動く絵の不思議


四年生の国語の教科書には,動画(アニメーション)のしくみが出てきます。お父さんも興味があったので,子供と一緒に勉強させてもらうことにしました。そこでは「残像」というのがポイントになっているのですが,この現象の学術的な説明はいろいろとむずかしいようです。簡単に言うと以下のようになっています。

残像現象
私たちがある物体(色や形など)を見たあと,その物体が見えなくなっても,短い間だけ見えているような感じがする現象です。この現象は,目のおくにある網膜だけが関係していると永いあいだ思われてきました。しかし近年になって,これには脳も大きく関与していることが日本人の研究者によって発表されました。

かげ かげおくり
地面の影をしばらく見つめる 青空を見ると残像ができる

三年生の国語にあった,「ちいちゃんのかげおくり」(あまん きみこ作)にも残像が出てきましたね。

左の写真は「かげおくり」をした時に,青空に見える残像のようすを人工的に作ったものです。こんなふうに見えますよね。


むかし作られたアニメーションの道具
身近な材料を使ってお父さんも工作をしてみました。子供たちは不思議そうに,いつまでもながめていました。絵が動いているように見えるためには,少しずつ形が変わっていく絵を用意しておきます。そして,その中のひとつの絵を見て,それが見えなくなって残像として頭に残っている間に,次の絵を見るようにします。これをくり返すと,形がずれている部分が重なって,まるで動いているように見えるのだそうです。(言葉の説明だけで実感するのはむずかしいですね)

フェナキスティスコープ ゾートロープ
フェナキスティスコープ ゾートロープ

1832年にベルギーの数学者プラトーが作りました。丸い板にスリット(切りこみ)が入っています。そのスリットの間に一連の絵が描いてあります。絵のある側を鏡に向けて板を回転させ,スリットから鏡の方を見ると絵が動いて見えます。

1834年にイギリスの数学者ホーナーが作りました。回転する円筒の内側に一連の絵がはりつけられ,外側のスリットからのぞくと絵が動いてみえます。絵の部分は取りはずしが自由にできます。



GIFアニメーション
インターネットのホームページで動く絵を見かけますが,一般によく利用されているのがGIFアニメーションです。パラパラまんがと同じしくみで動いて見えます。下のアニメーションは8枚の画像で作られていて,1から8までの画像をくり返して表示することによって動いているように見せています。GIF(ジフ)はGraphics Interchange Format(画像変換フォーマット)の略。最大256色しか扱えないものの,ファイルの大きさを小さくできるメリットがあるため,インターネットではJPEGと並んでよく使用されています。多数の色を必要としない画像はGIF形式にしてホームページで利用します。

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