お茶目な失敗
Made by チェリオ
シンジは呆れていた。
「僕が何かした?ねぇ」
「・・・ごめんなさい」
シンジの前でシュンとなっているアスカ。
はぁ・・・片づけが大変だな。
「まぁ、良いけど・・・」
そうアスカに言い残し、キッチンに入る。
近づくに連れて酷くなった。
どうやったらこんな風になるんだ?
爆発が起きたのかは不明だが、天井まで黒くなっている。
・・・誰か殴ったの?
そう言って手にとってのは、異常に曲がっているフライパン。
ああ!今晩に使おうと思っていた肉が!
どう表現して良いのかは分からないほど原形をとどめていなかった。
「・・・・・・・・・・・」
シンジ、フリーズ。
「・・・ふぅ・・・・・」
急ぎ電話の元へ行く。
「ミサトさん。緊急事態です」
流石にあそこまで行くと、手に負えなかった。
「ええ。アスカの暴走です・・・はい、それはやっておきます」
今回は僕も切れますよ。
キッチンが再起不能ですからね。
そして、電話を切るシンジ。
「さて・・・アスカ。経緯を話して貰えるかな・・・って居ない!?」
逃げやがったな・・・
「アスカが行きそうな所は・・・・・」
委員長の所か公園か加持さんの所・・・
加持さんは住む所ありすぎだから除外。
「・・・委員長の所だな」
何となくそっちの方へ行った。
虫の知らせという奴か?
「携帯つながるかな・・・・・・やっぱり、電源切ってるな」
まぁ、分かっていたから別に良いんだけど。
「もしもし、洞木さん?シンジだけど・・・アスカ来てない?」
『えっ?あっ・・・・・居ないって事にするの?・・・ううん。家には来ていないけ
ど』
「分かった。ありがとう」
さぁ・・・今から行くからいい子で待って居るんだよ・・・・・
シンジは急いだ。
何となくイヤな予感がしたからだ。
この予感はいい具合に的中してしまうが。
「ねぇ、一体どう言うことなの?」
不思議に思い、アスカに聞いた。
「それは・・・その・・・」
言えなかった。キッチンをぶっ壊したなどと。
「また碇君と喧嘩でもしたの?それなら早く謝った方がいいわよ?」
確かに謝った方がいいとは思うが、喧嘩という類でない。
「そうだとは思うけど・・・・」
「何?」
「きっかけが掴めないと言うか・・・」
きっかけねぇ・・・アスカも色々と考えてはいるのね。
そのとき、爆発音が聞こえた。
「テロ!?」
「ヒカリ・・・行かない方が・・・・・」
アスカの制止を振り切り、急ぎキッチンへ行くヒカリ。
「きゃああああああ!!!」
ヒカリ絶叫。
キッチンが木っ端微塵。
「ど、どうして・・・」
訳が分からなかった。
さっきまで確かにキッチンがあった筈なのに・・・
「そう言えば・・・」
1つ思い当たる節があった。
「アスカ・・・あなたさっき何処にいた?」
「・・・キッチン」
そう言うことね・・・碇君に謝れないのも頷けるわ。
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
いや〜な沈黙。
互いに何も喋らない。
「もしもし。碇君?私の所へ来てくれないかしら?そう、アスカを引き取って欲しいの」
現時点をもって友情決壊。
「心配ないよ」
「あれ?空耳?」
ヒカリは辺りを見回した。
ここに居てはいけない人物の声だったから。
「・・・・・何で?」
「やぁ・・・急いできたんだけど間に合わなかったみたいだね」
居た。
どっから入ってきたのかは不明だが、確かにそこに居た。
「さて、アスカ・・・・・」
凄く冷ややかな声がアスカに降り注いだ。
アスカは動けない。
「「どうしてキッチンを壊すのかな?」」
完璧なユニゾン。
どちらも笑顔と言うのが怖い。
こめかみを引きつっているのはじっくり見なくても分かった。
「・・・ごめんなさい」
アスカへの説教開始。
計4時間かかった。
〜おまけ〜
「・・・で、どうすんの?」
ミサトがため息を付きながらシンジに聞いた。
「キッチンが新しくなるまで店屋物です」
「はぁ〜〜・・・シンちゃんの料理はしばらくお預けか・・・」
ちらっとアスカを睨む。
流し目なので余計に怖い。
「本当に申し訳ありませんでした・・・」
身も心もぼろぼろなアスカはこれを言うのが精一杯だった。
なお、何故アスカが料理をしたのかは不明だが、ミサトに匹敵するほどの実力者だったと分かる。
チェリオさんからSSを頂きました(^▽^)ありがとうございます〜
台所を破壊してしまうアスカちゃんの料理とは・・・ちゃんと道具を使っているんでしょうか?まさかダイナマイトとかを使っていたりして(^^;)
いつも温和なシンジ君もこの時は怒ってしまいますね、自分の聖域を壊されたんですから、ヒカリちゃんも同じですね。
普段慣れない事をしたから台所が爆発したんでしょうね。でも料理をしていたという事は・・・食べさせる相手は勿論・・・でしょうね(^^)
アスカちゃん、レシピを教えてと感想を送りましょうね。
とっても素敵なSSをくださったチェリオさんへ感想を送りましょう。
皆さんの感想が作者の力になります!一言でもよいから感想を書きましょう!!
投稿:お茶目な失敗