MS外伝機動戦士ガンダム? 逆襲の眼鏡団

前編

復活の眼鏡団

Made by暗黒騎士ソード



おほほほほほほほほほ!CM映画も絶好調よ!次回作もいけるわよ」

相変わらず、悪魔の実験室こと『G開発計画研究室』で奇声を上げているリツコ。

だが、彼女の幸せは長くは続かなかった。

「博士、大変です!」

息を切らせながら、マヤが研究室に入ってきた。

「こら、マヤ!ここに入る時は、ノックと一緒に合い言葉を言わなきゃだめでしょう」

「は、博士!それどころではありません!反乱が起きました」

「反乱?誰が?」

「それが、地下収容所に入れていた相田ケンスケ君の他数十名です」

「どうやって脱走したのかしら。それよりも、目的は?」


「実は……」

そう言って、耳打ちするマヤ。

「へえ……なるほどね。して、反乱をおこした連中は?」

「現在、宇宙に逃げてます。どうしますか博士」

「安心して。こんな時の為にあるMSの開発を終えておいたわ。ふふふふ、いいデータが取れそうね」

不適な笑みを浮かべるリツコであった。



一方、リツコの所を逃亡したケンスケはネルフの宇宙船を強奪し宇宙に来ていた。

ふはははははははは、今頃はあのマッドも驚いているに違いない」

「そうだなケンスケ君!我々は、まだ負けてはいない」

同調する日向マコト。

「し、しかし……大丈夫なのか。これは、脱走じゃあ……」

弱気の青葉。

「大丈夫だ青葉!俺達は負けない。ここにいる連中も、全員が眼鏡団のメンバーだ」

確かに、周りにいるのは眼鏡を装備した人間ばかりだった。

「けどよ。たった、数十名だぜ。どうやって……」

「それについては、俺とケンスケ君で策がある。お前は、とりあえずこの地図に示された場所に行ってくれ」

「なんだかよく分からんが、とりあえず行ってみるか」

「では、頼むぞ」

なにやら、怪しげな計画を立ててる両名であった。



数日後。

「起立!総員、司令官殿に敬礼!」

号令をかけるネルフ士官。

「あ〜、御苦労さん。今回、このロンド・ベル艦隊司令の任を受けた葛城ミサト大佐よ。本艦隊は、これより衛星軌道を離脱しネルフ関連施設より脱走した集団を捕縛もしくは殲滅させることにある。なお、これまで情報部が様々な情報を提供しているが肝心の敵の目的については未だに不明の部分が多い。厳しい任務になるが、各員の奮励に期待する。では、これより一時間後に我が艦隊は出撃する!以上」

ミサトの訓示を受けた後、一斉に起立しそれぞれの配置につく。

そして、各艦はマスドライバーで宇宙に発進した後、一度衛星軌道上で合流・編成を終え、当面の作戦行動について協議する事となった。

しかし、逃亡した連中が完全に潜伏しており協議も目的がなく結論が出るわけでもなかった。

「困ったものね。連中の目的がはっきりしない以上どうしようもないわね」

提督席でぼやくミサト。

「提督。小官は、今回の作戦に疑問を感じます。なぜ、少数の脱走者を捕らえるためにこれだけの物資と戦力を投入するのですか?」

「さあね。碇司令の命令だしね。それより、偵察艦隊からの連絡はまだなの?」

「現在、月と地球の周辺一帯を捜索中です。ですが、根本的に数が不足してます」

「まあね。けど、気長に……」

ビービービー!

