1997年にできた,ルネサンス教会音楽(とくにグレゴリオ聖歌とフランドル楽派)専門のヴォーカル・アンサンブルで,このジャンル限定では日本でただひとつのプロの団体です.教会音楽が儀式の中で歌われていたという史実をだいじにして,演奏会は教会でおこない,聖書朗読などをとりいれて,ミサなどとおなじ形ですすめています.また,ルネサンス時代のやりかたにならって,ひとつの楽譜(15-16世紀の写本)を8人で見て歌っています.歌いかたは,フランス語風の発音で,発声法にも注意をはらい,ひびきがとてもうつくしい音楽をつくっています.カペラはあこがれのアンサンブルで,私が原譜で歌うきっかけにもなりました.
古楽専門(ヴォーカルアンサンブル中心)の音楽院です.ヴォーカル・アンサンブル カペラの音楽監督である花井哲郎さんが院長です.まったくの初心者が中世・ルネサンス時代の音楽の基本をまなび,カペラとおなじように,ひとつの楽譜(写本)をみんなで見てアンサンブルできるまで,手ほどきをします.バロック音楽や発声法の講座もあります.
YouTubeではフォンス・フローリス古楽院の紹介のほか,これにかかわりのあるヴォーカル・アンサンブル カペラや古楽アンサンブル コントラポントの演奏動画,古楽器の紹介などがあります.カペラの演奏では,ひとつの楽譜をみんなでかこんで歌うようすを見ることができます.歌い手ひとりひとりの,うねうねとした手の動きもヒントになりそうです.
チェンバロやリコーダー,バロックバイオリンといったおなじみの古楽器よりもさらに古い,中世・ルネサンス時代の楽器をつかって,その時代の音楽を演奏するプロの合奏団で,1973年にできました.WEBサイトでは,いろいろな古楽器が紹介され,写真とともに,音が聞けるようになっています.そのなかにはどこかで見たり聞いたりしたことのあるものがふくまれているでしょう.私がとくに好きなものはリュートとプサルテリウムです.
ロバの音楽座というのを聞いたことがあるかもしれませんが,これとカテリーナ古楽合奏団とは姉妹関係にあります.
中世(ゴシック)音楽を紹介するサイトです.まうかめ堂さんご自身が,とてもたくさんの写本を現代譜のスコアに翻訳し,さらにMIDIデータ,一部はmp3音源までつくられています.また,中世音楽の音階・旋法,楽譜のよみかた(とくにフランコ式記譜法にはルネサンス時代の記譜法と共通のきまりがあるので,とても役に立ちます)にかんする説明につけくわえて,ラテン語で書かれた当時の音楽理論書の日本語訳をつくられています(ラテン語をよむときのたいへんさは別格で,ただただすごいというのが感想です).これは古い時代の音楽を演奏するための,たしかなよりどころとなります.さらに中世イギリスの音楽についての説明もあります.
ルネサンス音楽の発展でおおきな役割をはたしたフランドル地方の音楽家とその作品を紹介したサイトです.もともとはブログでなく,きちんとつくられたWebサイトでしたが,Webサーバを提供していたYahooの事情により消滅することになり,MIDI(写本をもとにつくられています)や資料がブログにうつされました(MIDIは今回mp3音源化されました.移動作業はまだ途中のようです).これにあわせて,大量のYouTube動画がはりつけられました.以前は“写本に挑戦”という,ルネサンス時代の楽譜のよみかたのくわしい説明がありましたが,これはまだブログにでていないようです.はやく復活してほしいものです.
古代ギリシアの音楽から中世・ルネサンス・バロック・クラシックをへて,現代日本合唱曲まで,たいへん幅ひろいジャンルの曲を多重録音(リコーダーが中心,歌もある)で公開してあります.2019年4月末時点の公式発表で登録曲数 17868曲(595時間47分48秒)という,想像を絶する量で,そのうえに質も高いという驚きのWebサイトです.これだけのものですから,人気曲にかぎらず,ふだんあまり注目されない音楽家や楽曲もとりあげてあり,音楽の世界を知るうえで,とても高い価値があります.
