EVA CHANGING
Vol.15
目覚めの良い朝
「はい、シンジ君」
「え?」
夕食時、葛城家の風景。アスカはお手製のハンバ〜グを箸で掴むと、シンジの口の前に持ってきた。様は『食べさせてあげる』である。
「ア〜ンして」
「え、て、照れるよ・・・」
「いいじゃない。ミサトさんはいないんだから」
ミサトはネルフに泊まりこみ、二人だけである。
「でも、ペ、ペンペンが・・・」
ペンペンがテ〜ブルの下で自分の夕食を堪能しながら二人の様子を見ていた。
「クエ」
「もうペンペンったら、恥ずかしいから向こうに行ってて」
「クエ」
頬を赤らめてお願いすると、ペンペンは自分のご飯を持ってリビングに行ってしまった。
「ええ?」
ペンペンの意外な行動に驚くシンジ。
「ねっ二人っきりでしょ、はいア〜ン」
ほほ笑みに少し色っぽい声、そして出されたハンバ〜グ。シンジは赤らめながら口を開けた。
モグモグ
「美味しい?」
「アスカが作ったものだから美味しいに決まっているよ」
その言葉がアスカを一層嬉しくさせる。
「よかった。今日のはちょっと自信が無かったの」
上目使いにシンジを見て微笑む。
(可愛い・・・)
「このサラダも食べて見て」
「うん」
シンジはサラダに箸を持っていく。
「ダメ!」
サラダが盛った皿をアスカは取り上げ、箸が宙を舞う。
「え?」
「私が食べさせてあげる。はいア〜ン」
「あ、うん」
こうして幸せの夕食が過ぎていった。
そして夜も深まり眠気がこみ上げてくる。シンジはベットで本を半分起きて、半分寝ている意識の中で読んでいた。
トントン
襖を叩く音、だかシンジは気づいていない。
トントントン
(ん?アスカ)
「は〜い!」
ようやく気づき返事をする。すると襖が開き、そこに立っていたのは赤いパジャマを着たアスカ。
「どうしたの?」
「実はまだ食べてもらいたいものがあるの」
アスカはモジモジしながらシンジにゆっくり近づく。
「今日はもう遅いから明日にしようよ。胃がもたれるよ」
「・・違うの、食べてもらいたのは・・・ワタシ・・・」
「え・・・ええ?!」
イキナリの事で大声を上げてしまう。普通ならここでミサトが何事かと来るのだが、今日はいない。
「シンジ君、ア〜ンして」
「ア、アスカ・・」
アスカはパジャマを脱ぎ白い肌を見せながらゆっくりとゆっくりとベットに近づく。
「ね、シンジ君・・・」
「シンジ君!起きて〜〜〜!」
「はっ!」
けたたましいアスカの声にシンジは目を覚ます。
「ゆ、夢・・・・」
上半身をベットに起こし、髪の毛をかきむしる。
「もうちょっとだったのに・・・」
悔しがるシンジ、中学生真っ只中。
「何がもうちょっとだったの?」
「わっアスカ!どうしてここに?」
「もう!いくら呼んでも起きないから、起こしにきたの」
「そうだったの、ありがとう」
シンジはベットから降りると立ち上がった。
「!」
「ん、なに?」
「キャ〜!シンジ君のエッチ!信じられな〜〜い!」
バッチン!
「うぎゃ!」
アスカは顔を真っ赤にすると、部屋を出ていった。残されたのは床に倒れたシンジ。
「もう、知らない!」
この日、シンジは遅刻したのであった。
「ふ〜んシンジ君ってこういう夢を見ているんだ」
「私、恥ずかしいです。シンジ君エッチなんだもん」
「いいじゃないシンちゃんだって、多感なお年頃なのよ」
「ダメです」
「あら、本当にアスカがしたらシンちゃん喜ぶわよ。夜のは特にね」
「も、もう何を言うんですか」
「あらあら恥ずかしがっちゃって」
「私はできるわ」
「あらレイはできるの、シンちゃん、泣いて喜ぶわよ」
「はい」
「レイさん!何を言っているんですか」
「何って碇クンとモゴモゴ」
「言っちゃダメ〜」
「二人とも青春ね〜」
(・・・恥ずかしくて登場できないよ)
夢オチです。シンジ君残念でした〜。まあ読んでいくうちにわかりますね(^^)
こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
EVA CHANGING Vol.15 目覚めの良い朝