その時、緊急のレーザー通信回線を知らせるブザーが鳴りだした。

「こちら、ロンド・ベル艦隊。旗艦『ラ−・カイラム』受信した。オーバー」

『こち…、……偵…艦隊…………脱走した……を発見……現…、……中……。至…、増……める。敵の、目的は………………だ』

「おい、聞こえないぞ。どうした、再度報告せよ」

『敵の…………資源……による、本部施……だ。敵の……は、ポイント……だ』

「なんなの、この通信は?」

通信の中身を聞いてオペレーターに訪ねるミサト。

「さあ……。ただ、ミノフスキー粒子が濃すぎて上手く拾えません。ただ、会話の断片から敵との接触をしたのかと……」

「座標位置は?」

「ダメです。把握できません」

「おおよその位置でいいわ。至急、確認して」

「了解」

「ったく……どうなっているのよ」

いら立ちを隠せないミサト。

「司令、分かりました。位置は、ラグランジュポイント2です。それと、先ほどから資源衛星ルナ5との通信ができません」

「ルナ5との……。まさか!全艦につぐ。これより我が艦隊はルナ5宙域に向かう。総員、第2級戦闘配備にシフトせよ」

ミサトの指令を受け、全艦隊は戦闘体制に入った。

「司令、これは一体……」

「余り考えたくないけど、連中の狙いがわかったわ」

「狙いとは?」

「隕石落としよ。資源衛星などの隕石で本部施設に強襲攻撃を仕掛けるつもりね」

「なっ!そんなことすれば、地球規模の被害が出ますよ」

「だからよ。なんとしても、迎撃するわよ。至急、付近のパトロールにも連絡。少しでも、敵の動きを遅らせるのよ」

「はっ!」



一方、ルナ5宙域ではネルフ偵察艦隊を撃破したケンスケと日向マコト率いる軍団がいた。

「ふっ。この程度か。まあ、偵察艦隊の戦力では我々を撃退するのは不可能だな」

ギラ・ドーガのコックピットでそう呟くマコト。

周辺には、大破した駆逐艦やネルフ所属のMSが散乱していた。

「日向さん。作業班の報告では、核パルスエンジンの始動まで2時間です」

同じく、ギラ・ドーガに乗り込んでいるケンスケ。

「そうか。よし、母艦であるムサカに伝えてくれ。警戒要員を残し、他は母艦に帰投せよと」

「了解しました」

「さて、そろそろネルフも気付くはずだ。各員、全天監視を怠るな!」

しばらくして、ミサト指揮下の艦隊が到着した。

「くっ!やっぱり、ルナ5を地球に落とすつもりね。全艦隊、総力戦用意!敵をここで食い止める。オペレーター!」

「はっ!」

「ファイナルディフェンスラインは?」

「しばらくお待ちを」

パソコンの数値と格闘するオペレーター。

「出ました!このままの速度ではあと2時間後にはファイナルディフェンスラインに接触します」

「時間がないわね。全MS発進。なんとしても、ルナ5の進路を変えるのよ。各艦の砲撃手は射軸を調整して砲撃で進路を変えるのよ」

全艦に指示を下すミサト。

そして、緊急発進の指示を受けた各艦のMSデッキはてんやわんやの騒ぎになっていた。

「緊急発進か。相変わらず、ミサトさんは」

自機であるRGZ−91であるリ・ガズィのコックピットで機体チャックをしているシンジ。

『まあ、ミサトのことだからいつものことでしょう』

サブモニターにはアスカが写し出されていた。

「そうだね。ところで、そっちのジェガンはどうだい?」

『量産機ってのがアレだけど。けど、いい機体よこれは』

「そうか」

『さて。私達は先陣よ。かなりきついけどね』

「でも、そのためのこいつだろう」

『まあね。けど、シンジ。ガンダムタイプとは言え、単機での突入はダメよ』

「了解。じゃ、お先に出撃するよ。碇シンジ、リ・ガズィ発進します」

旗艦であるラー・カイラムから発進するシンジ。

そして、後続のジェガン隊が続いた。

「しかし、どうしてこんな巨大な隕石が……」

その時、鋭い殺気を感じるシンジ。

「殺気!」

あわてて、軌道をずらすシンジ。

直後、シンジのいたスペースには数条のビームが飛んできた。

「ほう。この攻撃をかわすとはな……さすがはシンジ君だな」

「その声は……日向さん?」

「正直、ここまで早い展開とはな……。さすがは、葛城さんか。しかし、ここから先は行かせないぞ!ここで君を落とす!」

ビームマシンガンで、シンジのリ・ガズィに攻撃を仕掛けるマコトのギラ・ドーガ。

「ちぃ。動きがいい……」

「シンジ。援護するわ」

そこへ、アスカのジェガンが応援に駆け付けた。

「ダメだアスカ。君は、他のリガズィと一緒にルナ5の落下を阻止するんだ。ここは僕が食い止める」

「ほほう。この私を倒すか。しかし、この私に勝てるかな」

そう言って、グレネードを放つマコト。

「そんなもの」

紙一重でかわし、逆にビームライフルで反撃するシンジ。

だが、その攻撃はマコトに読まれていた。

「それを待っていたぞ。喰らえ!」

シールドに装備されているミサイルで攻撃するマコト。

