次男の自由研究 (平成16年夏休み)
地球は46億年前にできました。宇宙の岩石がしょうとつをくりかえしながら,しだいに大きくなって今の形になりました。はじめは生き物がまったくいませんでした。40億年前にやっとバクテリアのような生物が生まれました。それがもとになって,また何十億年もかかって,やっと少し大きな生き物たちが生まれてきました。5億3000万年前は「カンブリア紀の生命大爆発」といって,いま地球にいるすべての動物の祖先があらわれてきました。
カンブリア紀はまだ恐竜も生まれていない時代で,海の中だけに生き物が住んでいました。大きさは,ほとんどが2cmから10cmくらいでした。その中で,しょうらい恐竜や人間になるもとになるものも出てきました。その生き物とは,どんなすがたをしていたのでしょうか。図鑑で想像図を見ていると,とてもきょうみがわいてきました。そこで模型を作って,大きさやや形などを調べてみようと思いました。
この時代に生まれたピカイアが,ぼくたち人間のはじまりだったというのを知っておどろきました。どうしてピカイアなのかというと,いま生きている世界中の生き物の中で,人間は背骨を持っている動物(せきつい動物)のグループだからです。せきつい動物にはカエル,トカゲ,鳥,さかな,馬など多くいます。その中でとくに知能を発達させたのが人間です。背骨には脳から出た神経が通っていて,これが知能の発達に関係があるそうです。
カンブリア紀の生き物は,ほとんどが手のひらに乗るくらいでしたが,アノマロカリスだけは特に大きくて50cmから1mくらいありました。カンブリア紀で最強の生き物でしたが,ぜつめつしました。地球に起こった色々な変化が原因で,今までに多くの種類の生き物たちがぜつめつしてきました。人間はアノマロカリスのように,ぜつめつしてほしくないと思います。
(左の写真は上からアノマロカリス,オパビニア,ピカイア,三葉虫)
左の図は,せきつい動物が成長していく時のようすです。はじめは卵の中やお母さんのお腹の中にいます。ある時までは,それぞれの生き物は区別できないくらい形がよく似ています。これは,せきつい動物の祖先が同じ生き物だったからだと考えられています。ぼくたちの祖先がピカイアだったというのが分かるような気がします。ほかの生き物も人間と同じように命をもっているので,大切にしなければならないと思いました。
カスミサンショウウオ | スポンジで色をぬる |
左はカスミサンショウウオが卵の中で成長している写真です。生物の模型は紙粘土で作って,色をぬりました。色をぼかしているところは,スポンジに絵具をつけてぬっています。
参考にした本 「21世紀こども百科 宇宙館」 (小学館)
お父さんお母さんから
子供たちは昆虫や恐竜などの図鑑をながめるのが大好きです。あるとき子供が見ている図鑑をのぞいて驚きました。そこには恐竜とも違う,様々な形の生物たちが載っていたのです。そして最近たまたま読んだ「フューチャー・イズ・ワイルド」という本のことを思い出しました。その本は今から500万年ないし2億年後の地球を描いています。そこにはなんと人類の姿がありませんでした。これはたんなるサイエンス・フィクションではなく,世界の第一線にいる様々な分野の研究者たちが意見を出し合って編集したものです。たしかに生態系には不確定要素が多いので,将来の予測は困難でしょう。しかし以下にあげた文献は,どれも地球環境における人類の責任について触れています。我々はどこから来て,いったいどこへ向かうのでしょうか。子供が作った大昔の生き物たちの模型を見て,逆にはるか未来の地球人?たちの姿を想像させられたのでした。
参考文献
「カンブリア紀の怪物たち」 S・C・モリス 著 (講談社現代新書)
「ワンダフル・ライフ」 バージェス頁岩と生物進化の物語 S・J・グールド
著 (ハヤカワ文庫)
「フューチャー・イズ・ワイルド」 D・ディクソン&J・アダムス著 (ダイヤモンド社)