奉仕の理想探求語録    第23号

        長崎東ロータリークラブ 雑誌委員会        

 

「心」を学ぶ        (友1998−8号  加古川中央 木下 隆)

 

「としごとに  咲くや吉野の さくら花

     樹を割りてみよ  花のありかを」  (小池一夫作「拳神」より)

無骨な歌であるが、妙に納得してしまうのである。

こんなに美しい花が毎年咲くのだから、さぞかし樹のなかは花片で一杯だろうと思うと、

さにあらずなのである。逆なのだと教えている。

健全な樹ならばこそ、毎年多くの花をちりばめることが出来るのである。

入会させていただくと町の名士ぞろい。

私などが入会すべきでなかった。早々に退会しよう。

悶々とした日々の中、幾人かの先輩から声を掛けていただいた。

厚かましくも会社に寄せていただいたり、旅行に同行させていただいたりした。

その中での会話に私は助けられたのである。

その先輩いわく、

「私は今でこそ何とか食っていけるようになったが、何度死のうと思ったことか」  

その一言に私は冒頭の歌を思い出したのである。

どの先輩も、ただ美しい花を咲かせている訳ではないのである。

ロータリーに入会させていただいたからこそ学べた「心」のありようであった。

今は10年後の新入会員のために私なりの花片を感じてもらえるよう、公私ともに

健全であるべく、努力して行くつもりである。

ありがとうございました。