奉仕の理想探求語録     第26号

        長崎東ロータリークラブ 雑誌委員会        

源流と里山を語る会      (友1998−6号  武生 田中保士)

 

当クラブでは、住民、市民団体及び企業、行政と協力しあって、山村の里山で

キャンプ場つくりに取り組み、18年目を迎えた。気がついてみれば、地味な

奉仕作業であったものが、素晴らしい意義深い事業に発展している。

「安養寺開拓キャンプ村」と名付けられたこの事業は、開拓作業を取り組みながらの

少年達のキャンプ活動と、私たちの奉仕作業を続けたすえ、10年かかってようやく

キャンプ村としての形ができあがった。

そこには村役場もあり、ファイヤーサイト、井戸や貯水タンク、トイレ

そして砂防堰堤まで作った。キャンプサイトは山林の中に点在して設けた。

村の入り口では丸田の大きなゲートが歓迎してくれる。

苦労の甲斐があって荒れ放題の山林が里山の原形に見事に再生したのである。

その後、開拓から森づくりにテーマを変え、「安養寺森づくりキャンプ村」となった。

市民のレクレーションの場として支援しながら、鉈や鍬を手に、汗を流しての下刈り、

伐採、植樹作業など“里山を育てる”プログラムを進めてきた。

 今年の2月、里山を育て、親しむために話し合おうと、環境保全と青少年委員会が

中心となって、「源流と里山を語る会」を土地の集会場で開いた。

山仕事を続けている土地の古老や若者、興味を持つ市民や、林農業の専門家、行政

にかかわる人たちなど、60人が集まった。

集会には事前に聞き取っておいた土地の農林、村社会に関する歴史文化の資料を

冊子にして配布しておいたことがヒントとなり、山にかかわる人々の懐の深さと

山村の魅力や文化的な価値を地域住民も都市住民も改めて再認識することが出来た。

今後は地域住民と都市住民が一層交流を深めつつ、里山を育て、「里山を楽しもう」

と約束した。

17年の間に知らず知らずのうちに蓄積していた、奉仕の土壌の、厚みの尊さを

実感した。これからが新しい形の、奉仕活動の出発点であると思う。

経済や物質的な奉仕活動から、精神的文化的な奉仕へと、展開して行きたい。

奉仕とは、いかに地域社会にかかわっているか。そして持続性。

さらにもう一つ重要なこととして、地域住民と市民団体や企業、専門家や行政との

パートナーシップがもたらす効果である。と体験から私は学んだ。