「リツコ14/30」
こちらNERVセントラルドグマ前、研究所
注)番外編なので、キャラは少々崩れ気味・・・。
Made by JUDD
実験その(1) ー まずはゾウさん?
「動物実験・・・ですか?」
「まあ、悠長(ゆうちょう)に思えるかも知れないけど、法則性が分からなくって」
リツコとミサトは小さくなったが、ペンギンだけは大きくなった。
それはそれ、で片付かないのが科学だそうで、今後の為にも先ずは実験、というのが赤木博士の言い分だった。
ぱっお〜ん♪
・・・ビクッ。
それにしても、とビクビクしながらシンジは思う。
『コレ・・・どっから連れて来たんだろ?』
・・・ぱお?(協力 : 第二新東京市中央動物園)
動物実験なのだから、動物自体は不可欠だ。
が、ネズミや猿ならともかくとして、何だってまた、わざわざアフリカ・・・いや、近場のインド辺りだろうか?
『大きさは・・・良いのかなぁ?』
思うシンジの傍らで、リツコがリンゴを取り出した。
「で、このリンゴに、例のハンバーグの成分を注入しといたの」
「まるで白雪姫ですねぇ?」
「とは言っても、別段毒物って訳でもないし。 まぁ、これ以上大きくなったら、EVAで何とか押さえてね?」
「何とかって言われてもなぁ? 殺すのだけはイヤですよ? 使徒って訳じゃないんですから?」
最後にリツコは、「多分、大丈夫よ」と言ってニッコリ微笑み、「優しい目をした大きなお鼻のお友達」に、右手のリンゴを差し出した。
さも嬉しそうに、件(くだん)のリンゴを鼻で受け取り、シャリシャリと咀嚼すること十数秒・・・。
・・・ぽむっ。(湧き上がる白煙)
「って、き、き、き、消えちゃいましたよっ! り、リツコさんっ!?」
「・・・あら?」
慌てたシンジが辺りを見回す・・・と、小さくか細い鳴き声が。
・・・ぱお〜ん♪
「・・・え?」
「・・・まあ?」
恐らく体長50mm・・・。
世界初、手乗りゾウの誕生だった。
実験その(2) ー お次はブタさん?
「また極端な結果だったわよねぇ? じゃ、今度は別の動物って事で・・・」
「で、今度もそうなんですが・・・どっから連れて来たんです?」
ぶひっ♪(協力 : 鹿児島県枕崎養豚場)
ペンペンは大きくなったが、アフリカ象は小さくなった。
これでは困るという事で、急遽、追加の試験が組まれた訳だが・・・。
『また小さくなったりして』
などとボンヤリ思いつつ、横手から、実験体をシンジが見詰める。
餌はまたもや「毒入り」リンゴだ。
・・・ぼふっ。(またも湧き上がる白煙)
『今度はどうなったかなぁ?』
と、碇シンジが覗き込んだ時。
ビィーッ!、ビィーッ!、ビィーッ!
総員、第一種警戒態勢!
ビィーッ!、ビィーッ!、ビィーッ!
突然、警報音が鳴り響き、巨大な地下実験施設に、緊急事態を告げるアナウンスが木霊した。
「使徒!?」
「こんな時に!?」
が、身構える彼らの前に、突如として現れたのは・・・。
ぶき〜っ♪(全長50m)
「り、り、り、リツコさんっ! と、と、と、取り返しようもなく大きくなっちゃったんですけどっ!!」
「う〜ん・・・ちょっと予想外だったわねぇ?」
「お、お、お、落ち着いてる場合じゃなくって、な、何とかして下さいよっ!
り、リツコさんっ!!」
「こうなっちゃうと、私じゃどうにもならないわねぇ・・・? シンジ君、頼めるかしら?」
「た、た、頼むって、な、何をですか!?」
「こういう場合は・・・やっぱり、殺処分かしらね?」
などと言ってる間に、実験区画の装甲シャッターをぶち破り、文字通りの「トン走」に移った実験動物。
その後方には、罪なき動物の「殺処分」を命じられ、罪悪感に心を痛める碇シンジの姿があった。
「あ、相手は使徒じゃないんですよ!? こ、殺せだなんて言われても・・・そんな事、出来るわけがないですよっ!?
」
「・・・困ったわねぇ?」
が、リツコにとっては、シンジの反発など、既に織り込み済みの事態でしかない。
『用意・・・できてるかしら?』
シンジの後方、約20mほど離れた位置の非常用扉の内側で、リツコ達を窺うように、二つの瞳がチラリと覗く。
カラカラカラ・・・キッ。
押し黙るシンジの背後で、何かが動き、そして止まった。
「・・・?・・・」
シンジが首を巡らすと・・・。
「あ、綾波!?」
・・・担架の上には、包帯姿の綾波レイが。
「あ、ん〜、え、え〜と? コレって確か・・・」
初めてここに来た時だよなぁ?
などと、シンジがボンヤリ思っていると。
「・・・碇君・・・」
「は、はい?」
「・・・イタいの・・・」
「・・・」(汗)
綾波レイ(二人目)に見詰められ、シンジはやむなく両手を挙げた。
「ぼ・・・僕が出ます。 出ますったら、出ますです。 ハイ・・・」(血涙)
肩を落としてガックリと、涙を拭きつつシンジは思う。
『ひょっとして・・・僕って今までダマされてたんじゃあ?』
この後、黒ブタさんは、ポジトロンライフルで「こんがり熱処理」されましたとさっ♪(めでたし、めでたし)
実験その(3) ー どうして最後にトラフグさん?
