スーパーロボット大戦EVA


Made by 黒い稲妻


「リツコいる?」

リツコの研究室にアスカが、無遠慮にズカズカと入ってきた。

「何のようなの?冷やかしなら、かえって頂戴。いま『エヴァンゲリオンブルーデスティニー計画』で忙しいのよ。」

「リツコ、お願い!リアルスーパーロボット大戦を作って!」

アスカは、そう言うと、リツコに頭を下げた。

「珍しいわね。アスカが、頭を下げるだなんて。それで、一体どういうものを作って欲しいの?」

「スパロボに出てくるロボットをシミュレーションで使えるようにして欲しいのよ!」

「どうして急にそんな事をおもったの?」

「・・・・・・スパロボJ発売記念よ!」

リツコの質問にアスカは、少し考えた後答えた。

「スパロボJの発売からは、もうかなりの時間が、経つわよ。それに私は、個人的に好きじゃなかったわ。私の好きな初期のガンダムが、出てこなかったから。」

「それじゃあ、スパロボMXのPSP化記念に!」

「・・・・・・アスカ。本当の目的は、何?」

「エヴァンゲリオン2PSP化記念・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

「スパロボOG発売記念・・・」

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・第三次α最高・・・・・・」

「・・・・・・アスカ?」

「フルメタルパニック、テッカマンブレード、ガンダムSEED登場記念・・・・・・」

「・・・・・・また、シャアになりたい?」

「・・・・・・御免なさい。私が、愚かでした。だからもうあれは、やめて。アレは嫌!アレは嫌!アレは嫌!アレは嫌!・・・・・・」

アスカは、そう言いながらガタガタと体が震えだした。それから十分後、震えの止まったアスカが、話しはじめた。それを聞いたリツコは、納得はしたものの乗り気には、ならなかった。

「一体何が不満なのよ!?」

「だから言ったでしょう?私には、『エヴァンゲリオンブルーデスティニー計画』があるって。」

「・・・エヴァに遺伝子なんてあるの?」

「あるわよ。・・・・・・でも、それはデスティニー違い。とにかく、私は、忙しいのよ。」

「NERVの仕事を疎かにしてやっている私的な事が、そんなにも大切なんだ。・・・・・・リツコ、ここにDVDプレイヤーある?」

「あるけど・・・・・・なにをやるつもり?」

リツコは、怪訝そうにアスカを見た。アスカは、ニコッと笑いながらあるDVDを取り出した。

「これね、ケンスケから手に入れたものなんだけど、猫嫌いなB級映画の監督の撮った猫のスプラッタムービーなんだけど、なんでもここまでやるかというぐらいに猫を痛めつけて殺すらし
いのよ。内臓を生きたまま引きずり出すのは当たり前。○○を××しながら△△したり・・・・・・」


その後、アスカは放送できないような悲惨な状況を事細かに説明した。

「・・・・・・というのなんだけど、早速見てみよっと。」

「やめて、アスカ!!ていうかそれを処分させて!!」

リツコは、物凄い形相でアスカからDVDを奪おうとした。しかし、いつも研究室にこもっている30歳が、運動神経抜群の14歳からDVDを奪える筈もなく、果敢に攻めに行ってはいるのだ
が、紙一重でかわされるのである。しかも五分経つころには、リツコは、息も絶え絶えだった。

「そんなに疲れる事しなくても私の言うことを聞いてくれれば、素直に渡すのに・・・」

アスカは、そう言いながら手に持っているDVDをヒラヒラと振った。

「分かったわ・・・・・・分かったからそれを頂戴。」

「嫌よ。ちゃんと私の希望どおりのものを作ってくれたらあげてもいいけど、それまでは、ダメね。」

「・・・・・・分かったわ・・・・・・作ればいいのね。分かったから、今日のところは、もう帰って頂戴。・・・・・・集中したいから。」

「OK♪期待してるからね。」

アスカは、そう言うとご機嫌よさそうにスキップしながら出て行った。

アスカが、出て行った後、リツコは、ムクリと起き上がり何かに取り憑かれたようにキーボードをすばやく叩いた。そしてキーボードを叩きながらブツブツと次のようなことを呟いていた。

