リツコの実験
Made by チェリオ
ネルフの怪しいところで1位2位を争う場所。
選ばれた者しか決して立ち入ることが出来ない魔の空間。
その選ばれし者とは?
それはきっと獰猛な捕食者と可哀想な小動物であろう。
狙われたら100%ゲームオーバーだ。
そんな大惨事が起こっている場所。
その名もリツコ私設研究所。
ここにはネルフ内部からの様々な抗議文が送られてくる。
曰く、体が元に戻らないのですが・・・
曰く、部下が中から戻ってこないのですが・・・
曰く、研究所から聞こえる不気味な声を止めて下さい。
毎日毎日、洒落にならないことが起きているが、本人にはそんなこと関係なかった。
自分の欲求が収まればそれで良いのである。
まさにマッドの鑑だ。
「ふっふっふっ・・・・ついに!ついに!!ついに出来たわ!!!」
そしてここの責任者、リツコが片手におかしなものを携えて狂喜乱舞していた。
「センパイ!ついにやりましたね!」
その横に目を輝かしているマヤ。
「ええ。今度こそは間違いなく完成品よ」
少し疑問を感じる部分があったが、概ね問題ないことだろう。
ただ一つ言えることは、間違いなく周りの人間が被害を被ると言う事だ。
残念ながらリツコの作品に成功例は今のところ無い。
「「この『ズバッと君6号』があれば!!」」
2人の息はピッタリだった。
恐ろしいぐらいに。
この日の葛城邸はいつもと違っていた。
朝から緊張感が張りつめられていた。
テーブルに座っている一同。
「ミサトさん。今日は折り入って重大な話があります」
ミサトの正面に座っているシンジが話を持ち出した。
「・・・分かりました。聞きましょう」
この顔は使徒と向き合っているときにしか出さない顔だ。
「ちょ、ちょっと・・・2人とも怖い・・・」
現状を理解しきれていないアスカには何が何だかサッパリだった。
「クェ・・・・・・」
やはり動物には特有のカンがあるのだろうか。
ペンペンは急いで冷蔵庫に避難。
「まず第1に、僕の事をどう思ってますか?」
「愚問ね。大切な弟と思っているわ」
「本当ですね?」
「え、ええ・・・(でも偶にくらっと来ちゃうのよね。私ってその気はないと思ったんだけど。でも、実は最
近シンちゃんのこと男って思っちゃう時があるし。でも流石にそれはマズイじゃない?いくら何でも。保護者が
襲うなんてさ。相手は中学生だし。犯罪だし。で、でもシンジ君がO.Kなら私も行っちゃうかも・・・って何
言わせんのよ〜!)」
「シンジ!早く次の質問に行って!」
乙女のカンはよく当たる。
それに何となくムカついてくる。
「・・・では次に、あの当番制の通りにちゃんとやってますか?」
「それはアスカもじゃない?」
苦し紛れに他人を巻き込む。
「え?アタシ?ちゃんとやってるわよ」
「今はミサトさんの質問です。アスカには別の時間に言い聞かせます」
「だからやってるって・・・」
完璧に無視。
「ちょっち仕事がきつくてね〜」
「遅刻していくのがきついことなんですか?それは大変ですね」
「うぅ・・・(あ、あれ?なんかシンちゃんいつにも増してハッキリ言うわね・・・何か変なモノでも食べた
のかしら?でもこのシンちゃんもなかなか・・・っていい加減にしなさい!)」
心の中では暴走一歩手前。
「では最後に・・・今何杯目ですか?」
「6杯目かな?でもまだまだいけるわよ♪」
ミサトの前には空き缶が転がっていた。
「まだまだいけるじゃありませんよ。ミサトさんの所為で今月苦しいんですよ?」
ミサトの目の前に家計簿を見せた。
「僕のことを思っているのなら自粛してくれませんか?」
顔は笑っちゃいるが目の奥は笑っていない。
「ふぇ〜ぃ・・・・・」
ミサトも抵抗しようとしたが、その後の展開は目に見えているので諦めた。
〜おまけ〜
「元気ないわね。ミサト」
「シンちゃん・・・反抗期なのかなぁ〜」
ごめんなさいねミサト。新しく出来たやつを試したの。でも効果は3日後には切れるわ。
・・・あくまで理論上だけど。
後書き・・・
ミサトさんが暴走しましたがあまり気にしないで下さい。
いつものことなので。
チェリオさんからSSを頂きました(^▽^)ありがとうございます〜
MADリツコさんの発明品でシンジ君が実験体になりましたね。いつもは言う事ができないシンジ君がズバっと何でも言えるようになったので成功かもしれないですね。
こんなシンジ君ならミサトさんもアスカちゃんもきちんと当番を守ってくれるでしょうね。
リツコさん、次の発明は何?と感想を送りましょうね。
とっても素敵なSSをくださったチェリオさんへ感想を送りましょう。
皆さんの感想が作者の力になります!一言でもよいから感想を書きましょう!!
SSroom_4
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