学校

〜ある老教師の場合〜

Made by メタトロン弟



 2015年、第三新東京市立第一中学校(こんな名前だったけ)。
 
 碇シンジはエンピツを指先でクルクル回しながら、窓の外を見ていた。
 
 授業は、社会。まいどおなじみ老教師が、のらりくらりとしゃべっている。
 
 「かくして、セカンドインパクトは起きたのであります。そのころ私は・・・。」

 誰も聞いてないのは御愛嬌♪

 ふと、ぴかっと、シンジはひらめいた。

 (誰もこの先生の話を最後まで聞いたものはいない・・・。
  あの「委員チョ」こと、洞木さんでさえも・・・!)






 〜回想〜


 「ねえ、ヒカリィ。」
 
 「なに、アスカ。」
 
 「社会の・・・なんていったっけ・・・先生の
  話し、最後まで聞いたことある?」

 「社会の先生?・・・・・・ああ、話し?
  最後まで聞いたことないよ。」

 「へ〜、ヒカリもそういうことあるんだ。」

 「いや、なんていうか、途中で睡魔がふわーっと。」

 「ふ〜ん。」

 「なんかアスカ、あの先生に用でもあるの?」

 「いえ、べつに・・・、ちょっと、ね・・・。」

 「 ? 大丈夫だよ、あの先生テストは全部教科書から問題出すから。」

 「う〜ん・・・。」
  

 〜回想終わり〜






 (一番早いときで授業開始から5分後位からしゃべりだすから、40分しゃべりっぱなし!?(45分授業)社会に関係のあることを言うのなら、僕達生徒を眠ったままにはしとかないだろうし。先生、四十分もなに話てんだろ。気になるなあ・・・・・・。)

 「まさに科学の力に溺れた人類の・・・・・・.」

 (よしっ!最後まできてみよう!)
 





  第一ラウンド、レディー!ゴー!
 

 「で、あるからして・・・。それゆえに・・・・・・。」

 (うっ? ね、眠気が・・・急に・・・ああ・・・。)
 
 がくっ! すや すや すや すや・・・・・・。

 * * * * * * * * * * * * * *
 





 キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

 「はっ!」
 
 シンジ、覚醒。

 「シンジ、おっはよう!」

 となりの席のマナから声をかけられて、シンジの脳は完全に活動を再開した。

 「むむ・・・。途中で眠くなってしまった。」

 「シンジ、何言ってるの?」

 「いや、別に・・・。(よし、次こそは!)」

 * * * * * * * * * * * * * *






 「で、あるからして・・・・・・。」

 (この辺はいつものところだ。僕が知りたいのは、
  もっと後の方の話しだ!)
 






  第二ラウンド、レディー!ゴー!
 

 「セカンドインパクト後の生活は、まさに・・・。」

 (む、未知なる領域だ・・・!)

 「特務機関ネルフをゼーレ・・・・・・。」

 「ええっ!先生、今、ゼーレって・・・!
 
 驚くシンジ。
 
 シンジの大声で、クラスのみんなの目が覚めたようだ。
 
 (たしか、ゼーレって、加持さんの言っていた、あの「ゼーレ」!?)

