兄弟そろって.....
〜米水津 網とり〜


〜プロローグ〜
今回のメンバーは、田中、須藤、村上、おじいちゃん、自分と5人での釣行。小倉を9時半くらいに出発。約4時間の道のりで米水津を目指す。途中大分市内の釣りの三平でエサを調達する。前回の釣行のとき、古くなって気になっていたライフジャケットが三平釣具で安くなっていたので今回購入する。ついでにフエルト底の磯靴も魅力的な値段についつい買ってしまう。スパイクとフエルトの底で2900円。確かに普通の長靴の素材で作りは磯靴といった作りではあるが今使っている2足の磯靴がどちらもふんばる時に、貼り合わせている部分が裂けてしまい水もれしていた。この店は商品の品数も豊富で、値段もポイントなどにくらべると安いよ。ウキなどの種類も他店に置いてないようなものがたくさんある。オキアミが490円、つけエサ兼用の物で580円、ジャンボ290円。オキアミ、ジャンボ、パン粉、集魚剤各一の撒き餌で1500円といったところ、最近はつけ餌は撒き餌の中から取っている。

〜地磯組は〜
1時半くらいに米水津、小浦港着。我々は3時出港の為、おじいちゃん、村上さんに車を預け船宿の休息所で仮眠。でも結構眠れず、やっと眠たくなった時に準備しなくちゃならんのだよネ。地磯組の二人は、アラカブねらいの近辺での波止めぐり。前回でのデカアラカブの実績があるため今回もその波止に行く予定みたい。日中はイカ狙ったらと言ってみるが、日が昇るとアジ子が全然釣
れないらしい。聞くところによると、日が昇るとアジ子は沖にでるらしい。そこで波止で水イカを釣るには、夜明け前にアジ子を釣って確保するか、近所にアジを一匹100円で売っているところがありそこで調達している人もあるらしい。
〜船長!そりゃないよ〜
この日、千代丸の新造船の方は舵に問題がありドック入り、旧船での出港となる。荷物を積み込む時こんなに小さかったかななどと思う。釣り客は全部で10人程度。行き先は、同行の須藤さんが是非ともイカを釣りたいとの希望で、港から比較的近い「綱とり」に上げてもらうよう船長に伝える。今回もだが,この船長さん,人の顔を見るなり、「今日は何釣り、イカねらい?」。最近クロそっちのけでイカを釣りばかりやっているのでしかたないか。しかし、今回あがる「綱とり」という磯はクロの実績も充分にあり、2年前には昼からあがり最大37センチを筆頭に30センチクラスは結構釣れたところなのだ。

磯からの眺め
横島全景
〜実釣開始!でもやっぱり・・・〜
朝マズメに期待して磯上がり完了。全体的に足場は充分に広いのだが、ただ東むきのクロ釣りのポイントは釣り場が高く、この日はその上正面からの風で釣るにはちょっと厄介。日が昇り様子を見に行くがやはり風がきついのと、クロ釣りに適した潮の流れではない。手前からサラシした潮が沖に向かって流れ、やがて沖の潮と合流する地点でクロのあたりがあるはずなのだが、肝心の潮の動きがまったく反対で、その上風の影響でまったく釣りにならない。早々とあきらめ今日もイカ釣りに専念することにする。まだ夜が空け切れぬうちにと、アジを狙う。型もそこそこのアジがつれる。中にはエサには大きすぎるようなものも混じる。平均して17,8センチといったところ。日中アジが釣れなかったらという不安から、今回は生かし用の大きめの物を用意しておいた。たとえばバッカンなどにブクブクをいれて生かそうとしてみるが、やはりアジの数が多くなるとブクブクでは弱るみたい。メッシュになったバケツ型の入れ物が釣具店に売ってあるので、これにアジを入れ海に投げ入れているとアジも元気に保存できる。市販のイカ仕掛をアジにセットして「さあ、イカよ食いつけよ!アジ君たのんだぞ!」エサであるアジにこんこんと言い聞かせ仕掛けを投入。釣り場を磯の西側にとり3人でイカを狙う。しかし、「なぜ!」である。いくら仕掛を流そうとも、ウキがぴくりともしない。遠投し潮の流れを探すが、潮の流れは緩慢で、アジもそこら近所をうろうろするばかり。長い時間が過ぎる。様子を見に高場へ登って見るが時折強い風が吹きやはり釣りずらそう。クロはあきらめるか。(T_T)

