EVA CHANGING

Vol.20

初詣

 お正月、おせち料理も食べミサトは酔いつぶれて爆睡、シンジとアスカはそんなだらしない保護者を置いて初詣に行くことにした。

「アスカ〜まだ〜?」

 着替える為に部屋にこもってから早二時間、毎度の事ながら今日は一段と長い。

ん〜〜もうチョット〜

 部屋からは焦っているのか、声が弾んでいる。シンジは時計を見るとため息をついた。

「ふう〜まだまだかかるかな」

ぐおおおおおおお!!!

 そんなシンジの横ではミサトが大イビキをかいていた。

 

 

 そして三十分後・・・・

 ガラッ!

 ようやく襖が開いた。

シンジ君お待たせ〜

「あっうん!・・・・・」

 ポケ〜とTVを見ていてアスカの声に気がつき振り返った。そこでシンジは言葉を失った。

どうかしら?

 アスカは後髪を上げてかんざしをさし、赤い晴れ着を身につけていた。クルリと回りシンジに披露する。

「・・・・・・」

どう?

 シンジはあまりの可愛さに言葉が出ない。

シンジ君?

「・・・・・」

 アスカはシンジの目の前で手をかざすが気づいていない。

シンジく〜〜ん

「はっ!に、似合う似合うよアスカ」

 シンジに誉められた事で、アスカは晴れ着の赤の様に赤くなった。

ふふふ、ありがとう。待たせちゃってごめんなさい。さあ行きましょう

「うん」

 互いに頬が赤くなっている二人、だがそれに水を差す様に邪魔が入る。

ぐおおおおおおお!!!

 大イビキのミサト。二人は呆れた。

ねえシンジ君、ミサトさんどうしよう?

「う〜ん、ペンペンに任せておこう」

 普通ならペンペンの世話をするはずのミサトが、逆に世話をされることになった。

 

 

 そして二人は近くの神社に向かった。

「うわ〜人が沢山いるね〜」

 境内は初詣客、出店などで賑わっている。

そうね、景気がいいのかしら?参りましょう

 パンパン!

 賽銭を投げ入れ手を合わせ今年一年の無事を祈る。

(今年も健康でありますように、勉強ができますように・・・)

今年も平和でありますように、料理がもっと上手くなりますように・・・

 二人は無難な事を祈る。

(そして今年も・・・・・・・・・・・・・・・・・ように)

今年も・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ように

 長い祈りが終わった。

「ふう〜アスカは何を祈ったの?」

「シンジ君は?」

 聞くはずが聞き返され答える。

「僕は健康と勉強ができるようにかな。アスカは?」

それだけなの?もっと長く祈っていたみたいだけど

 確かにそれだけの祈りならすぐに終わる。

「い、いいじゃないか。アスカは何?」

ふふ、ヒ・ミ・ツ

「あっずるい〜」

ふふふ

 アスカはその場から逃げ出した。しかし晴れ着なので走りにくい。すぐに掴まる。

あっ

 シンジに手を掴まれた事で、一瞬動きが止った。

「あっごめん!」

 シンジもそれに気づき頬が赤くなり離した。

ううん、いいの

 アスカは赤くなりうつむきながら手を前に出した。シンジもドキドキしながら手を握る。

「お、おみくじ引こうか?」

う、うん

 二人ともどこかギクシャクした歩きでおみくじを引きに行った。

 

 

「僕は・・・・吉か、まあまあだな。アスカは?」

ほら大吉

「あっ良いなあ今年一年はいい事があるよ」

うん

 そして二人は境内の出店を一回り見て回ると家路につく。その間も手を繋ぐことは忘れていない。

「ねえアスカ」

何?

「さっきは何て祈っていたの?」

 どうやら気になるようである。

シンジ君の後のお祈りを教えてくれたら教えてあげる

 心なしか顔が赤い。

「う、うん・・・・こ、今年一年もアスカと一緒にい、いられるようにって」

 湯気を頭から出しながら発言する。アスカはその言葉にうつむいて頭から湯気を出した。

あ、ありがとう・・・わ、私もシンジ君と同じ願いなの・・・・・

「・・・・・・・」

・・・・・・・

 二人はそれから照れなのか一言も喋らないで家に着いた。

「ただいま〜」

ただいま〜

 玄関に入った時まで手を繋いでいない。エレベ〜タを降りた時名残惜しく離した。

おっかえりなさ〜〜〜〜い!」 

 リビングからミサトの声、起きたようである。

「ミサトさん、起きたんですか、ゲッ!」

ミサトさん・・・・

 二人はリビングを見て驚愕した。

「どこいってたの〜?あらアスカ〜似合っているわよ〜〜ヒック」

 行く前に掃除したのに、そこら中に転がっているビ〜ルの缶。

「さあさあ、二人とも座って座って」

「ミサトさん飲み過ぎですよ」

「シンちゃん〜、お正月なんだから固い事言わない〜」

 かなり酔っているミサト、二人は何を言っても聞かないと思い、仕方なくビ〜ルを飲むことを許したのであった。ペンペンはすでに酔いつぶれて転がっていた。


「皆さん、あけましておめでとうございます。今年もEVA CHANGINGをよろしくお願いします」

「私の晴れ着姿どうだったかしら?えっ?文字だけだからわからない?ごめんなさい、jun16さんCG描かないから想像で許してね」

「それにしてもシンジ君、あんな事を祈っていたなんて・・・・ぽっ」

「あらあらアスカ何赤くなっているの〜?」

「ミ、ミサトさんだって赤いじゃないですか」

「これはビ〜ルのせいよ、ビ〜ル。アスカはビ〜ルのせいじゃないわよね。ニヤリ」

「も、もう!」

「ごみんごみん、可愛いからからかいたくなっちゃった。それにしても晴れ着なんて持っていたの?」

「ええ、お母さんの形見なんです・・・・・」

「じょおおおおおおお(←涙を流す音)アスカ〜ごめんなさいね。思い出させちゃって」

「いいんですよミサトさん」

「じょおおおおおおお(←涙を流す音)なんて優しい子なの。お姉さんは嬉しいわ。お年玉あげちゃう」

「い、いいですよ」

「いいから取っておきなさい。子供は遠慮しないの」

「は、はい、それじゃあありがとうございます」

「さっさ開けてちょうだい」

「はい・・・・・・・・ミサトさん、これはなんですか?」

「見てわからない?婚姻届よ」

「これってVol.19でもやりましたよね」

「ふふ甘いわねアスカ、よく見てみなさい」

「何がですか?あっ」

「そうよシンちゃんの名前がかいてあるでしょう。これぞ最高のお年玉ね」

「でもこれってミサトさんの字じゃ・・・・」

「細かい事は気にしないの正月でしょ」

「・・・・・・・」

 あけましておめでとう〜〜〜さあお正月のLASどうでしたか?感想待ってます!

 初詣にアスカの赤い晴れ着、定番ですね。今年もEVA CHANGINGアスカ編は続きますので応援よろしくね

こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


Vol.19 Send Me An Angel Vol.21 赤くなるアスカちゃん、ニヤリなミサトさん

EVA CHANGING Vol.20 初詣