MS外伝7

-ケンスケ大気圏に散る-

Made by 暗黒騎士ソード

「うーん、そういえばG計画を遂行する上で何か忘れているわね」
と、自室で考え込んでいるリツコ。
「うーん、なんだったかしら……。凄く大事なことを忘れているわね……はっ、思い出したわ。あれよ、あのシーンを再現してないわ。あれを再現せずに、G計画は完遂しないわ」
何か思い出したようである。
「さて、適任者は……やっぱり『彼』に決定ね」
そして、そのまま数日の徹夜をするリツコであった。


ところかわってこちらはケンスケの家。
うわああああああ、体に六角形の細胞がついている〜!?しかも、ときおり聞こえるこの声はなんだああああああ?」
いよいよ、リツコに改造された影響が顕著に出てきたようである。
「はっ、ララァなのかそこにいるのは。それとも、シャアか?」
わけのわからないことをのたまいはじめるケンスケ。
「うおおおお、そこかああああああああ〜。そこにいるのかあああああああああ〜!
どうやら、昼間でも妄想が見えるようである。だが、本日もこの幸せな時間が侵略されるのであった。
『バタン!』
いきなり、数人の黒服がケンスケの部屋に侵入してきた。
「だ、誰だ!?ま、まさかティターンズか?」
「はっ?何を言っている。それより、お前は相田ケンスケだな」
「うおおおおおお、ミューズの祈りがきこえるううううううう!?」
「おい、本当にこんなのがE計画に必要なのか」
「わからん……」
怪訝に思う黒服達。どうやら彼等はケンスケがE計画に必要だとしか知らされていないようである。
「ともかく、確保しよう。遅くなると赤木博士に改造されるからな」
「そうだな。よし、確保しろ」
にじり寄る黒服一同。
「う、うおおおおおおおおお、俺の体をみんなに貸すぞおおおおおおおおおおおお。いけ〜」
「むっ、目標が暴れだした。プランをBに変更。それ、かかれ〜」
こうして、21世紀になってもまた黒服さんに袋だたきにされるケンスケでした。