大分ではモイカというんだ
〜モイカ(水イカ)GET!〜
昼近くなった頃、アジが引っ張るウキがすいすいと沖に向かう。何かに追われているような動きだ。余分な道糸を巻き取り、仕掛を張る。と、確かにアジ以外の重みが伝わる。取り込みやすいよう磯の先端に出て竿を大きくあおる。瞬間根掛かりのような重みが伝わり、そのあとイカの動きが伝わる。1号の竿が大きく曲がる。すかさず田中さんがタモを持って駆けつけてくれる。浮かすとイカは墨を吐き、必死に抵抗する。無事に田中さんのタモに納まり、こんどは自分が大きく息を吐く。安堵。この後、またも置き竿にアタリがあるが合わせに失敗し、天を仰ぐ。今回のようにアタリすら少ない日は確実に取りこむようしなければと思うがままならぬ。しばらくアタリすらない時間が過ぎ去っていく。

ファイト中の須藤さん
〜須藤さんがんばれ!〜
須藤さんは,めったと磯釣りにこないだけに是非とも釣り上げてほしい。その希望が天に通じたのか「来た」という須藤さんの声。道糸を張り、竿先でイカの重量を感じている様だ。前回の失敗(アタリ6回取り込み1回)を繰返さぬよう、「もう良いやろうか?」と不安げ。竿先を持ち上げるように大きく合わせる。しっかりハリ掛かりしたようだ。真剣な表情で道糸を巻き取る。われわれの声も聞こえていないようだ。紺緑の海中からイカの姿が見え始める。水面に姿をあらわすと同じに墨を吐きながらわずかながら抵抗を試みるが、しっかりとハリ掛かりしているとみえ無事田中さんの差し出すタモに納まった。おめでとう。2度目のイカ釣りではあるが見事に釣り上げた。前回初挑戦の時には釣り上げた後、「釣ったぞ〜と」空に向かって吠えた人なのである。この日は吠えこそしなかったがニコニコとうれしそう。さっきの超マジな顔つきがウソのよう。そういえば仕事の話をする時もそんなに真剣な顔見たことないなぁ。

釣ったぞぉぉぉ〜
〜あしがない!〜
記念写真を撮ろうと須藤さんに近寄ると何やらイカを見ながら不信そう、尋ねると足が1本ないという「切れとう」何が「足が」そんなことないやろ「いやここにあるはずの足がない」「ここは口よ」「エエッ!」そう、舞い上がっていたのである。仕方ない、3時に瀬あがりして9時間あたりもなかったのだから。しっかり〆をいれ、さらにビニール袋にイカを入れクーラーに入れる。イカ釣りは釣り自体の面白さもあるけど、やはり食べてこそ良いのだ。特にこの水イカはイカの中でも高級といわれているし、刺身、あぶり焼、煮つけといろんな食べ方がある。みんなイカの美味しさを知っているからこそ熱心にイカ釣りに励むんだろう。須藤さんなんかはこの典型的な人だし。たぶんもう、帰ってからどうやって食べるか想像していることだろう。今回はゲソをあぶり焼にして食べたいみたいなこと釣る前から言ってたし、やっと希望がかなうわけだ。よかった。よかった。
〜明日があるさ!〜
今一人釣れていない田中さんも頑張るがあたりすらなし。帰港の時間を3時にしているので、時間も後わずか。せめてもう一匹と欲を出すが、願いかなわず。おまけに磯に近寄った仕掛が藻にからみこの日3度目の根がかり。残り1時間をエサであるはずのアジ釣りに専念することにした。このアジをタタキにするとうまいだよ。ご飯のおかずにもなるし、酒の肴にもうってつけ。子供にも評判が良いのでイカをあきらめアジ釣りに精を出そう。また次があるさ。
しかし、この前もそう言ったっけかな。後かたずけを済まし、船を待っていると船長から「エンジンが不調なので少し遅くなります」との電話、なんて今日はついてないんだろう。