MS外伝8
-ケンスケソロモンに散る-
Made by 暗黒騎士ソード
「おほほほほほほほほほほほほほほほ、またGにまつわる兵器を開発してしまったわ!」
と、のっけからハイテンションなのは世紀のMADことリツコである。
「博士、のっけから何をそんなにテンション上げているんですか」
冷静に突っ込むレイ。
「あらレイ、どうしたのこんなところに」
「いえ、博士に用があったのですが……。それよりこれはなんですか?」
「おほほほほ、これこそガンダムの補助パーツともいうべきGファイターよ」
「Gふぁいたぁ?」
「けど、これを作った以上はあれを完成させなといけないわね。レイ、わるいけどこれらかしばらくの間はこの区画を閉鎖するわ」
そう言ってレイを追い出すリツコ。それから数日間、ネルフの地下では無気味な奇怪音とリツコの笑い声がこだましていた。
「ガルマあああああああああああああああ、なぜ死んだああああああああああああああ。あいつはいずれ俺を指揮するほどの男だったのにいいいいいいいいい」
かわってこちらはケンスケの家。
「あのシャアがもっとしっかりしておればあああああああああああ!」
本日もしっかりと妄想世界で元気に生きているようである。
「ふぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ、ジオン公国に栄光あれエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!」
しかし、いつもの事だがケンスケの楽しいインスピレーションは何の前触れもなく終わろうとしていた。
『バタン』
いきなり、数人の黒服がケンスケの家になだれ込んできた。
「はっ、宇宙の声が聞こえる!?」
「相田ケンスケだな」
「うおおおおおおおおおおお、そこかああああああああああ!」
「おい、なぜいつも赤木博士はこいつをいつもつれてこさせるんだ?」
「さあ。ともかくいそいで連れていこうぜ。でないと俺達が改造される」
「そうだな。おい、政府の命令だ。お前を連行する」
「ぬおおおおおおおお、貴様を逮捕するううううううううううううう」
「むっ、目標が抵抗した。プランをBに移行。それかかれ〜!」
くどいようだが、今回も黒服によってぼこぼこにされるケンスケであった。
「うわああああああああああ、こ、ここはどこだ!?」
と、ネルフの地下で目をさますケンスケ。
「おほほほほほほほ、気分はどうかしら」
「で、でた〜金髪ババ……(ベキッ)」
セリフが言い終わる前に殴られるケンスケ。
「何かいったかしら」
「にゃ、にゃんでもありません……」
毎度の事だが、首がちょっぴり変な方向にまがっているのは気のせいである。
「さて、今回きみを呼んだのは他でもないわ」
「よぶんじゃねええ」
「先日、我々ネルフは最新型の支援戦闘機を開発したわ。で、そのパイロットにあなたを選ぶ事にしたわ」
「断る!また、酷い目にあうのはご免だ!」
至極まともな返答をするケンスケ。しかし、相手はリツコである。常識的な対応で逃げれるわけはない。
「おほほほほ、連れてこられる時に言われなかったかしら。政府の命令と」
「はうっ、そう来たか……。け、けど、その命令に従わないからって俺に何の罪が」
「国家反逆罪よ」
「あるかああああ。それ以前に、お前は命令を出せる人間なのかああ」
「レビル将軍の許可は頂いているわ」
「だ、誰だレビルって!?」
「ともかく、これは命令よ。それとも、あなたまた逃げるつもり」
「逃げるわあああああ!マッドお前に関わると碌なことがない!」
「そう、仕方ないわね。じゃあ、出口まで送ってあげるわ」
「そ、そうなのか」
「ええ、今までのお詫びよ」
そう言って、ケンスケの肩を叩くリツコ。
「そうかそうか。いや、どうやら分かってく……あれ、体が……」
「おほほほほ、どうやらこのしびれ薬『シビレール君』が聞いてきたようね」
「い、いつの間に……」
「さっき、肩を叩いた時によ」
「くっ、おのれマッド……はうっ、意識が……」
こうしてケンスケの意識はフェードアウトした。
「博士、なんで私は宇宙にいるんですか」
と、わけもわからないまま宇宙に連れてこられた疑問を尋ねるレイ。
「気にする事はないわ」
「いや、十分に気になるのですが」
「では、これより新型のテストをおこなうわよ。レイ、あなたはRX78-2ことガンダムに乗りなさい」
「じゃあ、あの新型は?」
Gファイターを指差すレイ。
「ああ、あれは別のパイロットが乗るわ。マヤ、ケンスケ君はどうしたの」
「はい、ただいま連れて参ります」
ケンスケを引っ張ってくるマヤ。
「は、放せええええええええええええええええええええええ!」
滝のように涙を見せるケンスケ。
「うるさいわね相田君。いうこときかないと、また『シビレール君』を打つわよ」
「わああああああ、それだけはあああああああ」
「じゃあ、私の指示に従う」
「は、はいよろこんで」
どうやら、しびれ薬を打たれた後に何かあったようである。
「それでは、これよりGファイターの運用テストを開始するわ。各機、ホワイトベースのカタパルトにスタンバイ」
