新しくなった県立美術館へ家族みんなで行きました。企画展「ホイットニー美術館コレクションに見るアメリカの素顔」を見ました。お父さんにとっては1950年代以降のアメリカ美術は感慨深いものがあります。二十歳の頃,美術に強く関心があって,当時かなり興味をもっていたのがジャクスン・ポロックやウイレム・デ・クーニングなど抽象表現主義の作家たちだったのです。版画家の池田満寿夫さん(故人)がニューヨークにおられた頃で,氏の著作や美術雑誌などがアメリカ美術を知るきっかけでした。できれば今回は,各作家の代表作に近いものを見たかったのですが,企画展の意図としてはバランスのある集合になっていたと思います。
お父さんがノスタルジーに浸っているときに,お母さんや子供たちは気軽に,まるでウインドウショッピングをするみたいに会場を歩き回っていました。その光景をみて「ああ,いい見方をしてるなぁ」と思いました。子供たちにいたっては「お父さーん,美術館に落書きの置いてあるバイ」と,これまた嬉しくなるコメントまで言ってくれました。子供たちにとっては,まさにそのことが素晴らしいハプニングだったことでしょう。
正面入口 | ダリの野外彫刻 | 巨大なガラス壁面 |
子供たちが美術や音楽を通して,いろいろな発見や楽しみをしてくれるといいですね。以下に紹介した美術の本は,あと何年かして子供たちに読んでもらいたいと思います。書いた人たちはいずれも自分自身が美術をやってきた人たちです。少し理屈っぽい内容のものもありますが,美術を体験することは,日常の生活や考え方に深く係わることだということが分かると思います。
おすすめの美術の本
「模倣と創造」 | 池田 満寿夫 著 | 中公新書 |
「モンガイカンの美術館」 | 南 伸坊 著 | 情報センター出版局 |
「今日の芸術」 | 岡本 太郎 著 | 知恵の森文庫 光文社 |
「芸術原論」 | 赤瀬川 原平 著 | 岩波同時代ライブラリー |