「・・・殺す・・・絶対に殺してやるわ。あんなにもかわいい猫ちゃん達を残虐にも虐殺するなんて、常軌を逸しているわ。そいつを殺さなければ、地球が滅んでしまうわ。天誅よ!そいつに猫神に代わって天誅を下すのよ!!そうしなければ、私の身がもたないわ!!そのDVDで猫ちゃん達にやった事と同じ事をやるのよ!!いえ!!それだけでは、生ぬるいわ。それ以上の苦痛を!大罪を犯す者には、死をも生ぬるいと思わせる罰を下すのが、当然!その為にもあのDVDを手に入れなくては。待っていてね、猫ちゃん達。私が、貴方達が安心して過ごる世界にしてあげるからね・・・・・・」



それから、二日後。リツコは、アスカのご要望どおりのものを作り上げた。

作っている時にミサトが現れて、リツコの作っているものに気付き、何でそんなものを作る必要があるのかを問いただされたとき、いかなる条件下に置かれても冷静な判断が下せるようにするための訓練に必要なんだと適当にごまかした。

作り上げた時のリツコは、精根尽きていて出来たと同時に眠ってしまい24時間爆睡した。

そして、リツコが、起きると同時にアスカは、シンジとレイを呼び、早速それを試すことにした。しかし、シンジとレイは、かたくなに拒んだ。しかし、アスカは、『そんな事知らないわよ!』と、無理矢理連れてきた。

「ようこそ、リアルスーパーロボット大戦の世界に。」

「あの・・・リツコさん。なんか物凄く怖いんですけど・・・というか降ろして下さい。」

エントリープラグ内に映っている目が据わっているリツコにシンジは懇願した。

「駄目よ。最後まで付き合いなさい。猫ちゃん達の明るい未来の為に。」

「その為に僕や綾波の未来を犠牲にするのですか?ミサトさんも何か言ってください。」

「・・・・・・グットラック。」

ミサトは、シンジに顔をあわせないまま親指を立てて言った。

「ええ!!ちょ、ちょっと待って下さい。一体何があったんですか、ミサトさん?!」

「・・・安心して、シンジ君。命だけは、何とか保障してあげれそうだから。」

「ぜんぜん安心出来ませんよ!!やっぱり降ろして下さい!!綾波も何か言ってよ!」

シンジは、回線を開いてレイに同意を求めようとした。しかし、レイは、力ない表情と口調で答えた。

「碇君・・・大丈夫。私が死んでも、代わりがいるから。そして、一緒に同じ墓に入りましょう。」

「諦めないでよ、綾波!しかも、最後の方プロポーズっぽかったし!」

「こういう時どんな顔をしたらいいのか分からないの。私多分もうすぐ三人目になるから。」

「何を言っているのか僕には、分からないよ!とにかく希望を持とうよ!」

「シンジ君いつまでグダグダ言っているの?!男の子なら覚悟を決めなさい。じゃないと無様よ。」

なんとか逃げようとしているシンジにリツコは叱責した。

「命の危機から脱しよういうのに男も女もありません!!とにかく降ろして下さい!」


「却下よ!!」

「NERVに人権は、ないのですか―――!!!」

あるかもしれないが、リツコの猫への愛の前には、簡単に消滅してしまうらしい。




宇宙コロニー『アクシズ』周辺に赤いMS、シャア・アズナブル最後の愛機、サザビーが現れた。サザビーは、アクシズの表面に着地するとビームライフルを取り出して周りを警戒した。