さすがに、このような攻撃は予想しておらずあわててシールドで防ぐシンジ。

「くっ……」

「ふはははは!どうだ、このギラ・ドーガを甘く見るな!」

「やるな。けど、リ・ガズィだって!」

ビームサーベルを抜き、マコトのギラ・ドーガに斬りかかるシンジ。

「おっと!悪いがこれ以上は君の相手をするわけにはいかないのでな。ルナ5の落下はもう止められん。では、サラバだ!」

回避しつつ、後退するマコト。

「逃がすか」

だが、マコトの放ったフラッシュグレネードで視界を遮られ追撃しきれなかった。

「くっ……逃げられたか」

『シンジ!ルナ5の落下速度が上がったわ!大至急、核パルスエンジンを破壊して』

突然、アスカから通信が入った。

「ジェガン隊は?」

『こっちは、敵のMSやルナ5に設置された砲台に阻まれて接近できないわ。シンジの位置からならエンジンを直接狙えるわ』

「わかった。何とかしてみる」

ビームライフルを構え、核パルスエンジンを狙うシンジ。

「そこだ!」

右側にあるエンジン噴射口に必中の一撃を叩き込む。

エンジン噴射口の装甲板は、僅か数秒持ちこたえたあとビームの一撃を受け爆発した。

5基ならぶエンジンの一つを失い、徐々にであるがコースを逸脱しはじめた。

「各員、よくやってくれたわ。ルナ5の地球への落下は回避できたわ。現在、別働隊がルナ5を元の軌道へ戻すための作業が行なわれているわ。我が艦隊は、これより月面基地グラナダで補給を受けた後、再び追撃にかかる。各艦は、第2級戦闘体制を維持し交替で警戒にあたれ。MS部隊は、重度損害の機体を優先せよ」

戦闘集結を宣言するミサト。

「司令官殿、MS部隊収容まで三十分を予定してます」

「グラナダ基地との交信回線を確保。同基地司令官から、本艦隊への補給要請が受理されました」

次々と、ブリッジには報告が寄せられ、それらを副官らと協力して処理していくミサト。

「ところで、敵MSの性能は分析できた?」

合間をぬって、情報士官に敵MSについて尋ねるミサト。

「はい。これです」

キーボードを打ち、分析データを出す情報士官。

画面に出たのは、ややずんぐりしたMSであった。

「随分と重装備なMSね」

「ええ。赤木博士の分析では、ほぼ間違いなくこれはギラ・ドーガというMSだそうです」

「まあ、あのマッドの分析なら間違いはないわね。して、能力は?」

「こちらのジェガンとほぼ同レベルですね。ただ、火力の点では向こうが上かと。しかし、総合的な能力ではこちらが優ります。運動性は明らかに、こちらが上です」

「問題は数と敵パイロットの能力ね」

「そうですね。あっと、通信です。音声、出します」

『ハロー、ミサト。聞こえる』

「ええ、聞こえるわ。どうしたのリツコ?」

『シンジ君専用のMSが完成したわ。大至急、彼をこちらに向かわせて』

「了解したわ。場所は?」

『グラナダよ。グラナダの第2MS工房よ』

「了解したわ。シンジ君を至急そちらに向かわせるわ。それと、こちらで入手した敵MSのデータを送るわ」

『ええ、頼むわ。転送されたデータだけでは解析は十分ではないわ』

「じゃ、よろしく。さてと……」

MSデッキに回線を繋ぐミサト。

「シンジ君」

MSデッキでMSの整備をしているシンジを呼び出すミサト。

『はい、どうしました?』

「新型MSが完成したわ。至急、セッターを準備させるので月面基地グラナダの第2MS工房まで向かって」

『了解しました』

シンジを送りだすミサト。

だが、新型MSの補充連絡を受けたミサトもこれからのことを考えるとやや憂鬱になるのであった。



(続く)



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あとがき
ども、暗黒騎士ソードです。
いや、久しぶりの投稿です。
ここ最近は、諸々ありましてぜんぜん書く暇がなくて……。
ネタは思い付けど、書く時間がないか時間があってもネタなしか。
しかし、前回の予告みたいなネタを書いておきながらこっちを書いてしまうとは。
まあ、いい加減な人間ですので大目に見て下さい。
では、また会う日まで。


 暗黒騎士ソードさんからSSを頂きました(^▽^)ありがとうございます〜
 
 逆襲のシャアじゃなくて逆襲のケンスケ(^^;)脱走した眼鏡達はネオジオンでシンジ君達はロンド・ベル隊ですね。

 アスカちゃんもジェガンに乗り込み勇敢に戦っていますね。これはLASになりそうな予感。

 リツコさんは今回もハジケテいますねと感想を送りましょうね。
 
 とっても素敵なSSをくださった
暗黒騎士ソードさんに皆さん感想を送りましょう。

 暗黒騎士ソードさんのHPはこちら!「反乱軍総司令部『イルナーダ』

 皆さんの感想が作者の力になります!一言でもよいから感想を書きましょう!!


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