MS外伝
-ケンスケが散った日-─
Made by 暗黒騎士ソード
ここはネルフにあるとある施設。
そこには、金髪で白衣を来た女性がなにやらパソコンを前に作業をしていた。
「相田ケンスケ、一応は適格者……」
カチッ!
「ふう〜〜〜」
資料を置くとタバコに火をつけ暫しの休憩、時計を見ると3時を回っている。
「うふ、うふ、うふふふふふふふふふふふふふ」
連日の徹夜続きでハイになったのか突然笑い始めた。
「相田ケンスケ、また一人Gの世界に引きずり込めるわ」
「お〜ほほほほほほ〜〜〜〜!」
真夜中のネルフにリツコの笑いが木霊した。夜中に不気味な笑い声がする、ネルフ七不思議の一つである。
さて次の日。
チルドレンの通う学校へ続く通学路を、怪しさ1000倍の中学生が歩いていた。
「うははははは、今日もバリバリ美人を写真に納めてがっぽり稼ぐぜ」
言わずしれた、盗撮犯罪者予備軍(爆笑)の相田ケンスケである。
「さて、今日は誰をメインに取るかな。うーん、惣流もいいが最近は綾波の売行きもいいし。それとも、ここ最近は人気が今日上昇中の委員長にするかなあ」
やっていることが、肖像権侵害の罪に近いぞケンスケ。
しかし、彼の幸せな(?)インスピレーションタイムはいきなり終演を迎えた。
突然、ケンスケの前に一台の黒塗りの車が飛び出してきた。
「う、うわああああ!?あ、危ないじゃないか」
憤るケンスケ。
その時、車から数名の黒服が出てきた。
「な、なんだお前ら……もしや某国のスパイか?」
「相田ケンスケだな」
ケンスケのわけのわからないボケを無視して、事務的口調でケンスケに訪ねる黒服。
「そ、そうだが……ってなにしやがる。は、話せ……」
「ターゲットが抵抗した。プランをAからBに移行。それ、かかれ」
「わ、何をしやが……ぎょえ〜〜〜!?」
そのまま、ボコボコにされるケンスケであった。
しばらくお待ち下さい。
「うっ……こ、ここはどこだ!?」
椅子に縛られたままで目をさますケンスケ。
「おほほほほほ、目がさめたようね。ようこそ、Gの世界へ」
「Gの世界!?」
「そう、Gの世界よ。あなたは選ばれたのよGの世界に。光栄に思いなさい相田ケンスケ君」
「そんなことより、いますぐ俺を解放しろ」
「あら、せっかくエヴァより凄い機体に乗せてあげようと思ったのに」
「よろこんで、あなたの命令に従います」
現金なケンスケである。
「ほほほほほほ、よろしくてよ。では、早速だけどコレに着替えて」
そう言って、緑をベースにした一張羅を渡すリツコ。
「な、なですかこれ?」
「いいから、コレをきるの。それと、この台本を読んでおくこと」
さらに、数枚の紙を手渡した。
「は、はあ……」
「それじゃあ、読み終わったら諜報員の指示に従うのよ」
しばらくして、リツコに渡された一張羅に着替え台本を読み終えるケンスケ。
「あ、あの読み終わりましたが」
「そうか。では、ついてこい」
「はあ……」
やや、不安になるケンスケ。
しばらくして、ジオフロントの外に案内されるケンスケ。
そして、そこには緑色をした奇妙な機体が置かれていた。
「な、なんだあれ?」
「お前はあれに乗るのだ」
「あ、あれに……。なんか、すごくずんぐりむっくりしているが」
「いいからすぐに乗れ」
「へいへい」
しぶしぶ、妙な機体にのるケンスケ。
『おほほほほ、乗りごこちはどうかしら相田君』
コックピットのシートに座るなり、いきなしリツコの映像が流れてきた。
「わああ!?な、なんですかいきなり」
『あら、驚かせたようね。でも、このMS-06の乗りごこちはいかがしら相田君』
「え、MS-06ってまさか……」
『そう、モビルスーツの原点ともいえる機体よ。さあ、今日からあなたはMSのパイロットよ』
「い、いや、それはいいですけど……この周りにあるセットは?」
よなんとなく、どっかで見た施設にそっくりな場所にいるケンスケ。
『あら、気付いたようね。ま、いいわ。これから、あなたへのテストを開始するわ。レイ、準備のほどはいい』