「・・・・・・く――――!!これよこれ!!赤いMSを扱う絶世の美少女!!絵になるわ。この世の赤い巨大ロボットは、私の為にあるものなのよ!!そしてそれらを華麗に使いこなし、ヴァカシンジとファーストを瞬殺する。・・・・・・これよ!!これこそが、私の求めていたことよ。」

コクピット内でアスカは、そう言いながら自分に酔いしれていた。アスカの妄想内では、自分が負けるということは、宇宙が滅んでもないらしい。

一方のシンジは、そんなアスカの高笑いを遠くのほうから見ていた。シンジの選んだ機体は、ダイターン3である。

「どうせ、こんな事だろうと思っていたけど、アスカ、物凄くノリノリだな。」

シンジは、そういいながら、このシステムが、いつ壊れるのかびくびくしていた。

と、そこにアスカの頭上から6機のロボットが、突進してきた。アスカは、それを難なく回避した。6機のロボットは、Uターンをした後合体した。その合体した姿は、ゴッドマーズだった。もちろんこれを操縦しているのは、レイである。

「現れたわね、ファースト!!まずは、あんたから葬り去ってあげるわ!!」

アスカは、そう言うとゴットマーズに向かってビシッと指を指した。

「それは、ムリ・・・・・・反陽子爆弾スイッチオン。」

レイは、そう言うと何のためらいもなく反陽子爆弾を起動させた。それと同時にゴッドマーズは、爆破し、もちろんそれにアスカとシンジは、巻き込まれ撃沈した。

「こんなのじゃ、納得いかな―――い!!」

アスカの叫びが、空しく木霊した。



というわけで二回戦である。前回のを教訓にアスカは、レイに自爆可能な機体を選ばせず、もちろんシンジにも選ばせなかった。そして二回戦の舞台は、木星である。そう、真ゲッターと真ドラゴンが、インベーダー相手に死闘を繰り広げた場所である。あえて言おう!木星で活躍したのは、ゲッターであると!

「うるさいわね、作者!あんたの趣味を叫ぶな!木星は、ジュドーとルーが、行った場所でしょ!ゲッターなんて古いのよ!」

・・・最新作は、2005年に出たのに・・・

「うるさい!今は、この私の華麗なる活躍劇を書きなさい!」

・・・さっき、赤い機体は、私の為にあるのだって言ったのに・・・まあ、いいや。話を戻します。

そして、その木星の周りをサザビーの発展型の『ナイチンゲール』が、飛び回っている。もちろんパイロットは、アスカである。

「前回は、ファーストの自爆で思わぬ終わり方をしちゃったけど今回は、大丈夫!さあ、来なさい、バカシンジにファースト!!」

前回が不毛な終わり方をしたためにアスカは、リベンジに燃えていた。そしてそれをまた、離れた所からシンジが、ビッグ・オーに乗って見ていた。(ビッグ・オーは、宇宙で戦えるのかっていう突っ込みは、聞き流させて頂きます。だってスパロボDでは、宇宙でも使えたから。)

「うわ・・・迂闊に姿を見せられないな。ここは、様子を・・・・・・あれ?」

シンジは、ナイチンゲールの頭上に何やら光るものを見つけた。それは、ナイチンゲールに向かってのビーム攻撃だと気付いたのは、アスカが、それを避けた時である。

「また姑息な手を!出てきなさいよ、ファースト!!」

アスカは、レイからの奇襲に腹を立てて怒った。すると、レイが回線を開いてアスカに言った。

「言われなくても出て行くわ。レイ・・・・・・V−MAX始動。」

『レディ。』

レイが、そう言って回線を閉じると同時に青い彗星のようなものが、物凄いスピードでアスカに迫ってきた。それは、レイズナーのV−MAXである。レイは、レイズナーを選んだのである。

