卒業式
Made by チェリオ
「流石ネルフ・・・何でもありね・・・」
2016年3月。
シンジ達は、目前に迫っている卒業式を緊張しながら、入場をした。
「・・・アカン・・・緊張してきよった・・・」
「僕もだ・・・」
式の途中で喋るのはいけないことであるが、そんなこと関係なかった。
今は自分たちが主役なのである。
少しの暴走なら大丈夫なのだ。
ケンスケのシャッター連続押しも職員達の予想通りだった。
ただ、綾波の遅刻というのは予想外だった。
まさかこの日まで遅刻するとは・・・
卒業式に1時間遅れで出席すると言うのもなかなか珍しい。
「・・・・で、ご来賓の・・・」
「誰が来んのかな?」
アスカ、初めての体験でドキドキ。
「それはやっぱりここの関係者じゃない?小学校の校長先生とか・・・」
隣に座っているヒカリが言う。
だが、そんな普通に事が進むはずがない。
第3新東京の実権を握っているのは、あのネルフだからだ。
「特務機関NERV総司令、碇ゲンドウ様」
「「・・・はい?」」
2人の時が止まった。
「では、碇ゲンドウ様」
静かに席を立ち、静かに壇上へ上がるゲンドウ。
「・・・問題ない」
その一言は混乱を招いたにすぎなかった。
「貴様等はただ義務教育を終了したに過ぎん。そんな事は誰にでもできる」
祝福の門出を祝う言葉ではなかった。
「所詮、貴様等の価値などそれぐらいの物だ。以上、下がれ」
むしろ彼方が下がってくださいな勢いだったが、惜しくもゲンドウの祝辞はここで終わった。
「父さんは何で何時もこうなのかな・・・」
自分の身内、しかも父親と言う存在なのでシンジは凄く恥ずかしくなった。
全体が重々しい空気になったのはゲンドウの所為かもしれない。
「・・・・・・・・次に、特務機関NERV作戦部長、葛城ミサト様」
司会もどう進めて良いか分からなくなったが、取り敢えず予定通りに進めた。
「シンちゃん!アスカ!おめでと〜!」
上がった途端にこの一言。
卒業生はシンジ達だけではないと言うのをすっかり忘れているミサト。
「・・・って、言ったのよ!?考えられる!?」
話はいつの間にか自分の愚痴話に変わり、全体がおかしな雰囲気に変わった。
ゲンドウの時よりは幾ばくか軽くなったが、緊張感も無くなってしまってはどうしようもない。
「赤木さん、次よろしく」
とうとう司会のヒューズが飛んでしまったようだ。
普通は、来賓にこんな風に言えない。
「皆さん。まずは卒業おめでとう」
メガネを光らせ、周りを威圧するような感じで見ていたが、これはこれで良いのかもしれない。
白衣姿というのが気にはなるが。
「皆さんはこれから先、様々な困難が立ちふさがるでしょう・・・」
まともな会話で感涙する教師。
場も真剣な感じに戻った。
「そこで、困ったときにこの薬を飲めば気分爽快で悩みなんか吹っ飛んでしまうわ」
そう言ってポケットから薬のような物を取り出すリツコ。
しかしどう見てもヤバげな薬だった。
色も白くて粉っぽい。
まさかとは思うが、会話の事を考えると、使ってしまったら二度と正常に戻れなく、警察のお世話になると言う
アレかもしれない。
会場全体が異様な雰囲気になってしまった。
ゲンドウが作った重々しいでもなく、ミサトが展開した雰囲気でもなく、
ただリツコからの禍々しいオーラの所為で、何となく落ち着きが無くなってしまったのだ。
周りから、「お母さん助けて〜〜!!」や、「もしもし、警察ですか!?」
などの声がそこら中から聞こえるのだが、概ね問題ないことである。
「これが卒業式って言うんだ・・・」
大いに勘違いしてしまったアスカであった。
後書き・・・
卒業していく皆さん。おめでとうございます。
一人一人が目標を持って歩いていくという節目の時期です。
そんなことこれぽっちも持っていないチェリオでした。
チェリオさんからSSを頂きました(^▽^)ありがとうございます〜
誰もが迎える卒業式、緊張の中に嬉しさと悲しさがありますけど・・・流石シンジ君達の学校、一味違います(一味以上かな)
ご来賓はゲンドウ達とは皆チルドレンの卒業を祝っているんですね(祝い方が個性的で良いですね^^;)
アスカちゃんはこの卒業式が正式なんだとずっと思うんだねと感想を送りましょうね。
とっても素敵なSSをくださったチェリオさんへ感想を送りましょう。
皆さんの感想が作者の力になります!一言でもよいから感想を書きましょう!!
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