中世・ルネサンス音楽の自作MIDIデータがたくさんあります.一部はmp3音源で,ボーカロイドによって歌詞をつけてあるものもあります.とくに中世ゴシック期からルネサンス前期の曲がおおいのが特徴で,この時代の音楽を知るのに役にたちます.また,リュート,ビウエラ,ヴァージナルといった楽器の曲もとりあげてあります.ルネサンスというと歌が中心で楽器は影がうすいのですが,この時代ならではのうつくしい曲がたくさんあります.
これらのMIDIデータは曲の紹介が目的で,演奏表現はあえて無視されているので,こころにとまる曲があったら,YouTubeなどで演奏動画をさがすのがよいでしょう.
無料の楽譜が手に入ります.CPDLが合唱曲・声楽曲だけをあつめているのにたいして,IMSLPは器楽曲もあつめています.また,CPDLにあるのは協力者によってあたらしくつくられた楽譜であるのにたいして,IMSLPには過去に出版されて著作権が消滅した楽譜のファクシミリ(写真)もあつめられているのがおおきな特徴です.とくに,ルネサンス音楽の原譜が2010年代後半になって急速に充実してきました.原譜をさがすには,はじめに作曲者で検索して,さらに曲名で検索し,原譜がないときはCollectionsをひらいて,そこから曲集名でさがすと,たくさんの曲をごっそりと発見できることがあります.
その名のとおり,著作権が消滅したパブリックドメインの合唱曲・声楽曲の楽譜をあつめています.たくさんの人によってつくられた楽譜を公開していて,そのなかから使いやすいものをえらぶことができます.ほとんど全部が現代譜だとおもいます.むずかしいことは考えず,気軽に合唱を楽しみたいという人にむいています.
バイエルン州立図書館がつくっているドイツ語のサイトです.ルネサンス時代のパート譜(原譜)の画像がたくさんあります.IMSLPでは1冊まるごとダウンロードしなければ内容を見ることができないのにたいして,Stimmbuch-Viewersではダウンロードしなくても1ページずつ見ることができるので,目当ての曲をはやく見つけることができますし,ページ単位のダウンロードができるので,必要な曲だけ手に入ります.IMSLPにない資料もあります.
フランス国立図書館やほかの図書館がもっているあらゆる分野の資料をスキャンして公開しています.楽譜もさまざまな時代のさまざまなジャンルの曲をあつめています.ルネサンス時代の出版された印刷楽譜もたくさんあって,曲集全体をダウンロードすることも,ページごとにダウンロードすることもできます.また,ダウンロードしなくても,それぞれのページを見ることができます.
大英図書館にある16世紀に出版された歌や器楽曲の印刷楽譜のマイクロフィルムをスキャンした画像を公開しています.1冊ごとに説明がつけられています.曲集全体をまとめて見ることができるほか,それぞれのページを直接見ることもできます.
カタロニアの大学とカタルーニャ図書館の共同による,カタロニアとその遺産に関するリポジトリです.英語版のほかスペイン語版とカタルーニャ語版があります.カタルーニャ以外の楽譜もあります.確認されたところではパレストリーナのモテット集が収録されています.トップページから"Palestrina"で検索し,"Image and audiovisual collections"のタブを開くと見ることができます.
藤田善正さんがボーイソプラノについてまとめられた大がかりなWebサイトです.そのなかでボーイソプラノとはどのようなものかというような内容から,ボーイソプラノがでてくるたくさんの映画・レコード・CD・DVD・本の情報,そして100人をこえる日本のボーイソプラノのソリストが紹介されています.さらに,日本と世界の少年合唱団がとりあげてあります.圧巻は,日本の少年合唱団の演奏を20年以上にわたって,東は関東から西は九州まで,藤田さんご自身で聞きに行かれたレポートです.また,半世紀以上前にさかのぼって,それぞれの少年合唱団の歴史をまとめられているのも貴重です.
日本の少年合唱団について,しっかりまとめたサイトはほかにありません.藤田さんと私は,少年合唱団の存在を世にひろめ,さかんにするために力を合わせようということで,たがいに共感しています.
日本にある少年合唱団の公式動画のうち,最近のものをあつめました.