奉仕の理想探求語録     第25号

        長崎東ロータリークラブ 雑誌委員会        

 

「命の日」今を精一杯生きたいと思う  (友1998−6号 吹田西 川邊哲郎)

阪神淡路大震災から、ちょうど3年を経た1月17日、兵庫県教育委員会主催の

「生き方を考える高校生フォーラム」弁論大会の決勝が神戸市の甲南女子大学で

開催された。

各地区の予選を経て出場した8人の中で見事最優秀賞を獲得したのは豊岡市の県立豊岡

実業高校1年生の名城直樹君(16歳)。

彼は大震災で両親、弟、祖母の4人を亡くした悲惨な体験を「命の日」と題して

弁じている。

わずか16歳の若者が人間の死に直面し、そこから「生」を見つめ直し、その尊さを

実感することは実に貴重なことと思う。

<< あの日まで「生」が当たり前で「死」は特別なものと考えてきました。

今では「生」も「死」も同じ角度で見ることが出来るようになりました。(中略)

命をあずかって生まれてきたものは、やがて死を迎える。

それが数10年後か、明日か、もしかしたら今日かも知れません。

だからこそ「生」の奇跡を得た僕は今を精一杯生きたいと思うのです。

父母から貰ったこの命を無駄にすることなく >>

名城君はこのように弁論を結んでいる。

第2660地区では、震災直後、震災遺児里親制度を発足させ、8人の遺児に援助を

行ってきた。

わが吹田西クラブでも1人の遺児の里親になっている。その遺児が名城直樹君なので

ある。

 弁論大会当日、熊沢PGをはじめ、当RCの青木会長ほか5名が応援に出向き

その素晴らしい弁論に非常な感銘を受けた次第である。