☆お祝い★
Made byシゲボー
「アスカー!準備まだなの〜?」
「せっかくの祝い事なんだからもう少し待ちなさいよ!綺麗に着飾ってるんだから♪」
「綺麗に…かぁ。普通、自分で言うかなぁ?」
「何か言ったかしらシンジ?」
「何でもないよ。口を動かしてないで早くしてよ〜」
「誰が喋らせてると思ってるのよ!バカシンジ!」
2人はお祝いのパーティーに出席するようだ。シンジは普段着たこともないタキシードを身に纏っている。
「お、シンジ君じゃないか。」
「あ、加持さん、その服カッコイイですね。」
「シンジ君こそカッコイイじゃないか。準備は万端のようだね。」
「ええ、僕は出来てるんですけどね、アスカがまだ…」
「加持さんが来てるの?加持さんもう少し待っててくださいね!」
「あぁ、待っててやるから早く出て来い。シンジ君も待ちくたびれてるぞ。」
「シンジなんか、いくら待たせてもいいけど、加持さんを待たせるのはイヤなのよ。」
「どういう理屈なんだか…」
加持は苦笑い。
「シ〜ンちゃん♪初めてのタキシードはどう?」
「あ、ミサトさん。あんまり慣れないですね…こういう服は。それにしてもミサトさん…ずいぶん大胆ですね…」
ミサトから目をそらしつつ顔を赤くするシンジ。彼女は胸元が大きく露出したドレスを着ている。
「あ〜ら、シンちゃんも気になるぅ?私のダイナマイトバディ♪」
「からかわないでくださいよ〜。もうすこし控えめな服はなかったんですか?」
「せっかくなんだからこれくらいいいでしょ〜。サービスサービス♪」
「誰に対してのサービスですかっ!」
「そこらへんは気にしないの。男の子なんだから〜。」
「ははは、葛城もそのへんにしておけよ。」
「そうよ、そろそろ肌を露出することを恥ずかしがらなきゃならない年齢になりつつあるのに…」
「……リツコ…そのコトバはどういう意味かしら?」
煙草を口にくわえながらリツコが登場。ミサトとは対照的に、黒くて肌の露出の少ない服装だった。
「言葉の通りよ。あなたも30歳目前なのよ。恥ずかしくないのかしら…」
「大きなお世話よっ!そういうあなたも彼氏の一人くらいつくりなさいよ!」
「ミサト…後で覚えておきなさいよ。開発した新薬の臨床試験に立ち会ってもらうわ。」
「ずえぇぇぇぇ〜〜〜〜っったい!イ ヤ で す からね!」
「リツコさんももミサトさんも落ち着いてくださいよ〜。こんなところで口喧嘩なんかしなくてもいいじゃないですか。」
「そうよ、アタシから見たら二人ともオバさんなんですからね!」
着替えを終えたアスカが更衣室から出てくる。
「「……アスカ〜〜!!」」
リツコとミサトは声をそろえて図太い声で言う。しかし、アスカは知らん顔して
「加持さ〜ん♪」
と加持の所へ近寄った。
「ちょっとアスカ!待ちなさい!」
リツコとミサトも加持の方へと行く。シンジ一人蚊帳の外。4人のやり取りを見ながら苦笑いをするしかないようだ。
と、そこへ、
「やぁ、シンジ君。元気だったかい?」
「あ、カヲル君に綾波。久しぶりだね。」
カヲルとレイが来た。
「碇くん、お久しぶり。」
「うん、…って、綾波、今日も制服なの…?」
「ええ、私、この服しか持ってないから。」
「父さんに言えば準備してくれたと思うんだけどなぁ。」
「私は別にこの服でかまわないわ。」
「綾波がそれでいいならいいかもしれないけど…って、カヲルくんも制服!?」
「シンプルイズベスト。制服が一番萌えるよ。」
「燃える…?」
「字が違うよシンジ君。くさかんむりに明るいと書いて萌える。わかるかい?」
「は…ハハハ、そうなんだ……よくわからないけど…」
ここでも苦笑いのシンジ。
一般人のシンジには、萌えるという言葉はイマイチピンとこない。というより、カヲルがかなり特殊な人格の持ち主なのだろう。
「あ、碇司令…」
レイが呟く。
シンジが振り向くと、ゲンドウと冬月がこちらに歩いて来るところだった。
こちらも、カヲルとレイ同様普段どおりの服装だった。
「…父さん…」
「シンジ……似合っているぞ。」
「父さんこそ…って言っても、いつも着ているからね。」
「あぁ、問題ない。普段着ている服以外はしっくりこないからな。」
「僕もこの服、しっくりきてないよ…」
「あぁ、そうだろうな。だが今はそれでいい。」
「そうなの?」
「いずれ慣れる。」
「そりゃそうだろうけど…」
腑に落ちないシンジだった。
「あと来ていないのは…オペレーター3人か。」
ゲンドウの隣にいた冬月がようやく口を開く。
「そういえばいませんね…」
シンジも周りを見回す。
アスカ他3名は、いまだに痴話喧嘩をしている。いいかげん止めに入ろうとしたとき、
「「「遅くなってすみませ〜〜ん!!!」」」
3つの荒い息を含ませた声と共に、バタバタと走る音が聞こえてきた。
「あ、マヤさんたち来ましたね。」
「遅かったな。どうした?」
冬月が問う。
「あの…私が準備に手間取って…」
マヤが言おうとしたところを青葉が遮る。
「いや、マヤちゃんは悪くない。マコトが寝坊したのが悪いんです。」
「なに言ってるんだ!トイレが長かったのはお前の方だろ!」
日向が反論する。
「お前がもっと早く起きてれば遅れることもなかっただろう!」
「トイレに入っている時間を短くすれば遅れなかったんだよ!」
「そんなの無理な話だ!」
「いや、出来るぞ!」
「あぁっ!もういい!わかった。遅れた理由はもういい!」
「はっ…副指令申し訳ありませんでした。」
「申し訳ありません。」
「すみませんでした…」
3人とも頭を下げる。
「ふぅ…これで全員か。じゃあ会場に入るぞ。」
冬月の声に、痴話喧嘩をしていた4人もおとなしくなってこっちに来た。
冬月が会場の扉を開く。
あまり大きくない会場に丸テーブルが3つほど並び、そのテーブルの上にはたくさんの料理が彩られている。
司会の冬月を除いて、他の面々は丸テーブルの周りでグラスに酒やジュースを注いだ。
冬月は壇上に上がり、左手にマイクを、右手に酒の入ったグラスを持った。
冬月の背後の壁には
祝! jun16 Factory 1,000,000Hits |
と書かれた横断幕が掲げられていた。
「jun16 Factoryの、節目となる100万ヒット突破祝いと、これからの益々の発展を願って!」
「カンパ〜〜イ!!!」
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とっても久しぶりなシゲボーです。おはこんばんちわ。
まずはjun16さん、100万ヒットおめでとうございます。
読んで面白いSSを、速いペースでリリースしてきた努力の賜物だと思います。
これからも頑張ってください!陰ながら応援しています。
さて、前作では半年後に会いましょうと言いつつ、1年半ぶりの投稿になりました。
SS書くのはとても久しぶりですが、いかがでしたでしょうか?
最近はオリジナル小説を書き始めていて、二次小説が書きにくい頭になりつつあるので、
違和感などあるかもしれませんがお許しください。
これからの時期、風邪などひかないよう皆さんお気をつけください。
でわでわ〜。