「うわあああああああああ、やめろおおおおおお。もう、俺をまきこまないでくれえええええええええ!?
ネルフにつくなり、悲鳴を上げて目をさますケンスケ。
「おほほほほほ、お目覚めかしらケンスケ君」
「うわああああああ、でた〜妖怪マッドババァ!?」
『ベキッ、バキッ、ゴギャ、ボキッ』
「何か言ったかしら」
とげとげのついた、鋼鉄製のはんまぁを片手にそう尋ねるリツコ。
「い、いえ、なんでもありません……」
ちょっぴり、首がまがってはいけない方向にまがっているケンスケ。
「さて、今回のあなたに与える任務はMS-06ザク2の運用テストよ」
「ま、まて。また、ガンダムに斬られるのか」
「そんな事はないわ。今回は、あくまで機動性のテストよ」
「ほ、本当にそれだけだな」
「ええ。やる気になった」
「ま、まあ、MS-06だからな」
「では、さっそく宇宙にあがってもらうわ」
「了解しました!」
でもって宇宙。
「どう、MS-06の調子は」
「はっ、問題ないであります少佐殿」
「いいわよいいわよ。それじゃあ、早速だけどムサイから発進しなさい」
「わかりました。相田ケンスケ、ジオンの栄光を掴むためMS-06ザク2で出撃します」
ムサイから発進するケンスケ。それ以前に、このムサイはどっから調達したのだろうか?
「どう、調子は?」
「はっ、順調であります少佐殿」
「そう……それじゃ、そろそろ本題に入りますか。マヤ、信号弾を上げて」
「わかりました」
信号弾を打ち上げるマヤ。
「うん、なんでありますか少佐殿」
「なんでもないわ。それより、ザクの推進力はどう?」
「はっ、背部のバーニア出力はもう少し上げてもよろしいかと」
「そう。今後の開発に役立てるわ」
その時……。
「先輩、未確認MSが急速接近」
「何ですって!」
「このままでは、。0秒後にザクと接触します」
「くっ、まずいわね。相田君、聞こえて」
「はっ、少佐殿。しかし問題はありません。ザクに勝るMSがあるはずはありません。自分が見事、撃退してみせます」
そう言って、敵MSの来る方向にマシンガンを構えるケンスケ。そして、敵がやってきた。
「うん、あの白い機体は……。ま、まさかあれは……ガンダム?な、何故ここに」
おびえるケンスケ。
「目標発見。ムサイね。あと、ザクが一機いるわ」
ガンダムのパイロットはレイであった。
「げっ、綾波……ってことは、また嵌められたのか俺は」
今ごろになって、ようやくだまされていたことに気付くケンスケ。
「ど、どうするザクとガンダムじゃ圧倒的にパワーが違う。こ、ここは逃げるが勝ちだ」
あわてて地球に向けて逃げるケンスケ。
「あっ、相田君そっちは……」
「ま、また、騙すつもりかこのマッド。だが、俺様もそう易々とだまされん。このまま、地球に帰る。さらばだ」
「そうじゃないのよ。ザクには……」
しかし、そこで交信が途切れた。
「ふう、通信機をきっておけば問題はないな。けど、なんかコックピットが熱いぞ。それに、このミシミシって音は……。はっ、そういや思い出したザクって確か大気圏突入機能はない!」
ようやく事態の重大さに気付くケンスケ。
「相田君、きこえる?」
「はっ、これは少佐殿の声。た、助けて下さい少佐殿。機体が燃えています」
「残念だけど、もう救助は出来ないわ。でも安心して、あなたのおかげで連邦のMSも道連れに……」
「先輩、ガンダム帰っていきます」
「あれ?ど、どうやら無駄死にのようね」
「ぬおおおおおおお、あっさりとおおおおおおおおおおお!
そうこうしているうちに、ザクの表面温度が上昇してきた。
「わあああああ、コックピット内部が熱い。構造材がミシミシいっている。周辺が真っ赤に見える」
「ザク、耐熱温度をこえます」
淡々と状況を報告するマヤ。
「ふう、どうやらデータの回収は不可能ね」
「そ、それしか言えねえのかあああああああ。お、おのれAD CIENTIST〜〜〜〜〜〜〜〜!
そのまま、大気圏で燃え尽きるザク2であった。
「あ〜あ、燃え尽きちゃいましたね」
淡々と感想を述べるマヤ。
「そうね。でも、私が目指すGにはこのシーンの再現が必要なのよ。ふっ、相田君、あなたの犠牲は無駄にはしないわ。そして、私の目指すGはもう目前よ。お〜ほっほっほっほっ!
こうして、今回もリツコの趣味で宇宙に散ったケンスケでした。
(おしまい)


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あとがき
21世紀、皆様いかがお過ごしでしょうか。
暗黒騎士ソードです。
今回は、ザクが大気圏で燃え尽きるシーンをケンスケ君にやっていただきました。
いや〜、このシーンはガンダムの中でも名場面の一つですね。できれば私が生きているうちに、是非この名場面を再現して欲しいですね。(爆笑)
それでは、今世紀もよろしくお願いします。
では、また会う日まで。


 暗黒騎士ソードさんから21世紀初めてのSSを頂きました(^▽^)ありがとうございます〜

 MS-06、汎用性にすぐれバリエーションが多い傑作機、ケンスケお約束の如く拉致され今回は運用テストでしたが・・・甘くはないですね(笑)

 レイちゃんが乗るガンダム、確かに性能差があるので勝てません(MS-06Sなら良かったかな)

 大気圏で燃え尽きるなんて、ガンダムと勝負して燃え尽きた方が良かったかも(爆)

 ケンスケ、宇宙の塵になりましたがしぶとく復活するんでしょうね。

 リツコさん、名シーンを再現できて満足でしたね(いくらかかったんだろう?)

 とっても素敵なSSをくださった暗黒騎士ソードさんに皆さん感想を送りましょう。

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