 「むむ、碇。授業中に大声をあげちゃイカン。」

 「ハ、ハイ・・・。」

 「はい、じゃあ、教科書の142ページを開けて・・・。」
 
 その日、めずらしく社会科の授業が進行した。

 * * * * * * * * * * * * * * *






 「碇ィ、お前のせいで貴重な睡眠時間がのうなったやないか!」

 「はは、ゴメン、トウジ。」

 「鈴原の言うことはもっともだわ!シンジ、ちょっとこっち来なさい!」

 「アスカ、ゴメンゴメン。」

 「碇クン、ゴメンですんだら警察はいらないわ・・・。」

 「綾波・・・・・・。(綾波も寝てたんだ・・・。)」

 「聞こえてるわ、碇クン。あなたの心の声が・・・。」

 「碇〜!」

 「シンジ〜!」

 「碇クン・・・。」

 赤毛SAL、不思議少女、ジャージがシンジに襲いかかろうとしたそのとき、第三の少女が口を挟んだ。

 「みんな、あんまりシンジをいじめちゃだめだよ。」

 「マナ、いいよ、悪いのは僕なんだから。」

 「そんな・・・。シンジ・・・。」

 見つめ合う二人。

 「マ〜ナ〜! 何さり気なくシンジの手を握ってんのよ!」

 「霧島さん、抜け駆けはだめ・・・・・・。」

 「そやそや!って、何いってんのや、ワイ・・・。」
 
 * * * * * * * * * * * * * * * 






 「そうそう、綾波、アスカ、トウジ。みんなに頼みたいことがあるんだ。」

 「何?」

 「内容によるわ。」

 「なんや?」

 「実は、社会科の授業のことなんだけど・・・。」

 * * * * * * * * *  * * * * * * *






 (よし、みんなも賛成してくれた。三人よればMAGIの知恵。四人ならば、先生の話しをきっと最後まで聞けるはず!ホントはマナにも手伝って欲しかったけど、ネルフ関係の人じゃないからな・・・。)

 戦自ですねん。 
 






 第三ラウンド、レディー!ゴー!
 

 * * * * * * * * * * * * *

 キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン
 
 「はっ!」

 「おっはよーう!シンジ!」

 「マナ・・・。」 

 シンジがアスカ、レイ、トウジの方を見てみると・・・。

 「ぐー。 ぐー。」
 
 「すやすや・・・。」

 「むにゃむにゃ。」

 「ふう、だーみだこりゃ。」
  
 * * * * * * * * * * * * * *






 「すまんなー。急に眠くなってしまってナー。」

 「ごめん、ごめん。」

 「碇クン、ごめんなさい・・・。こんなときどんな顔をしたらいいのか・・・。」

 「ねぐせを直せばいいと思うよ・・・。」

     

























 

 
































 おまけ リバース編


 放課後・・・
 
 「あーあ、結局、わからずじまいか。」

 「シンジ、先生の話なら、録音しておいたけど。」
 
 「ほ、ほんと、マナ!」

 「うん、実はシンジたちのこの前の話、こっそり聞いちゃって、シンジのために相田君から小型録音機借りたの。(どーでもいいけど戦時のより性能がいいのはなぜ?)」

 「わあ、ありがとう!(ケンスケ、『誰かにとられた』って言ってたけど)」

 「じゃ、シンジそれあげる!じゃーねー!」

 「じゃ、また明日・・・。」

 葛城家に帰ったシンジは、「シンちゃんのお部屋」で録音機を再生させた。

 (しっかし、マナがこれ聞かないでくれて助かったよ。巻き込んじゃ可哀相だしね。)
 
 再生が始まった。
 
 (ドキ、ドキ)

 老教師「えー、セカンドインパクトは、実は、ゼーレが南極でアダムを・・・」

 「グオー!グオー!

 (ア、アスカのいびき!?肝心なところが聞こえなかったじゃないか・・・。)

 老教師「えー、第三使徒サキエルは生命の・・・。」

 「はあん、シンジ〜!むにゃむにゃ・・・。」

 (ドキッ! マナの寝言か・・・。)
 
 老教師「えー、ロンギヌスの槍はアンチA・Tフィールドの・・・。」

 「不潔よおぉぉおぉ!

 (ビクッ!な、なんだ?)
 
 老教師「よって、リリスとアダム、すなわち始めのヒト・・・。」
 
 「げひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!

 (だ、だれだぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!)

 老教師「碇、いつもいつも同じこと言わせるんじゃない!」

 (ぼ、僕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?しかも、いつも〜!?)

 老教師「以上、これが、セカンドインパクトの真相であったわけであります。」

 キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

 再生、終了。
































 メタトロン弟さんからSSを頂きました(^▽^)ありがとうございます〜

 いつもみんなが聞いていない?老教師の授業には凄い秘密があったんですね。

 老教師の若かりし頃の話には重要な事が・・・でもみんな眠ってしまってわかりません。そこは真面目なシンジ君は聞こうと頑張りますが、老教師の話は子守唄、眠ってしまいましたね(^^;)

 しかしシンジ君LOVEなマナちゃんが録音をしていてくれてましたね、帰って聞いてみると・・・肝心なところがわからない。シンジ君気になって眠れそうにないですね(笑)

シンジ君寝ちゃダメだ!と感想を送りましょうね。

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