「了解!」
「ううっ、了解しました」
でもって、ホワイトベースから射出されるガンダムとGファイター。
「どう相田君、Gファイターの乗りごごちは」
「まあ、今までのMSとは違いちょっと扱いが違いますね」
やはりミリヲタである。兵器に乗ると、とたんに態度が変わる。
「そう。じゃあ、しばらくは適当に動かしていて。レイ、しっかりとモニターするのよ」
「わかりました」
「さて、そろそろいいかしら。マヤ、MAを出現させて」
「了解!」
次の瞬間、ケンスケの近くにあった岩礁が割れ中から一体のMAが出てきた。
「わああああああああああ、こ、こいつはあああああああ!?」
「あ、あれはビグザム!?」
と、レイ。
「ビグザム!?ま、まさかこのシーンは」
ボー然とするケンスケ。
「ぐはははははははははは、葛城さんに危害を加えるやつはこの俺が許さねエエエエエ」
ビグザムのパイロットは、強化処理された日向マコトであった。どうやらリツコに改造されたようである。そして、メガ粒子砲を打つマコト。近くに待機していたジムとボールが、あっさりと蒸発した。
「ひ、ひえええええええええ!?あ、あんな攻撃を受けたら迷わず死ぬ。こ、ここは逃げるが」
「行くわよGファイター。あいつを落とさないとソロモンは攻略できないわ」
「な、何をする綾波。は、放してくれ」
「大丈夫よ。ガンダムを信じて」
「いや、そうじゃなくてこの展開ってなんか凄く嫌な予感が……」
「作戦はこうよ」
ケンスケの主張をあっさり無視し、淡々と話を続けるレイ。
「まず、Gファイターが攻撃を仕掛けてヤツの注意を引き付ける。その隙に私が攻撃を仕掛けるわ」
「そ、それで大丈夫なのか」
「問題ないわ」
「よ、よし、分かった。支援は頼むぞ。いくぞ〜、ビグザム!うおおおおおおおお!」
ビグザムに突っ込むケンスケ。
「お前かああああああああ、葛城さんを困らせるヤツはああああああああ。くらえええええええ」
足についていたとげみたいなのを打ち出すマコト。
「ふっ、そんなもの。機動性にすぐれるGファイターなら余裕でかわすことが……あ、あれ、操縦がきかない。な、なぜオートパイロットに。はっ、このシーンって確か……」
そして、とげは見事にGファイターのコックピットにに刺さった。
「や、やっぱりこうなるのか……お、おのれMAD SCIENTIST〜〜〜〜〜〜〜〜!」
見事爆死するケンスケ。
「ふははははは、みたかビグザムの力を。このビグザムが量産されれば連邦なんぞ……」
「甘いわ。もらったわよビグザム」
「げっ、連邦の白いモビルスーツ!?」
そのまま、レイのガンダムに切り裂かれるビグザム。
「ば、バカな、このビグザムがたった一機のMSに……や、やらせはせんぞ……。葛城さんをやらせはせんぞおおおおおおおおおお!」
しかし、マコトの叫びも空しくビクザムはあっさりと爆発した。
「何者だったのかしらあれ」
きょとんとしているレイであった。
「おほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほ、やはりこのシーンはGへの道を歩むものには必要不可欠ね」
かわってこちらは、人間としてはもう完全にダメなリツコ。
「さあ、このデータを元に次なるGを開発するわよ。これからも忙しくなりそうね」
イッタ目をしながら、ホワイトベースのブリッジで高笑いをするリツコであった。やはり、彼女こそが人類にとってもっとも危険な存在である。
(しまい)
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あとがき
ども、暗黒騎士ソードです。
今回は、あのスレッガー=ロウ中尉が名誉の戦死をなさいましたソロモン攻略戦を元に書きました。
もっとも、元ネタとはかなりかけ離れてますが。
あっ、ちなみに小生は(株)バンダイで発売中の『ギレンの野望−ジオンの系譜−』ではスレッガーは生きたままクリアしてます。結構好きなんですよね彼が。
では、また会う日まで。
暗黒騎士ソードさんからSSを頂きました(^▽^)ありがとうございます〜
冒頭からハイテンション、暴走しまくっているMADリツコさん。自分の欲望の為にGファイターを作成、そして犠牲者はいつもの眼鏡(笑)
今回のGへの道は一年戦争天王山、ソロモン攻略戦(星一号作戦)を再現しましたね。
ケンスケ折角良い役を与えてもらったのに残念ながら・・・運命ですね(笑)
そして初登場の影が薄いオペレータの日向マコト、ドズル・ザビ中将の役ですね(随分かけ離れていますが^^;)彼もMADの欲望の為に犠牲になりました(爆)出番が少ないから良いかも(^^)
とっても素敵なSSをくださった暗黒騎士ソードさんに皆さん感想を送りましょう。
暗黒騎士ソードさんのHPはこちら!「反乱軍総司令部『イルナーダ』」
皆さんの感想が作者の力になります!一言でもよいから感想を書きましょう!!
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