野生のクレソン


今頃の季節になると,息子たちが通う小中学校の近くの小川では,川岸に白い花を咲かせる植物がいっせいに見られます。以前から気になっていたので調べてみると,クレソンであることが分かりました。

クレソンの群生 比較的きれいな水 クレソンの花

クレソンはオランダガラシ(阿蘭陀辛子)とも呼ばれ,水中または湿地に生育するアブラナ科の多年草で,ヨーロッパから中央アジアが原産です。日本には明治の初めに伝わったそうで,繁殖力が旺盛なため現在では各地に自生しています。茎は中空で,水に浮かんで伸びます。水中に伸びた茎からは発根し大きな群落を形成します。5月頃に茎の先に白い小花を咲かせ,その後細いさや状の種子をつけます。

クレソンにはワサビやダイコンなどと同じ物質が含まれており,サラダや肉料理の付け合せになどに用いられます。水耕栽培に向いており,自分で栽培することもできます。今回,市販のクレソンと味を比べてみましたが,ほとんど同じでした。

1週間で根が5センチ伸びた カブラハバチの幼虫 市販のクレソン

野生のクレソンではカブラハバチの幼虫も見つかりました。カブラハバチの幼虫は「ナノクロムシ」(菜の黒虫)とも呼ばれ,ダイコン,カブ,アブラナなど,アブラナ科植物の葉を食べます。成虫は毒針を持たない原始的な蜂だそうです。


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