アスカは、それを何とか避けようとしたが、遅かったらしく左腕をもっていかれた。

「くっ・・・・・・さすが、レイズナーのV−MAXね。ならば、こっちはこれで対抗よ!!いけ!!ファンネル!!」

アスカは、不敵に笑いながら思いっきりそう叫んだ。

しかし、ファンネルは、一基たりとも動きもしなかった。これには、さすがのアスカも焦った。

「ちょっとこれ、どういうこと!!リツコ!!壊れているわよ、このシステム!!」

「壊れては、いないわ。アスカ、あなたニュータイプじゃないんだからファンネルが使えるわけないでしょ。」

「うそ!!まさか、そこまでリアルに作ったわけ?!」

「当たり前よ。オールドタイプがファンネルを、ナチュラルがフリーダムを動かせては、私の美学に反するのよ!」

「そんな美学、阪神優勝の時にカーネル・サンダース人形と一緒に道頓堀にほおり投げなさい!!」

こんなやりとりを隣で聞いていたミサトが、ぼそっと

「なら、後十年は、無理ね。」

と、阪神ファンが、聞いたら怒りそうな事を言った。

「無様ねアスカ。」

そんなやりとりを無視したレイは、レイズナーをナイチンゲールに体当たりさせて、ナイチンゲールを撃破した。

「こんな馬鹿な――――!!!」

総流・アスカ・ラングレー。オールドタイプなのにファンネルを使おうとして撃破される。

ぽくぽくぽくち―――ん



「死んでないわよ!!!」

誰にとはあえて明記しないが、エントリープラグ内でアスカが、ツッコミを入れた。

「やっとこのシミュレーションから抜け出せるわ。碇君、出てきても大丈夫よ。」

「うん、分かったよ綾波。・・・それにしても、さっきのは、凄かったね。アスカにろくな反撃もさせないで倒すだなんて。」

シンジは、そう言うと純粋な尊敬の、眼差しでレイを見た。レイは、そんなシンジの眼差しに少しだけ顔を赤くして照れた。

「さてと、後はリツコさんが、このシステムを止めてくれるのを待つだけだね。」

「そうね・・・・・・」

ウ――――――――――――

もう戦闘は終わっていると思っていたシンジは、突然の警戒音にびっくりした。

「ええ!?どういう事ですか、リツコさん?シミュレーションは、終了じゃないのですか?」

「何言っているの、シンジ君。まだ使徒を倒してないじゃない。」

リツコは、シンジからの質問にしれっと答えた。

「え?使徒を倒すのですか?この機体で?」

「問題ないわ!4000以上のダメージを与えれば、A.T.フィールドは、貫けるのよ!」

「そんなスパロボネタは、いりませんから!」

「必中、魂、直撃を併用すれば、いけるわ!!」

「そんなの、リアルに使えるわけないでしょ!」

「何言ってるの!?さっきの三つは、リアル系の精神コマンドよ!・・・しまった。ビッグ・オーもスーパー系だったわね。」

「そんなのどうでもいいですから!」

「・・・碇君、無駄よ。今の赤木博士には、何を言っても聞いてはくれないわ。こうなったら二人で倒しましょう。」

リツコに何を言っても無駄だと悟ったレイが、シンジを落ち着かせるようにしゃべった。

「でも、相手は使徒だよ。」

「大丈夫。赤木博士の言ったことが本当なら、ビッグ・オーの『サドンインパクト』と『クロムバスター』が、A.T.フィールドを貫くことが、出来る筈。・・・やるしかないわ。」

「・・・そうだね。ここで文句言った所で何にも解決できないもんね。」

シンジは、決意したらしくレイに向かって力強く頷いた。しかし、そんなシンジの決意を打ち砕く一言をリツコが言った。

「シンジ君、レイ。言い忘れていたけど、使徒は、第14の使徒だから。」

「そんなに僕達の事をいじめたいのですか?!」

「シンジ君!・・・来たわ!」

シンジが、リツコに突っ込みをいれているうちに使徒は、シンジ達が視認出来るほどの距離に近づいていた。使徒は、ビッグ・オーを見つけるや否や、目から光線を発射した。光線は、見事にビッグ・オーの腹部に命中した。

