大川中流 |
わが家の近くには,大川という川が流れています。サイクリングをするコースのそばを流れていて,昆虫や魚や鳥などの生きものをよく見かけていたので,以前から興味をもっていました。そこで,夏休みを利用して大川の生きものを調べてみようと思いました。はば10メートルくらいの小さな川ですが,水は農業に利用されたり,浄水場を通って飲料水にもなっています。
アオサギ | アオサギ |
サギは上流から下流まで見かけます。アオサギは背たけが1メートルくらいで,実際は青みのある灰色です。そのほかに,ふつう「シラサギ」といわれている白いサギで,チュウサギやコサギがいます。川魚をエサにしているので,特に魚の多い中流から下流でよく見ることができます。下流ではウナギも食べていました。
サワガニ | クロベンケイガニ |
サワガニは甲羅のはばが3センチくらいで,きれいな水の上流にいました。写真のように赤みのあるものが多いのですが,黒っぽいものもいました。クロベンケイガニは河川汽水域の石垣や土手に穴をあけて住み着きます。ダークオリーブ色で,腕脚が藤色になり,歩脚には剛毛が生えています。
カワムツの幼魚 |
カワムツは大川で一番多く見かける魚です。体が銀色に光る感じがします。3センチから4センチくらいの幼魚(子ども)がたくさんいました。群れで動き回って,川底の石についている藻を食べていました。鳥のサギはこの魚をよく食べているようです。
トウヨシノボリ | 卵 |
トウヨシノボリはハゼのなかまで,川底の石をつたって動き回りますが,すぐ石の下にかくれてしまいます。川の石をひっくりかえして見ると,米つぶのようなトウヨシノボリのものと思われる卵も見つかりました。
ゲンジボタル | カワニナ |
上流から中流では,6月から7月にかけてゲンジボタルが飛び回ります。幼虫はカワニナを食べて成長し,そのまま冬を越して春にサナギになります。成虫の寿命は2週間くらいで,エサは食べずに草などについたツユだけをなめて生活します。ゲンジボタルはヘイケボタルより大きく,背中の赤いところの模様が十字になっているのが特徴です。
ミナミヌマエビ | テナガエビ |
ミナミヌマエビは3センチくらいで,中流でたくさん見つけました。水槽で育てたりすると環境の具合によって体の色が変化するそうです。テナガエビのオスは,特にハサミの部分が長くて目立っています。下流で見つけました。
川にすむトンボたち
ヤゴの時代を川ですごすトンボたちです。大川のまわりでは色々な種類のトンボがいましたが,その多くは池や水たまりでヤゴの時代を過ごしたもので,大川以外から飛んできたのだと思います。ヤゴは6月に見つけました。
ミヤマカワトンボ | ハグロトンボ | カワトンボのヤゴ |
ミヤマカワトンボは上流で見つけました。羽が茶色で少しすき通っています。ハグロトンボは上流から中流までたくさんいました。
オニヤンマ | コオニヤンマ | コオニヤンマのヤゴ |
オニヤンマとコオニヤンマの成虫は大きくて,体の模様も似ていますが,分類では別々のグループです。いずれも上流近くで見つけました。
水生昆虫
水生昆虫というのは,一生のある時期または全部を水中や水上で生活する昆虫のことです。大川では,幼虫の時代を水中で過ごすものが上流や中流でたくさん見つかりました。幼虫は川底の石の下にしがみついて生活しています。これらの生きものをさがす時は,川底の石をひっくりかえして見つけるようにしましょう。
ニンギョウトビゲラ | ニンギョウトビゲラ |
トビゲラの仲間で巣を作るもの
小石を体のまわりにくっつけて巣を作っています。この巣に入ったまま動きまわります。
シマトビゲラ | シマトビゲラ |
トビゲラの仲間で巣を作らないもの
コカゲロウ | シロタニガワカゲロウ |
カゲロウの幼虫
1センチくらいの大きさで,石などについているコケを食べます。
カワゲラ (成虫) |
カワゲラ
今回は幼虫を見つけることができませんでした。幼虫は肉食で,カゲロウの幼虫などを食べます。
ヘビトンボ(幼虫) | ヘビトンボ(成虫) |
ヘビトンボ
ムカデのようなものはヘビトンボの幼虫です。足がたくさんあるように見えますが,前の3対だけが足です。幼虫時代は3年で,大きいものは6センチくらいになるそうです。上流で見つかりました。成虫は6センチくらいで,寿命は1〜2週間です。
水生昆虫以外の小動物 これらは中流で多く見つかりました。
ウズムシ | ウズムシ |
ウズムシ(プラナリア)
石の下にへばりついて,体をのばしたりちぢめたりしながら動いています。わが家のページで「ふしぎなプラナリア」に登場しました。
ミズムシ |
ミズムシ
5ミリくらいの大きさで,川や水たまりなどにいます。ワラジムシやダンゴムシなどの仲間で甲殻類(こうかくるい)です。