2:50の大火球(しし座流星群)

2001年11月19日未明,日本上空では「しし座流星群」の大規模な出現がありました。そのとき,たまたま聞いていたラジオの実況で父さんは屋外に飛び出しました。つぎの瞬間,目にとびこんできたのは巨大な流星でした。その大きさと輝きに驚愕してしまいました。先端の火の玉とそれに続く長い尾は,周囲の夜空を満月よりも明るいと思わせるくらいに煌々と浮かびあがらせ,天空を東から西に駆け抜けていきました。幸運にも後日,お父さんと同じ様な経験を写真に収めていたかたを知ることができました。

写真は長崎市在住の田平裕之さんのご好意により掲載許可を頂きました。天体望遠鏡のお店「TOMITA」を通じて写真を頂くことができました。天文雑誌「星ナビ」2002年2月号には今回の写真が掲載されています。当サイトに掲載させて頂くにあたって,写真の「版権」のことを明記しようとしましたが,田平さんご本人は「これをきっかけに星に興味をもってくれる人がいたら嬉しいです。版権にはこだわりません。」と言われました。宇宙のように心の広いかたです。(^^)


しし座流星群 図鑑
2時50分に西空で見えた大火球 長崎県西彼杵郡琴海町にて田平裕之氏撮影 大火球の写真が掲載されました

田平さんが撮影された大火球が「イラスト図解 天体」に掲載されました。
初版2009年7月25日 日東書院 本体1500円


流星(ながれぼし)について

流星群のもとは,彗星が太陽に近づいたときに放出したダストの密集域だといわれています。このダストを撒き散らした彗星は「母彗星」と呼ばれ,しし座流星群では母彗星はテンペル・タットル彗星です。ダストの密集域には特に密度が高い部分があり,地球がこの部分を横切るときに流星雨がおこると考えられています。明るい流星の場合は高度80〜150kmほどから光りはじめ,30〜60kmほどで消失するものが多いそうです。流星の大きさについては諸説あるそうですが,ほとんどは一つ一つの大きさが砂粒くらい,写真のように巨大に見えたものでも大人の手拳大かそれ以下ではないかと言われています。地上に落下するような隕石になると,たいへんな光を発するであろうことが想像できます。

(高 度)  
 450km  スペースシャトル
 80〜130km  流星の平均高度(成層圏と電離圏の境界)
 100km前後  各種のオーロラ
 10〜15km  旅客機


天体観測はじめての天体観測
2002年1月19日(土),野母崎町立高浜小学校の校庭で天体観測会がありました。父さんにとっては自分の目ではじめて見た木星の縞模様や土星の輪,アンドロメダ大銀河(M31)など本当に言葉で表現できないくらいに感動しました。当日は小学校高学年の皆さんや大人も集まって,用意された天体望遠鏡に見入っていました。この観測会をお世話くださったのは,「天文ハウスTOMITA」の皆さんと天文愛好家の方々でした。しし座流星群の写真を頂いた田平さんにもお目にかかることができました。


月月の観察月の観察
月は安価な天体望遠鏡で見るのに最適です。見慣れているようで,じつは様々な表情があります。ひとつひとつ数えられるくらいに見える月面のクレーターを眺めていると,空間にぽっかりと浮かんでいる月を怖いくらいに美しく感じます。大人にとっては浮世を忘れさせてしまうような不思議さがあります。