EVA CHANGING
Vol.23
今日は…
「フンフンフンフ〜〜ン♪」
アスカは鼻歌を歌いながら昼食を作っていた、パスタを茹でているスパゲッティ〜だ。
「アッスカ〜」
そこへ今日はネルフが休みなミサトがニヤニヤしてやって来た。タンクトップにホットパンツのだらしない格好、髪は寝癖のままボサボサである。
「何ですかミサトさん」
「実は私…」
急にミサトの顔が真剣になった。
「はい?」
「私ビ〜ルやめるわ」
「ええっ?!」
アスカは驚いた、あの3度の飯よりビ〜ルが大好きなミサトが突然止めると言い出したからである。これは天変地異の前兆なのだろうか?
「な、ミサトさん!気は確かですか?頭を打ったとか?はっ!もしかして拾い食いでもしたんですか」
「ち、ちがうわよ。健康の為にね」
「そ、そうなんですか」
しかしアスカは思った『止めた方が健康に悪いんじゃないかな』と。
「そうよん♪」
プシュ!
ゴクゴクゴクゴク
ミサトは返事をしながら冷蔵庫を開けるとビ〜ルを取りだし飲み始めた。
「あっミサトさん」
「プハ〜〜〜、うんんまい!」
「1秒も守れないなんて…」
呆れた、ミサトの口の周りは泡の髭を作っている。
「ぷぷ、嘘よ嘘。私はビ〜ルはやめないわよん」
「ならどうして、やめるなんて言うんですか?」
「今日は何の日かわかる〜?」
「今日…?あ〜〜〜」
アスカは壁に貼ってあるカレンダ〜を見た、四月一日。
「そうよ、エイプリルフ〜ルでした」
嘘をついても良い日である。ミサトはアスカに嘘をついたというわけだ。
「もう、そうですよねミサトさんがビ〜ルをやめるわけないですもんね」
「そ〜いうこと」
ミサトは満足するとリビングに消えていった。
「そう、今日はエイプリルフ〜ルなのね…ふふふ」
カレンダ〜を眺めていたアスカは何か思いついたらしく、口元に手を持っていき微笑した。
「ただいま〜〜」
シンジが帰ってきた手には本屋の袋を持っている、漫画を買ってきたようだ。
「お帰りなさい」
声に気づいたアスカは台所から返事をした、まだ料理は続いている。
「アスカ〜お昼は何?」
台所に立ち寄ると今日の昼食を聞いてみたが…
「今日のお昼は無しです」
「えっええ?!」
驚いた、お腹が空いているのに昼食が無い。そして不思議に思ったアスカは真っ赤なエプロンをしているのに何も用意をしていないのだろうかと。
「ふふ、嘘です。今日は四月一日なの」
シンジは理解した。
「ああ、エイプリルフ〜ル」
「うん」
ニッコリ微笑むアスカ、すでに昼食は完成したようだ。
「ビックリしたよ、お昼が無いって言われたから」
「ふふ、驚かせちゃったみたいね。食べましょう」
テ〜ブルに配膳される昼食、スパゲッティ〜とサラダ、コ〜ンス〜プ。
「わお〜〜スパゲッチ〜〜おいしそ〜〜」
お昼と聞いてリビングから飛んできたミサト、光速でビ〜ルを冷蔵庫から取り出すと席についた。
「「「いただきま〜す!!!」」」
もぐもぐ、ごくごく
一心不乱に食べる飲むミサト、口の周りはミ〜トソ〜スだらけである。
「シンジ君美味しい?」
この言葉アスカは毎回シンジに質問する。シンジの笑顔で美味しい事はわかるのだが聞きたくなるのが乙女心なのだろうか。
だがシンジは…
「美味しくない」
「えっ?」
アスカは驚いた、シンジは毎回『美味しい』と言ってくれるのに今日は違った。その言葉が胸にグサリと刺さり涙が滲んできた。
ぽろぽろぽろぽろ
涙が出てきた。
「美味しくないの?美味しくないの?シンジ君の好みに合わせて作ったのに…」
「わあっ美味しいよ、美味しい!」
シンジはアスカの涙に驚いた、慌てふためき訂正する。
「シンちゃん、どういう事なの美味しくないって?美味しいじゃない」
テ〜ブルにうつ伏し肩で泣くアスカ、ミサトは怒った。
「お、美味しいですよ、アスカの作るご飯が不味いわけないですよ」
「じゃあ何で美味しくないっていったの?」
「そ、それはですね。今日がエイプリルフ〜ルだからですよ。さっきアスカに騙されたからお返しをしようと思って…まさか泣くなんてごめんねアスカ」
申し訳なくぺこぺこ謝るシンジ。ミサトは理解した。
「ふ〜〜ん、そうなのでもねシンジ君、嘘でもそういう事は言っちゃダメよ」
「はい、アスカごめんね」
「ぐす…ぐす、いいのこっちこそごめんね、嘘ついちゃって」
真っ赤になった瞳、シンジはそれを見て心が痛んだ。
「うんうん、これにて一件落着ね。さあ食べましょう」
ごくごく、ごくごく
「ップハ〜〜うまい!」
ビ〜ルがすすむ。
「シンジ君、美味しい?」
「うん、美味しいよ」
「良かった」
ニッコリ微笑み合う二人、ちょっとラヴラヴフィ〜ルドが漂っている。
「サラダも美味しいよ」
「本当〜?ドレッシングに秘密があるの」
ニッコリ微笑み合う二人、凄くラヴラヴフィ〜ルドが漂っている。
「けっ」
そんなラヴラヴフィ〜ルドに飛ばされたミサトは台所の隅でビ〜ルを自棄飲みするのであった。
「はあ〜びっくりしちゃった。美味しくないって言われたときは目の前が真っ暗になったわ」
「シンちゃんのあの嘘はちょ〜〜っちきつかったわね」
「はい、ミサトさんのビ〜ルをやめるは傷つきませんでしたけど、シンジ君に言われた時はおもいっきり傷つきました」
「そ、そう私の時はなんでもないのね…」
「だって、やめると言っても三日、いいえ一日も持たないって思いましたから」
「そ、そうなの」
「はい、でも良かった美味しいって言ってくれて」
「うんうん、アスカの料理は美味しいわよ。もうお嫁に出しても恥ずかしくないわ」
「お嫁って…ミサトさん」
「おっと、ごめんなさいね。もう相手は決まっているものね」
「ええ?」
「またあ〜とぼけちゃって、シンちゃんでしょ」
「シ、シンジ君!ち、違います!」
「じゃあ誰かな〜〜?」
「…………」
「赤くなっちゃって、かっわい〜〜〜」
「もう知らない!」
嘘だとわかっていてもシンジ君の言葉は辛かった。ああ可哀想なアスカちゃん(TT)
でもその後はラヴラヴ、ミサトさんは邪魔なの?
こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
EVA CHANGING Vol.23 今日は…