「うわあああああああ!!!・・・・・・あれ?」

シンジは、光線をまともに喰らい撃破されたと思ったが、多少損傷していたが戦闘に支障は、ない程度だった。予想していなかった出来事にシンジは、目をぱちくりさせて驚いた。

「・・・・・・今、まともに喰らいましたよね?」

「お気に入り指定でフル改造、ボーナスポイントも装甲10%アップに回して強化パーツに宇宙合金グレンをつけていたら、そんなものよ。作者も好きな機体でもあるわけだし。」

「・・・・・・そうですか。分かりました。」

もはや、突っ込む気力もうせたシンジは、リツコの言葉を軽く流した。だが、これにより、シンジに使徒に勝てるかもしれないという希望が生まれた。

「よし、いくよ!!ビッグ・オー!アクション!!!!!」

シンジは、ビッグ・オーのスラスターをふかすと、使徒に突っ込んでいった。そして使徒に殴りかかっていったが、A.T.フィールドを展開してビッグ・オーのパンチを防いだ。

「なら!」

シンジは、A.T.フィールドを破る為にクロムバスターを使った。ビッグ・オーの額から強烈な光線が、A.T.フィールドに向かって放たれ、ぶつかった。しかし、使徒のA.T.フィールドも
硬く、なかなか貫けない。

「くっ・・・やっぱり、早々簡単にいかないか・・・」

「大丈夫、私があなたを援護するから。」

レイは、そういうとV−MAXを発動させると、超高速で使徒に体当たりした。

レイズナーの体当たりは、それ程攻撃力はないが、速い為にA.T.フィールドを展開させる隙を与えず、使徒はそれをまともに喰らった。

しかも、いくらそれ程攻撃力が強くなくても、何十発も喰らい続けていくうちにダメージが溜まっていき、使徒のA.T.フィールドが、弱まり、ビッグ・オーのアークラインが、A.T.フィールドを貫いた。

しかし、威力が足りないらしく、あまりダメージを与えられていない。

「碇君。私が、なんとかして隙を作るから、サドンインパクトをコアに直接叩き込んで。」

「うん、分かった。」

シンジは、そう言うと、いったん使徒から離れた。すると使徒が両手(?)の薄長い布状のものを伸ばしてビッグ・オーの腹部を貫いた。

「碇君!?」

レイは、シンジを助けようとV−MAXで布状のものを断ち切ろうとした。

「来ないで、綾波!!」

シンジは、大声でレイを制した。

「今なら使徒は、A.T.フィールドが使えないはず。」

シンジは、そう言うと右腕のシリンダーを引いた。ビッグ・オーの必殺技『サドンインパクト』を使うつもりなのだ。両手の出したままでA.T.フィールドの展開はないと踏んだのである。

「喰らえ!サドンインパクト!」

シンジは、そう叫ぶと右拳を使徒のコア目掛けて叩きつけた。そして叩きつけると同時にシリンダーを引っ込めた。ものすごい衝撃が使徒に伝わり、使徒は、後方に吹っ飛んだ。

「よし!・・・・・・え?」

使徒を倒したと思っていたシンジは、ガッツポーズをしかけたが、使徒がなかなか爆破しない事に戸惑った。そして使徒をよく観察して驚いた。コアのところに保護膜のようなものが、張られていた。その膜がコアを破壊するのを防いだのである。

「そんな・・・」
シンジが、愕然としているうちに使徒は、ビッグ・オーの腹部に刺さっていた両手を抜き取ると今度は、それをビッグ・オーの肩に目掛けて伸ばした。両手はビッグ・オーの両腕を切り落とした。

「くっ・・・」

ヒィードバックがないぶん痛みがないが、エヴァに乗り慣れていた為、肩に鈍痛がきたような幻痛に襲われた。それ以前に両腕をもっていかれた、そのことがシンジに焦りを産んだ。