『はい博士。準備はできてます』
『おほほほほ、よろしくてよ。では、これから「ガンダム 大地に立つ」を実演テストするわ』
「ちょ、ちょっと待て。こ、このシーンって確かザクが……。おまけに、そのトレーラーに置かれているのはもしや……あの白い」
『こら、ザクのパイロット!セリフを言いなさい』
「せ、セリフって確か……へ、へへっ手柄を立てちまえばこっちのもんよ」
なぜかやる気のケンスケ。
『おほほほ。いいわよ相田君。さあ、マシンガンを撃つのよ』
「わかりました。これでお終いだ〜」
アドリブをきかすケンスケ。
しかし、弾丸はあったたにも関わらず機体には傷一つついていなかった。
そして、被弾と同時に白い機体が立ち上がってきた。
「え、えとこの次は確か……デ、デニム曹長。敵のMSが動きだしました」
『いいわよいいわよ。さあ、レイ。ザグの顔についている口みたいのを引きちぎるのよ』
『了解』
本当に引きちぎるレイ。
「の、のわあああああ!?だ、大丈夫なんですか」
『問題ないわ。さあ、ケンスケ君。宇宙港のゲートまでジャンプするのよ』
「え、ええっ。でも、この後って確か……」
『安心しなさい。武器は、全部模擬だから』
「そ、そうですか……それじゃあ、ジャンプします」
そう言って、ジャンプするケンスケ。
『さあレイ、後ろから斬り付けるのよ』
『了解』
「うわああああああああああ」
迫真の演技を見せるケンスケ。
そして、レイの乗ったRX-78のビームサーベルがケンスケの乗るザクのエンジン部分を本当に切り裂いた。
「えっ……うな阿呆な〜」
そして、そのまま爆発するザク。
「あ、あれ……確かあのビームサーベルは光りしかでないはずじゃあ」
その時、一人の技術部員がリツコのいる部屋に入ってきた。
「あっ、赤木博士。模擬のビームサーベルがあがりましたのでお届けに上がりました」
「へっ!?」
目が点になるリツコ。
「ははっ、どうしたんですか。先日、模擬のビームサーベルの出力がおかしいっていって我々に修理を依頼したでしょう」
「そ、そうだったわ……(汗)」
「それでは、私はこれで」
「ま、まあ不幸な事故ね。でも、これで私の計画はまた一歩前にすすんだわよ。おーほっほっほっほ」
哀れ相田ケンスケ、人類初のMS戦闘における最初の戦死者として歴史に名前を刻んだ。
(おしまい)
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あとがき
どもはじめまして、某所で活動している『暗黒騎士ソード』と申します。
今回は、FGの第1話をモチーフにして書いてみました。やや、第1話とは違いますがまあそこは目をつぶって下さい。
実は、ここの管理人さんのMSシリーズをみていつか書いてみようかと思いまして。こんなおはなしですが、感想をくれると嬉しいです。
では。
でわ、また会う日まで。
暗黒騎士ソードさんからSSを頂きました(^▽^)ありがとうございます〜
なんとっ!jun16が短編小説で展開しているMSシリーズの外伝です、それもケンスケが主役?です。
MSシリーズ最大?の特徴であるリツコさんは超MAD、イッちゃっています(笑)
人類初のモビルスーツ同士の対決を本物を使ってするなんてリツコさん、ガンダムマニアの憧れですね。
アムロ・レイ役のレイちゃん、冷静に演じています。そしてザクに乗ったケンスケを…う〜ん冷静だ(爆)
爆発までリアルに演出すると思ったら、MADにありがちな失敗でしたね(もしかしてレイちゃんはビームサーベルが本物であることを知っていたのでは)失敗しても笑いで誤魔化すリツコさん、流石MAD SCIENTIST。
とっても素敵なSSをくださった暗黒騎士ソードさんに皆さん感想を送りましょう。
暗黒騎士ソードさんのHPはこちら!「反乱軍総司令部『イルナーダ』」
皆さんの感想が作者の力になります!一言でもよいから感想を書きましょう!!
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