EVA CHANGING

Vol.11

BLUE SKY

 別荘に来てから次の日の朝、レイとペンペンは酔いからさめアスカの調理した朝食をとっていた。

くうううう、別荘で飲むビ〜ルは格別ね

「・・・ミサトさんの場合どこでも同じと思いますよ」

 清々しい草原の別荘での朝、ミサトは喉の潤いに体を震わせていた。

「違うわよ。喉の滑りが違うんだから」

「・・・そうですか」

「そうよん」

 次々にビ〜ルを開けていく次で5本目である。

「ミサトさん、それで終わりですよ」

「え〜いいじゃない。お休みなのよ」

「昨日、沢山飲んだじゃありませんか。片付けるの大変だったんですよ」

「シンちゃ〜ん」

 ミサトは涙を流して懇願するがシンジは首を横にふる。

「ダメです」

「ガックシ、じゃあ最後の1本」

ダメです

 ミサトは6本目を取ろうとするがアスカが素早くビ〜ルを取る。

「アスカちゃ〜ん。お願い最後だから」

ダメです。そんなに飲んだらお腹が樽のようになりますよ

 ポンポン

「もう、なってるわ」

 レイはミサトのお腹を軽くたたくと、容赦ない一言をあびせる。

「グスグス、もういいわよ。私なんていらない大人なのね・・・」

 ミサトは膝を抱えてソファ〜を指でいじくりまわし、いじけた。

「いい年していじけないでください。これから湖に泳ぎに行きますけどミサトさんもどうですか?」

「私はいいわよ。3人で行ってきなさい」

 ミサトには計画があった。3人が行っている間に留守番と称して、ビ〜ルを飲む。だかそれもレイの鋭いツッコミにより崩れる。

「ダメ、葛城三佐1人だとビ〜ル飲むから」

「レ、レイ。や〜ね、そんな事しないわよ。いってらっしゃい」

 額に汗を流しながら何とか3人で行かせようとするのだが、シンジは微笑んで誘う。

「ミサトさんも行きましょうね」

「はい・・・ガックシ」

 それから少し食後の休憩を取り、シンジ達は昨日見つけた湖にミサトを除いては楽しく向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へえ〜きれいね」

 ミサトは水面にうつる太陽の光と水の透明度で驚いていた。

(これで飲めれば最高なんだけどね・・・)

「クエ〜」

 シンジ達が荷物を置いているとペンペンは素早く湖に走っていった。そして気持ち良さそうに泳ぐ。

「気持ち良さそうだね。僕達も泳ごうよ」

 シンジ、アスカ、レイは水着は着ていたので服を脱ぐだけであった。

・・シンジ君どう?似合うかな

「う、うん。前の水着だね」

 アスカが来ていたのは以前、修学旅行で行けなかったときネルフでの水着である。今回は腕を後ろに組み足をモジモジさせていた。

あ、ありがとう

「碇クンどう?」

「あ、綾波も似合うよ」

「ありがとう」(ぽっ)

 レイも以前と同じであるがシンジに誉められると顔があかくなった。

「う〜ん、それじゃあ私の華麗な泳ぎでも披露しちゃおうかな」

 ミサトはTシャツのすそを持つと勢いよく脱いだ。大胆なビキニでシンジの目がくぎ付けになる。

見ちゃダメ!

「わっアスカ」

 アスカは後ろからシンジの目を両手でふさぐ。

「別にいいわよ見ちゃっても。ほれほれ」

 ミサトは短パンを脱いで、アスカに見せつける。

ミ、ミサトさん!シンジ君には過激過ぎます

「あら〜シンちゃんはどうなのかな?」

「ぼ、僕は構いません」

ダメ〜

 アスカの押さえる力が一層強くなっていく。

「もうアスカったらシンちゃんに、他の女性の身体を見せたくないのはわかるけどシンちゃん喜んでいるわよ」

え?

 アスカはシンジの背中から目を押さえつけているので、当然身体が密着し合っている。

「ア、アスカ背中が」

あっキャ〜〜!シンジ君のえっちい〜〜

 ドン!

ぐえっ

 恥ずかしさのあまりシンジを突き飛ばし、顔が地面にめり込む。アスカは真っ赤になってその場にしゃがみこんでしまった。

もうシンジ君、しんじられない!

「ありゃりゃりゃ、シンジ君大丈夫かしら?」

しりません!

 アスカはシンジを見ずにソッポを向いて怒っていた。

「私は知っているわ」

え?

 レイは意味不明な事を言うと、シンジを膝枕して顔の土を取っていく。

「レイは優しいわね〜」

「問題ありません」(ぽっ)

 ミサトの言葉にレイは顔を赤くするが、アスカは肩が震えていた。

「あらアスカ?どうしたの、一緒に泳ぎましょうか」

ダメ〜〜!

 アスカは叫ぶとタオルを持ってシンジにかけより、顔を拭いていく。

「アスカ、何をするの?」

私が押し倒したから、私の責任です

「そう・・・でもダメ碇クンは私が介抱しているの」

ダメです、レイさん。私がやります

 アスカはシンジの頭を掴むと自分の膝に持っていった。

「碇クンは私のほうが喜ぶわ」

 レイはシンジの頭を掴むと自分の膝に戻した。

ダメ

「イヤ」

 2人のシンジの頭の取り合いは延々と続いた。

「シンちゃん幸せ者ね。うんうん、私はちょっち泳ごうかな」

 ミサトは我関せずにペンペンと一緒に泳いでいた。


「アスカです。連載も11回になり絶好調です」

「・・・私っていらない大人なのね。必要ないんだわ」

「ミサトさん。どうしたんですか?」

「だって、ビ〜ルが飲めないのよ〜、私はいらないんだわTT」

「そんな事ありません。ミサトさんの体が心配だから、ああしたんですよ。ミサトさんは大切な家族です」

「アスカ〜〜嬉しいわ〜〜」

「ミサトさん」

「でもお腹、樽になってるわ。クスクス」

「!やっぱり〜いらないだ〜〜〜〜」

「あっミサトさん。走っていっちゃった。レイさん!なんてこと言うんです」

「真実よ」

「嘘も方便って言葉があるでしょう」

「知らないわ、アスカ嘘なのね?」

「うっ・・・ち、違います」

「お腹が樽になっているのは本当なのよ。アスカも気づいているでしょう」

「そ、それは」

「クスクスクス、別にいいわ」

「・・・ほっ」

「いま安心したわね」

「え!そんな事ないです」

「ウソ」

「うっ・・・・・・・・ごめんなさい」

「葛城三佐、アスカは嘘をついたようです」

「え?」

「アスカ〜〜裏切ったわね。私の心を裏切ったわね」

「ミッミサトさん」

「悪い子はお仕置きよ〜」

「な、何をするんですか?」

「性格を変えて泣き虫アスカにするのよ。そ〜れっ!」

「はうううう・・・・・・バタッ」

「ふふふふこれで、目覚めたら泣き虫よ」

「外道ですね」

「あれ?レイにもしちゃおうかしら」

「さっさよなら」

 こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


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EVA CHANGING Vol.11 BLUE SKY