然な感じにした。水は、じょう水器を通した水道水を使い、1週間に1回交かんした。幼生はふだんゆっくりと底のほうを歩き回っている。夜はじっといていることが多い。
水中の幼生(クリックすると別ウインドウで表示)
幼生の体の特ちょう
幼生の性質
水中時代のエサについて
カスミサンショウウオは,通常は生きた虫を食べているので,代わりに赤虫を時々やることにした。赤虫はユスリカの幼虫で,熱帯魚用のエサとして売ってある「冷凍赤虫」を使った。エサは週に3回,金魚のエサをやる日と赤虫の日を交互にした。そして,幼生が3cmくらいになった時期からは,赤虫だけをやるようにした。赤虫はピンセットを使ってサンショウウオ一匹づつにやるので,少しめんどうだった。去年は,水中時代に赤虫を食べることになれさせていなかったので,陸上に上がったとき赤虫をまったく食べてくれず,し育に失敗してしまった。
幼生の食べ物実験
(食べたもの)
・ボウフラ・糸ミミズ・ごはん・かまぼこ・レタス。
(食べなかったもの)
・ニボシや小さな虫など,かたいものは食べなかった。