「これじゃあ、まともに戦えない。どうすればいいんだ?」

「・・・・・・赤木博士。三連式サドンインパクト用アームを射出してください。」

レイは、冷静にリツコに指示を出した。するとリツコが、驚いた表情でレイに聞いてきた。

「何でそんなマニアックなものをしっているの?!」

「そんなこと、どうでもいいから。」

「よくないわ!!シンジ君が、サドンインパクトの威力じゃ使徒に勝てないことに気付き、『リツコさん!どうしたらいいのですか?!』と助けを求めてきたときに『こんなこともあろうかと!!』と言って出す予定だったのに!」

「・・・妻とよく喧嘩するメカニックマン?」

「あのセリフは、メカニックマンにとって最も叫びたいセリフ第一位なのよ!!」

「・・・リツコ、あんたメカニックマンじゃないでしょ。」

呆れたミサトが、リツコに突っ込みをいれた。

「まあいいわ。さあ、シンジ君!!使うのよ!!使徒を一撃で倒す三連式サドンインパクトを!!ちなみに威力はグレートゼオライマーの『烈メイオウ』と同等よ!!」

「スパロボやっている人以外が分からないネタを使わないでください!!」

シンジが、そう叫んでいるとビッグ・オーの後方から、三連式サドンインパクト用アームが飛んできてビッグ・オーの両肩に装着された。

三連式サドンインパクト用アームには、サドンインパクトの時に使うシリンダーが三つもついていた。

「もうこうなったらやけだ!!いっけーーーー!!!!!」

シンジは、両腕のシリンダーを三つとも引くと力任せに右の拳を使徒に向かって叩きつけた。使徒は、拳が当たる寸前にA.T.フィールドを展開して防いだ。

するとシンジ君は、シリンダーを全て引っ込めた。その威力でA.T.フィールドは、粉々に砕けて、拳は、コアに叩きつけられた。しかし、後一歩の所で膜を張られて破壊には、いたらなかった。

「まだだ!」

シンジは、そう言うと今度は、左の拳を右手諸共コアに叩きつけてシリンダーを引っ込めた。すると、膜でもその威力に耐えきれなかったらしくコアが、砕けて使徒は、爆発した。

「やった!」

シンジは、おもわずガッツポーズをしながら喜んだ。

「・・・すごいわね、碇君。」

レイは、レイズナーをビッグ・オーに近づけながら賞賛した。

「そんな、・・・ただビッグ・オーの性能がよかっただけだよ。・・・あれ?そういえば、綾波。僕達、何かを忘れていない?」

「いいえ、ない筈よ。」

「おっかしいな。僕の思い違いか?」

「きっとそうよ。」





「思い違いじゃなーーーーーい!!」

一人忘れ去られたアスカが、エントリープラグの中で叫んだ。




ちなみに、これから三日後に富士の樹海であるB級映画の監督が、衰弱して錯乱状態で見つかった。その監督は、『金髪の・・・金髪の悪魔が・・・』とうわ言を震えながらつぶやいていたらしい。




 黒い稲妻さんからSSを頂きました(^▽^)ありがとうございます〜

 アスカちゃんの希望をかなえたリツコさん。シミュレーションの始まりですね。

 でもニュータイプではなくオールドタイプだったアスカちゃんはレイちゃんに負けっぱなし(^^;)へっぽこです。

 アスカちゃんが主役と思いきや、レイちゃんに主役を持っていかれました。

 アスカちゃん、頑張ってニュータイプになってねと感想を送りましょうね。 

 とっても素敵なSSをくださった黒い稲妻さんへの感想は掲示板かjun16に送ってくださいね。黒い稲妻さんに送っておきます。

 皆さんの感想が作者の力になります!一言でもよいから感想を書きましょう!!


SSroom_6

投稿:スーパーロボット大戦EVA