一節切尺八



製作中の一節切です。


一節切尺八は室町の一休禅師から江戸の中期、島原の乱で倒れた板倉重昌に至るまで
日本の尺八界の代表楽器であったが、音色がか細く、また音程が安定しないこと、
また島原の乱後、鎖国時代に長崎に伝わった中国福建省の南音洞簫の影響もあり、
1尺8寸の太管、多節管が主流を占めるようになり、急速に廃れました。
一休時代は宜竹型、のちに北条玄庵が改良した玄庵切りが重宝されたが、
私はその宜竹型と玄庵切りの両方を製作しています。
しかも玄庵切りは音程が現代尺八ときちんと合うように調律しています。

上の写真、手前4管が宜竹型、向こう4管が玄庵切り、(玄庵切りは管尻が根側と逆)
最初は単なる竹の管、これが年月をかけて調律を重ね、銘管に育つのです。

下は私の愛用管2本、上は室内用で切ない音色、下は屋外用で音が遠くまで響く。