第59回諫早大会における大会宣言

大 会 宣 言


 長崎県校長会は、結成以来、学校教育の充実・発展のため、真摯に研究と実践を重ね、着実にその成果を上げてきている。今日の我が国は、急激な少子高齢化、生産年齢人口の減少、グローバル化のさらなる進展や人工知能の飛躍的進化をはじめとする絶え間ない技術革新、さらにはSociety5.0時代が到来しつつあるため、社会構造などの環境が大きく変化しており、予測困難な時代となっている。
 学校教育においても、進行する教育改革への対応、いじめ・不登校等の課題解決や適切な支援、学校における働き方改革の推進など課題は山積している。とりわけ、増え続ける自然災害への迅速かつ適切な対応、新型コロナウイルス感染症の流行から学んだ感染防止対策等、児童生徒の健康安全の保持及び学びの保障等は学校運営の根幹に関わる課題である。そのため、このような社会に適切に対応し、未来を生き抜く力を身に付けた日本人の育成が一層求められる。また、そのような中、今後ますます必要とされるのは、個人や社会の多様性を尊重しつつ、幅広い知識・教養と柔軟な思考力に基づいて新しい価値を創造したり、他者と協働したりする能力であり、持続可能な社会の創り手となり得る能力であると捉える。この能力は、小・中学校教育を通して児童生徒が身に付けていく「生きる力」を基盤としており、学校はこれらを踏まえ、「生きる力」の育成に、尚一層努めていかなければならない。
 そこで、各学校においては、「令和の日本型学校教育」の構築を目指して、諸課題の解決につながるような具体的な実践を推進するとともに、児童生徒に、夢や希望の実現に向けて挑戦するたくましさや、社会の一員としての自覚や責任を育む教育の実現を目指していく必要がある。そのために、校長は、学校経営の最高責任者として自らの使命に誇りをもち、広い視野に立った経営ビジョンを明確に示し、保護者・地域社会と目標を共有し、それぞれの果たすべき役割を全うできるよう、リーダーシップを発揮しなければならない。
 この現状を認識し、長崎県校長会は、「自ら未来を拓き ともに生き よりよい社会を創る日本人の育成を目指す小・中学校教育の推進」を主題に掲げ、学習指導要領の趣旨を踏まえ、「生きる力」の育成について討議を深めた。私たち校長は、本大会の成果を今後の学校経営に生かすとともに、県校長会活動の活性化を図り、県民の期待する人づくりを目指す「教育県長崎」の確立に一層努めていくものである。本大会はここに、会員の総意に基づき、次の決意を表明し、その実現を期する。


一 基礎的・基本的な知識・技能を確実に習得させ、思考力・判断力・表現力等の能力を育み、学びに向かう力や人間性を涵養する創意ある教育課程の編成・実施・評価・改善に努める。
一 道徳教育と人権教育を中核に据えた心の教育を一層推進し、規範意識や情報モラル等の向上を図り、自他の生命尊重、思いやりなど豊かな心の育成に努める。
一 いじめや不登校等の課題解決や適切な支援に取り組み、一人一人の自己実現を目指す積極的生徒指導に努める。
一 一人一人が夢や憧れをもち、志へ高めることができる心身ともにたくましい児童生徒の育成に努める。
一 増え続ける自然災害への迅速で適切な対応及び環境整備の促進、感染症防止対策の充実並びにGIGAスクール構想を活用した児童生徒の学びを保障するための教育課程等の創意工夫と実践に努める。
一 関係機関や団体、家庭及び地域社会との連携・協働した取組を進め、安全で信頼される学校づくりに努める。
一 社会に開かれた教育課程の実現を図り、学校教育の一層の質的向上に努める。
一 一人一人の教育的ニーズに応じた特別支援教育の充実に努める。
一 公教育に携わる教職員としての服務の厳正を期し、使命感の高揚及び専門的な識見と実践的指導力の向上を図るとともに、働き方改革を推進し、組織的かつ計画的な研修体制の確立と授業力向上に努める。

上記、宣言する。

            
                        令和5年5月11日
                         第59回 長崎県校長会研究大会諫早大会

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