奉仕の理想探求語録     第51号

          長崎東ロータリークラブ 松林政寛選  

 

感動してやること、これが本当の教育  (四国綜合教育研究所所長  横川遊亀壽)

2002年3月、2670地区地区大会の講演

 「命を育て、心を結ぶ  子供達は今」より、最後の一節を紹介します。

 

人間には人権があります。

しかし人権というのは、そのまま、あるものではありません。

あるには違いないけど、黙っていたら、誰も認めてくれないものです。

主張しなければいけないのです。

しかし、みんなが自分の人権を主張すると、必ず噛み合わない。

個人個人が違うから。

だから、その噛み合わないみんなの主張をみんなこのあたりで抑え合いましょう

というのが義務です。これが躾です。

だから、躾が身につけば、ある程度解決できるのです。

躾は学校では出来ません。親がやって見せて、子供にやらせるものなのです。

 

 昔は小さいうちから友達と遊んで、仲間外れになることを嫌ったために、

自分自身を一生懸命整えてきました。

兄弟姉妹の数が多く、同じ兄弟でもそれぞれちがいました。

そういう家庭環境で人間を作ってきました。

ところが今は子供が一人か二人なので、家庭で人間が作れないのです。

今、子供達が抱えている問題は、人と人との係わりの中でどう生きていくか、

ということです。

ですから、なるべく小さなグループを作ったり集団を作ったり、

縦割り班を作ったりしながら一緒に暮らす体験をさせることです。

 

それと同時に、最近は言葉の量が非常に少なくなりました。

だから、なにか長い話をすると聞き切りませんから

「むかつき」というのが起こるのです。

そして自分の思いをぶつけようとした時に、ぶつける言葉が見つかりませんから、

「切れる」という現象になってしまうのです。

 

ですから私達はあの子供達と一緒に歩きながら、一緒に動作をしながら、

顔を見ながら、うなずいて聞いてやりながら、感動してやること。

これが、これからの本当の教育ではないかと思います。