「ん〜? とってもオイシ・・・いえ、残念だったわねぇ? じゃ、次にいってみましょうか?」
「博士、博士・・・。 口元にソースが付いてるんですけど?」(汗)
アフリカ象は小さくなったが、黒ブタさんは巨大になった。
これでは困るという事で、急遽、更に追試が組まれた訳だが・・・。
ぴちっ♪(協力 : 下関水産試験場)
「・・・今度は何を狙ってるんでしょうねぇ?」
「い、イヤねぇ!? 人聞きが悪いわよ、シンジ君!? コレは純粋に科学の為で・・・」
「どうも黒ブタの辺りで、「味を占めちゃった」ような気がするんですけど?」
「か、勘違いよ!? み、ミサトじゃあるまいし、私がそんな事する訳ないでしょ!?」
「・・・だと良いんですけどねぇ?」
リツコの真意は不明だが、どういう訳か今度は魚で・・・。
『・・・しかも高級魚だし・・・』
実験に名を借りて、増やして食べたいだけなんじゃあ?
と、シンジがブツブツ呟く隣で・・・。
「し、しまったわ!? わ、私とした事が!」
「どうしたんですか、リツコさん?」
「コレを見て頂戴!」
・・・プイッ。
差し出されたリンゴを見るなり、フグはプイっとソッポを向いた。
「・・・リンゴは食べないみたいですねぇ?」
「ぶ、ブザマね?」
事の顛末に、シンジは何故かホッとした。
−こちらNERVセントラルドグマ前、研究所− <終わり>
最後の実験が未完と終わり、リツコが仕入れていた大量のフグ―― 一説には、転売目的で百匹以上を購入していたと噂される――は、全て秘密裏に市中で処分される事となった。
これ以降、リツコが傍迷惑な動物実験を試みることは二度となかった。
〜実験と好奇心の境界線〜
シンジ「今日のって・・・実験って言うより、単に「やっちゃった(ゥ)」みたいな感じでしたよねぇ?」
リツコ「・・・(ぎっくう!)・・・」
シンジ「それに、被害者増えちゃいましたけど(と言って、手のひらサイズのゾウさん(世界最小・最軽量)を見せるシンジ)、どうします、コレ?」
リツコ「ま、まぁ、いつものアレだわね? それじゃあ返せないし、「接収」って感じじゃ・・・ダメかしら?」(汗)
シンジ「動物園の園長さん、困るんじゃないのかなぁ・・・?」
リツコ「・・・そ、そうね?」(汗々)
シンジ「ただ、人間に限ると、小さくなるって事で良いんですかね?」
リツコ「サンプルが二人だけじゃ、何とも言えないわねぇ? あっ・・・ソレよソレっ!?」
シンジ「・・・それ?」
リツコ「シンジ君、この余ったリンゴ食べてみない!?」(マジで)
シンジ「い、い、い、イヤですよっ!? た、多少小さくなる位ならともかくとして・・・ぶ、ブタさんみたいになったら、ど、どうしてくれるんですかっ!?」
リツコ「う〜ん? EVAに乗らずに使徒と戦える・・・かしら?」(S2機関搭載型?)
シンジ「そしたら鉄臭いLCLにも入らなくて良いし・・・って、ぜ、絶対にイヤです!」
リツコ「じょ、冗談よ、シンジ君?」
シンジ「一瞬・・・目がキラキラと輝いてましたケド?」
リツコ「そ、そんな事ないわよ? でもホントに・・・誰か名乗りを上げてくれないかしらねぇ?」
シンジ「・・・(汗)・・・」
リツコ「で、話は変わるけど・・・シンジ君の周りに、憎らしい子とか、いじめっ子とか、嫌いな子とか・・・いる?」
シンジ「あ、あのぉ〜、全然変わってませんよ、話題が? 第一、幾らなんでもそこまでして人体実験にこだわらなくても・・・って、ん?」
リツコ「・・・居るのね?」(キラリン)
シンジ「い、いや、そういう訳じゃなくって。 小さくなったらどうなるのかなぁ? って思っただけなんですが・・・」
リツコ「誰の事かしら?」
シンジ「えっと、例えば父さん・・・とか?」
リツコ「父さんって・・・碇司令!?」
シンジ「ま、まあ、そういうコト・・・かなぁ?」
リツコ「・・・イケるわ・・・」(にやそ)
シンジ「ま・・・マジですか?」(滝汗)
JUDDさんからSSを頂きました(^▽^)ありがとうございます〜
今回は番外編ですね。リツコさんの恐怖の実験が書かれています。
象は小さくなりましたね、これは手乗り象として売り出せば人気がでるかもしれないですね。
お次は豚、巨大になりましたね、これで食糧難にはならないですみますね。
最後は河豚、リツコさんは調子に乗りすぎて失敗しましたね。河豚がりんごを食べないことに気がついていませんでした(^^;)
レイちゃん、演技上手だねと感想を送りましょうね。
とっても素敵なSSをくださったJUDDさんへ感想は掲示板かjun16に送ってくださいね。JUDDさんに送っておきます。
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投稿:リツコ14/30 こちらNERVセントラルドグマ前、研究所