口笛は今、夜更けに響く

時は西暦２０１５年、
ここはエヴァも無ければ、使徒もいない、ましてやネルフやゼーレといった特務機関すら存在しない平和な世界である、

しかし、この世界でも碇シンジのつらい戦いは続く、
そう、幼馴染の女の子と転校生の蒼髪の美少女に続いて現れたあの忌まわしいホモ少年によって・・・・・・・・

「ふんふんふんふんふ～んふふん！さぁ、今日も僕の熱い想いを愛しきシンジ君にぶちまけよう、あぁ、空はなんて青いんだ！まるで僕とシンジ君の愛を祝福するかのようだね！」

八月の晴れ渡る午後の空を見上げながら銀髪に赤い瞳をもつ美少年が第三新東京市の国道沿いの歩道を軽やかに歩いていく、彼の名前は渚カヲル、その大人びた容姿に負けぬ明晰な頭脳と冷静沈着な精神をもつ、中学二年生である、しかし、彼にはその性格や容姿に相反する厄介な性癖があった、そう、彼はホモなのである、

いや、ホモという呼び方は彼には似合わないかもしれない、彼が言うには、「男も女も等価値」らしい、まぁ、作者である私自身、彼をホモ少年以外のなにものでもないととらえてはいるのだが・・・・・・・・・・・・そんな彼が今足を向けているのは彼の親友にして彼が想いを寄せる不幸な少年、碇シンジの住むマンションである、

しかし、この碇シンジと言う少年も不幸な星のもとに生まれたものだ、幼馴染の赤い髪の美少女、惣流・アスカ・ラングレーと、六月のはじめに転校してきた蒼髪紅眼の美少女、綾波レイの双方から恋心を寄せられてはいるのだが、自慢の鈍感さで二人をやきもきさせるばかりか、いまではこの渚カヲルと言うホモ少年からも邪悪な恋心を寄せられているのだ、

「さぁシンジ君、今行くよ！待ってておくれ～～～～」

シンジの家がもう１００メートルほどという所まで近づくと、いきなりカヲルがそう叫んで歩くスピードをあげた、いや、今彼はまぎれもなく全力疾走していたのだ、

「やぁ、シンジ君、今日も君は好意に値する輝きを放っているね」

シンジの家の玄関のドアを開けてシンジが出てくるなり、カヲルはそう訳のわからないことを呟いた、

「あがってよ、カヲル君」

シンジはカヲルのセリフに一瞬首を傾げたが、カヲルの言葉の意味がわからないのはいつもの事なので、とりあえあずカヲルを家の中に招き入れた、

「今日は家族は誰もいないんだ、父さんは会社で仕事があるから明日まで帰ってこないし、母さんもアスカのお母さんと旅行に行っちゃったから・・・・・・・・・・」

リビングにたどり着くなりシンジが顔を赤らめてそうカヲルに告げる、　そのシンジのセリフを聞いたカヲルが急に嬉しそうな顔をしてシンジに抱きついた、

「じゃあシンジ君、今夜は二人っきりってことなのかい？」
「そうだよ、カヲル君、」

頬を紅く染めてシンジがカヲルの紅い目を見つめる、そのシンジの視線にカヲルも熱い口付けで答えようとするのだった、

「シンジ君、今夜は僕達の愛の営みを邪魔するものはいない、さぁ、僕に熱い口付けを・・・・・・・・・・・・・・・」
「カヲル君・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

シンジがゆっくりと目をつむり、カヲルとの距離が限り無くゼロに近づく、そんな二人のシルエットが碇家の窓辺のカーテンに揺れるのだった、

「シンジくぅ～ん・・・・・・・・・・・・むにゃむにゃ・・・・・・　はっ！なんだ夢だったのかい、もうちょっとだったのに、」

カヲルがそう言いながら自室のベッドで目を覚まし、布団からその身をもちあげた、

「ふぅ～、シンジ君、君は夢の中でも僕の愛を受け止めてくれるんだね、本当に好意に値するよ、」

寝汗に濡れる体を乾かすためにカヲルが窓をあけて外の空気を部屋に招き入れる、時計の針はもう深夜の三時を指していた、

「それもそうだよね、リリン、こんなにシンジ君が簡単に手に入ったのではつまらないからね・・・・・・・・・シンジ君、いつかは夢の通りになろうね」

カヲルがそう呟きながら夜更けの空を見上げる、

「シンジ君、愛してるよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

この夜空の下にいる碇シンジに向けたカヲルのメッセージ、しかしそのメッセージが届く事は無いだろう、虚しさに身をやつして吹く口笛はただ夜空に消えて行くばかり、嗚呼、渚カヲルよ、お前の報われぬ恋は何処へ・・・・・・・・・

余談ではあるが、この夢の事を後日、学校でシンジに話したカヲルは「バカな夢見てんじゃないわよ！」というアスカの言葉と共に、アスカとレイから虐待の限りを受けたのは言うまでも無い事である。

　FUCK"n太郎さんからSSを頂きました（^▽^）ありがとうございます～

　カヲル君が主役の学園モノですね。カヲル君の妄想爆発な夢でしたね、せっかく最後？までいきそうだったのに・・・夢ははかないですね（^^;）

　果たしてシンジ君を手に入れることができるのでしょうか？シンジ君もまんざらではなさそうですし手に入れられるでしょう（笑）でも美少女２人がネックですね。

　とっても素敵なSSをくださったFUCK"n太郎さんに皆さん感想を送りましょう。

　皆さんの感想が作者の力になります！一言でもよいから感想を書きましょう！！

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