EVA CHANGING
Vol.28
リツコお母さん
「レイさん!」
アスカは驚いた、冷凍ハンバ〜グを取ったのはレイだったからだ。
「アスカも来ていたの」
「え、ええ」
「綾波もここで買っているの?」
「珍しいわね〜〜レイが買い物するなんて」
レイに今気づいた二人であった。
「お母さんと一緒に来ているの」
コツンッ!
「痛い!」
レイの頭に痛みが走った。
「だれがお母さんよ、お姉さんでしょ」
「リツコ!」
「「リツコさん!」」
リツコの登場に驚く三人、いいや驚いたのは『お姉さん』の部分だろう。
「お母さんってリツコの事だったの、本当に二人って親娘に見えるわね〜〜」
ミサトは正直な感想を述べた、その瞬間リツコの顔が強張りミサトのこめかみに痛みが走る。
グリグリグリグリ〜〜〜
「い、いたたたたたたたたたっ」
「ミサト〜〜〜親娘は間違いじゃなくて?」
リツコの声が引くい、グリグリする手に力がこもる。
「痛い痛い!親娘のどこが違うのよ?十分似合っているわよ」
グリグリグリグリ〜〜〜!!
更に力が強まる。
「い、いたたたたたたたたたっ」
「親娘じゃなくて姉妹よね?姉妹!」
「いたたた、姉妹ね、姉妹に見えるわよ」
本心は違うだろう、しかし痛みに耐えきれずリツコの言葉に同意する。
「やっぱり〜?ミサトもそう見える、これだけ若いんじゃ当然かしら」
妙に浮かれきっているリツコであった。
「綾波も大変だね」
「慣れたから大丈夫」
シンジはそんなリツコにいつも付きまとわれている?レイの苦労に同情した。
「レイ、選んだの?」
「うん」
先ほど取った冷凍ハンバ〜グをカゴに入れる。
「あっ・・・・・」
アスカは取り損ねた冷凍ハンバ〜グを惜しそうにため息をついた、売り場にはすでに無く最後の一つであったからだ。
「・・・・アスカ、はい」
レイはそんなアスカの胸中を察したのかカゴから取るとアスカのカゴに入れた。
「レイさん、良いの?」
「うん、アスカ悲しそうだから」
「でもレイさんが先に取ったのに・・・・」
「私は良いの三人目だから」
「えっ?」
レイの言葉に?マ〜クを浮べる。
「ただ言ってみたいだけ、お約束の台詞みたいなものなの」
「そ、そうなの、レイさんありがとう」
レイのギャク?に苦笑いをしながら礼を言った。
ガバッ!
「偉い!偉いわよレイ〜〜〜〜、流石は私の妹だわ〜〜!」
レイの行動に心打たれたリツコは抱きしめ頬擦りをし始めた、その顔はまるで母親のように慈愛に満ちている。
すりすりすりすり〜〜!
「譲るなんて普通じゃできないわ、これも私の育て方が正しかったのね」
トリップしながら頬擦り、普通誉められたら嬉しいのだが事あるごとに頬擦りするので慣れている、しかし苦しそうだ。
すりすりすりすり〜〜!
「く、苦しい・・・・・」
そしてレイは天国へ・・・・行かない。ちょっと酸欠状態になった。
「あらあら、ごめんなさいね〜」
謝るが悪気があったとは思っていない、むしろもっと頬擦りをしたいと思っている。
「リツコさんって母親って感じがするね」
「ええ、レイさんを溺愛しているわね」
リツコに聞こえないように呟き合うシンジとアスカ、二人の姿を見て少なからず羨ましいと思った。
「じゃあ私達は行くからネルフでね」
リツコはまだフラフラしているレイの手を引きレジへ向かった行った。三人はリツコの母親パワ〜に圧倒され呆然と手を振り見送った。
「リツコって本当に変わったわね」
「そうですね、レイさん幸せそう」
「そ、そうかな?綾波迷惑そうな感じがするんだけど・・・」
嵐のように来て去ったリツコに暫し買物を忘れる三人であった。
「良かった〜ハンバ〜グが買えてレイさんありがとう」
「お礼は良いわよ、当然の事をしたまでだから」
「・・・・レイさん、良いって言っているのにその手は何ですか・・・・」
「お礼は良いの・・・・アイスが食べたいの」
「・・・わかりました、はいアイス」
「ありがとう、さよなら」
「ああっもう帰っちゃうの?」
「もう用は無いから・・・・」
「そんな、もう少し居ません?」
「ダメ、碇クンが呼んでいる」
「呼んでいるってシンジ君は家に居ますけど・・・」
「言ってみたかっただけだから」
「そ、そう・・・・それにしてもレイさんってお肉食べれたんですか?」
「どうして?」
「だってハンバ〜グを取ったから」
「少しは食べられるの」
「そうだったの今度家に来てください、ごちそうするから」
「わかったわ、お母さんと一緒に行くから」
「待っているわね、それにしてもリツコさんがお母さんで良いわね」
「どうして?」
「だって優しいし頭良いし、レイさんが羨ましいわ」
「でもお姉さんって言わないと改造されるの、それでも良いと思う?」
「そ、それはイヤですね」
「そう、どうせなら碇クンがお父さんに・・・・お婿さんに・・・ぽっ」
「ダメ!それはダメです」
「どうして?」
「どうしてって、レイさんはまだ14歳でしょ。まだ早すぎます!それにシンジ君は・・・ぽっ」
「アスカ顔が赤いわよ」
「な、何でもありません、さよなら!」
「そう、さよなら・・・・」
リツコお母さんの登場です。でもこのリツコさんは『お姉さん』と呼ばないと改造されます(笑)
こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
Vol.27 主婦アスカ Vol.29 僕はいらない子供なんだ
EVA CHANGING Vol.28 リツコお母さん