長崎上海空路開設25周年記念「遊友クラブ」上海旅行記


江戸時代、日本が鎖国だった頃、長崎だけがオランダ、中国との交流を許され
特に隠元禅師の来朝以来、多くの中国文化が長崎を介して日本国中に移入された。
また元禄のころ市民6万人のうちなんと1万人が中国人であった長崎。

そういう長崎の特性をもっと生かして、日中の文化交流を深めたいと常々感じていたこともあり
平成16年9月13日から17日までの5日間、長崎上海空路の開設25周年を
記念しての「遊友クラブ」の上海自由旅行に参加した。

なにしろ私にとって今回は全てが初体験、最大の懸案は上海音楽学院に伺い、 民族楽の笛子教授に挨拶、
できれば個人指導を受けて帰ることであったが、その懸案も100%実現できた。

また片言の中国語会話能力ながら、独りで朝食をとることに挑戦し、
初日目18元、2日目7元、3日目1.5元、4日目1.8元と体験学習の成果を得る事ができた。
1元が約14円、朝食は最大250円、安く食べれば30円程度で食べられるのだ。
夕食は全員で最高のレストランで食べたが、1人1000円以内で食べられた。

又上海市内に在住の江 茘さんの姉君、江 燕さんに電話をかけることにも挑戦、日本からのお土産を無事渡すことができた。
市内の電話は0.3元弱 約4円でかけられる。

問題は買いものと、移動、ホテルや高級レストランと違い、相手は全く日本語が通じない。
もう少し中国の日常会話を勉強すれば、さらに楽しい旅行が楽しめそうな予感がした。
すばらしい5日間の自由体験旅行でした。


出発に際しては遊友クラブ会長の陳社長と私が旅行団を代表して開設記念レセプションに参加、
多くの報道陣も取材に訪れ、にぎやかな出発となった。
写真は出発前のロビー風景、セレモニーでの横田長崎県地域振興部長への記念品贈呈


大村空港から上海空港まではアットいう間の1時間余、
上海空港に着いたら世界でただ一つのリニアーカーに搭乗、時速420キロの
猛スピードに車内は歓声、あっというもの8分間でした。写真右はリニアカーの駅ホームで


1日目の夕食は北京ダックの「全聚徳」、受付嬢は清朝の服装をし、室内も古風で
最高の雰囲気で美味を堪能、初日の宴を楽しんだ。


2日目は上海博物館、驚いたのは多くの資料の中に紀元25〜250年時代の簫と琴の石像が展示されてあったこと。
しかも簫の唄口は日本の尺八と同じように外から削っていることがはっきり解った。
唐の時代に百済から日本に移入された簫が今の尺八の歌口をしていたことも、これでうなずける、貴重な発見であった。
また篳篥であろうと思われる楽器を吹く童子の像もあり、興味深かった。

   


2日目の昼食は高級別荘レストラン「申粤軒」、夕食は精進料理の「功徳林」(中央)
どちらも有名な高級レストランでそのおいしさは格別だった。夜は歩行者天国の南京路を散策 


3日目は朝から朝の南京路を散策、多くの太極拳愛好家で通りは賑わっていた。
午前中は浦東のテレビ搭に上り、上海市内を上から見学、そのすごさに圧倒された。
町はものすごい勢いで成長している。
午後は「新天地」を見学、町並みで尺八を吹き、観光客を喜ばせた。
夕刻は上海師範大学の翁教授宅を訪問、たまたま教授は古典芸能の専門家であり、
日本の能や歌舞伎、伝統音楽などの話ですっかり共感、私の尺八に合わせて吟を朗じるなど
たのしいひとときを過ごさせていただいた。


4日目はお待ちかねの自由行動日、
上海師範大学の呉教授のお世話で、日本語クラスの学生がガイドについてくれることになった。
私は山田夫妻と3人で、ガイドに陳さんと丁さんが付いてくれた。
午前中は有名な豫園を訪問、上海に残された風少ない歴史的庭園であり、訪問者で賑わっていた。
午後は丁さんと2人でショッピングを楽しんだ。


今回の最大の懸案であった上海音楽学院の訪問
民俗楽教授、何 宝泉教授(古筝)の紹介で笛子の張 煌教授が特別に指導に当たっていただいた。
おかげで中国の笛独特の味をすこしだけ伝授していただけた。
丁さんの同行で、すばらしいレッスンを受講することができた。
次回のレッスンではさらに次のステップの技法を学び、伝統文化の相互交流を深めたい。


最後の夜はバンド、浦東のテレビ搭、そして浦西の和平飯店、素晴らしい夜景だった。