関節リウマチの原因については,免疫系の異常が関与していることが知られています。私の場合も何らかの因子が引き金になったのでしょう。思い当たることといえば,発症の2年くらい前から非常に不規則な生活が続いていたということです。現在は睡眠時間の確保に注意しています。身体的な苦痛はとても辛いものがあります。今は緩解していますが,またいつか襲ってくるのではないかという不安もあります。今回の経験は,将来の生活設計を考える良い機会にもなりました。
病状の推移
H22年10月 起床時に左手母指のつけ根(中手指節関節)に痛み(打撲した時のような)を感じる。
H22年11月 左手のほぼ全体に痛みが広がる。
H22年12月 左手の腫れとともに,右足の指にも痛みが出る。身体の痛みにより日常動作が極端に低下する。
H23年01月 左右の手足に痛みと腫れ,深呼吸時に胸郭の痛みが出る。リウマチ科を受診し,診断される。メトトレキサートの内服開始。
H23年02月 左膝と肘の腫れと痛みが加わる。
H23年03月 メトトレキサートの効果が現れず,ヒト型抗TNFモノクローナル抗体(アダリムマブ)の使用を開始する。メトトレキサートは併用して用いる。
H23年04月 アダリムマブの効果が出始める。
H23年06月 治療効果により自覚症状がなくなる。
H23年08月 アダリムマブを中止。メトトレキサートの内服のみ。体調は良好。
体調が良くなって本当に助かりました。一時はどうなるのかと,不安のどん底を経験しました。現在はメトトレキサートの内服のみですが,この薬は抗癌剤としても使われています。私の場合はこの薬の服用中は疲労感が出てくるのですが,前に比べたらずっと楽なものです。以前は関節の痛みが強かったので,薬による疲労感を感じていなかったのでしょう。
その後は内服もしなくなり、完全に症状は無くなって普段の日常生活に戻ることができています。
関節超音波検査 Ultrasonography in rheumatoid arthritis
滑膜肥厚と炎症に伴う血流シグナルの出現
左手 第 I 指 MCP関節 | 左手 手関節 |
GSUS:grade 3,PDUS:grade2 | GSUS:grade 3,PDUS:grade2 |
臨床検査所見
参考値 | 1月4日 | 1月7日 | 1月31日 | 2月14日 | 2月24日 | 3月16日 | 4月13日 | 6月8日 | |
赤沈1時間 | 10mm以下 | 36 | 36 | - | 42 | 38 | 9 | 11 | 9 |
CRP | 0.3mg/dl以下 | 0.98 | 1.50 | 1.81 | 1.26 | 0.19 | 0.21 | 0.03 | 0.03 |
MMP-3 | 36.9〜121.0ng/ml | 110.4 | 110.1 | - | - | - | 107.2 | 75.5 | 80.3 |
RAテスト,抗CCP抗体は基準値内であった |
ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤 Adalimumab
二週間に一度,自分で皮下注射をしています。私の場合は今のところメトトレキサートの内服も,アダリムマブの注射も副作用らしいものはありません。写真の注射器は使い捨てで,この中に0.8mlの液体が入っています。価格が問題なのですが,一回ぶんが約7万円です。月に二回で,三割負担ですから毎月の支払は,内服薬や検査料を合わせると約5万円になります。
関節リウマチの病状や回復の程度はかなりの個人差があるようです。初期の段階で専門医を受診するのが重要です。