EVA CHANGING
Vol.25
雨
「はあ〜〜〜」
アスカはリビングから外を眺めてため息をついた。
ザ〜〜ザ〜〜〜ザ〜〜〜
外は雨が降っている、今日で5日連続である。
「こう雨が続いたら洗濯ができないわ」
雨が降っては洗濯物が乾かない、洗濯機の横には洗っていない洗濯物が籠に山盛りに詰まれている。
「やっぱり乾燥機買ったほうがいいかな」
テ〜ブルには乾燥機のカタログが何枚も置いてある。
「でも、気に入ったものが無いし」
カタログをパラパラめくり、流すように見ていくが何度見ても気に入ったものが無い。
「ふう〜〜〜、雨がやむまで待ちましょう」
アスカはまたため息をついて外を眺めた。
ザ〜〜ザ〜〜〜ザ〜〜〜
やむ気配は無い。
「・・・・・お掃除しよ」
何もする事が無いので掃除を始める。
「ただいま〜〜〜〜」
掃除機を取ろうとした時、玄関からシンジの声が聞こえた。帰ってきたようである、アスカはシンジを出迎えるために玄関に向かった。
「お帰りなさ・・・・なっ!その格好は」
シンジの姿を見て驚いた。
「濡れてきちゃった」
シンジの全身はずぶ濡れである、髪は雨でピッタリと肌に付き、洋服からは水が滴り落ちている。
「どうして?傘は持っていたのでしょ?」
「うん、でもささなかったんだ」
「どうしてなの?」
「面倒くさくて・・・ごめん!」
シンジは申し訳なさ層に頭をかき笑った。
「風邪引くといけないわ、タオル持ってくるから」
「ごめん!」
アスカはタオルを取って来る為に部屋に走った、シンジはその後姿を見ながら両手を合わせ謝った。
「ええとタオルは・・・・」
アスカは自分のタンスからタオルを探した。
「ええと、ええと」
なかなか見つからない、洗濯をしていないから減っているのだ。
「あった!・・・これが最後・・・・」
タンスにあった最後のタオル、一瞬使おうか戸惑ったが立ちあがると玄関に向かった。
「はいこれで拭いて」
「ありがとうアスカ」
「拭いたら服も着替えてね、風邪引くと行けないから」
「うん」
「ふう〜〜」
アスカはリビングに戻る途中ため息をついた、そのため息はシンジには聞こえていない。
「やっぱり買ったほうが良いかな」
再びカタログを開く、気に入ったものが無いが妥協して買うしかないのだろうか?
「アスカ〜〜濡れた服は籠に入れておくね」
「あっ、うん・・・」
また洗濯物が増えた、アスカの返事が重い。
「アスカどうしたの?元気が無いよ」
リビングにやって来たシンジはアスカの雰囲気に気が付いた。
「ううん、なんでも無い」
「そう元気が無いように見えるよ」
「大丈夫、ありがとう」
ニッコリ微笑むが多少影が見える。
「そうなの、何かあったら僕に言ってよ力になるから。それとねプレゼントがあるんだ」
「プレゼント?」
「うん、もうすぐ来るはずだよ」
「?」
シンジの言葉の意味がわからなかった。
ピ〜ンポ〜ン
「来たかな?」
シンジは玄関に向かった、アスカもわけがわからず付いて行く。
玄関には宅配員がいて大きなダンボ〜ルを持ってきている。
「こっちに運んでください」
シンジは宅配員を洗面台に案内した。
「シンジ君、何なの?」
「それは後からのお楽しみ、リビングで待っていて」
「うん・・・」
アスカはシンジに言われるままリビングに待機した。
数10分して宅配員が帰って行った、シンジはリビングに行きアスカを呼んだ。
「アスカ〜〜いいよ」
「うん」
二人は洗面台に向かった。
「これがプレゼントだよ」
「わあ〜〜〜」
アスカが見たものは乾燥機であった、それも今まで見たカタログに載っていない型。
「アスカ、乾燥機が欲しかったんでしょ」
「どうしてそれを?」
「毎日カタログを見ていればわかるよ」
「あっ」
確かに毎日暇なときがあれば見ていた、鈍感のシンジでさえわかる。
「なかなか買わないから気に入ったものが無いと思ったんだ、これは最新型だし気に入ると思うよ」
「うん」
乾燥機としては流線型にデザイン重視、カラ〜はアスカお気に入りに赤、最新型で機能は万全。
「これで毎日洗濯ができるよ」
「ありがとうシンジ君、嬉しい」
アスカは微笑んだ、気に入ったようだ。
「これで雨を気にせずに洗濯できるよ」
「うん、始めるわね」
アスカは早速洗濯機に洗濯物を入れ、乾燥機の説明書を読み始めた。これで乾燥機のカタログは必要無くなった。
「シンちゃん・・・・」
「?ミサトさんどうしたの」
「シンちゃん凄いわね」
「シンジ君が凄いんですか?」
「だってプレゼントに乾燥機よ、普通プレゼントしないわよ」
「そうかしら、アタシは嬉しかったですよ」
「そりゃあ嬉しいと思うけど、プレゼントって言わないわよ」
「でもシンジ君がくれたからプレゼントと思いますけど」
「ふ〜〜〜ん、あっ!そうか流石シンちゃんね」
「シンジ君が流石なんですか?」
「そうよん、洗濯機をプレゼントしたって事は・・・・・」
「事は?」
「僕のパンツを洗ってくれって事でしょ、つまり結婚してくれって事なのよ」
「ええっ!!!!!」
「シンちゃんもなかなかやるわねえ〜〜、洗濯機でプロポ〜ズ新しい告白の仕方ね」
「ち、ちちちちちちちち違いますよ!シンジ君はアタシが困っているのを見てプレゼントしてくれたんです」
「な〜〜に真っ赤になって否定しているのよ、困っているからプレゼントしたんでしょ、これは立派なプロポ〜ズよ」
ボンッ!!(*・・*)
「あらら、湯気を出して純情ね〜〜結婚式の段取りはこのプリチィ〜お姉さんにまっかせなさい!」
「あ、あの洗濯機ってプロポ〜ズだったの?・・・・ぽっ」
「式場はネルフの広間を借りればタダだし、その浮いた分のお金をビ〜ルにフフフフ〜〜」
連日の雨で洗濯できないアスカちゃん、憂鬱です。
それに気づいたシンジ君はプレゼント(洗濯機)それってプレゼントって言うのでしょうか?
気に入ったのならプレゼントですね(^^)
こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
EVA CHANGING Vol.25 雨