長男が小学4年のときに,自由研究で飼育を始めたカスミサンショウウオですが,7年目の現在は一匹が元気にしています。最初は水中にいる幼生を10匹飼い始めました。これまで,途中で自然死していたものは庭の土に埋めていましたが,4年まえの個体は学習面で何かの参考になるかもしれないと思い,ホルマリンで保存していました。中三の次男は,その個体を透明骨格標本にしてくれました。
いま生き残っている成体は,人工飼育のせいか体長は5センチほどでずいぶん小さいものです。ただ,この個体は飼育当初から動きが活発だったので目立っていました。子どもたちの成長を写真で比べると,小さなサンショウウオが7年間も生きていることに生命の逞しさを感じます。つげ義春さんの作品に「山椒魚」というのがありましたが,わが家のサンショウウオも小さな容器の中で何か哲学をみつけたのでしょうか。
平成14年 | 平成21年 |
飼育を始めた年の幼体 | 現在の成体(7年め) |
次男:小学2年,長男:小学4年 | 次男:中学3年,長男:高校2年 |
自然界の成体はイモリの成体と同じくらいの大きさです。さすがに厳しい自然を生き抜いただけあって,その姿には堂々とした風格さえ感じます。自然の成体と人工飼育の成体では2倍の体長差がありますが,生命力の差はそれ以上でしょう。このことは人間いついても同じではないかと思います。カスミサンショウウオから教えられたことはたくさんありました。
自然界の成体 体長10センチ |