EVA CHANGING
Vol.34
BAD MORNING
「・・・・知ってる天井だ・・・いたたた」
朝、シンジは自室で目覚めた。上半身を起こそうとするが背中に痛みが走りなかなか起き上がれない。
「あれ〜〜〜?どうして背中が痛いんだろう」
力を振絞り上半身を起こすとユックリと右手を背中に回し痛むところをさすった。
「いつの間に寝ていたのかな?確か昨日はご飯を食べてからTVを見て・・・・そこから記憶が無いや」
一生懸命思い出そうとしても思い出せない、昨日の夕食後から今朝起きるまでの記憶がスッポリと抜けていた。
「その内思い出すと思うから良いや、今は何時かな?」
すぐに思い出さない事だから重要ではないと思った、時間を確認する為に痛い体を動かし時計を見た。
「6:40か起きようかな」
本当はもう少し寝ていても良いのだが二度寝をするにも半端な時間なので起きる事にした。顔を洗う為にユックリと体を動かし洗面所に向かう。
「いたたたたた、アスカおはよう」
台所ではアスカが朝食の準備をしており、毎朝の日課である挨拶をするが・・・・
キッ!
振り向くアスカから返事は無く、シンジをまるで不潔な物のように睨んだ。
「な、なんだい?」
アスカの殺気がある睨みに思わず体が震えるシンジ。
「フンッ!」
顔を再びまな板に向けると、包丁でまな板まで切ってしまいそうな力でタクアンを切っていく。
(どうしたんだろう?機嫌が悪いなあ、あの日かな?)
シンジはそんなアスカを見て女の子が月一で来るあの日だと思いながら洗面所に向かった。
「はあ〜〜今日も快便快調♪」
丁度トイレから出てきたミサト、出すもの出してスッキリしご満悦である。
「ミサトさんおはようございます」
「シンちゃん、おはよう〜♪」
「ミサトさん、アスカ機嫌が悪いみたいですけどどうしたんでしょうね?」
『あの日』とは言わない、ミサトに言ったらからかわれるからだ。
「シンちゃん、覚えてないの?」
「?何をですか」
「あちゃあ〜〜覚えてないの」
ミサトは大げさに手を顔に当て困った顔をするが、内心は喜んでいるようだ。
「僕が何かしたんですか、昨日の夜から記憶が無いんです」
シンジは焦った、記憶が無くてアスカが怒っておりミサトが知っているようだ不安になってくる。
「気にする事ないわよん、ご飯食べましょう♪」
「き、気になりますよ」
「大丈夫大丈夫」
ミサトが何を言おうとも気になるシンジ、背中を押されて台所に向かった。
「アスカ〜〜おっは〜〜〜〜」
両手を顔の前で広げ笑顔で挨拶。
「おはようございます」
シンジの時とは違い、普通に挨拶するアスカ。
「シンちゃんも挨拶よ、はいおっは〜〜〜」
「えっ?あっはい、ア、アスカおっは〜〜〜」
ミサトに急かされぎこちなく挨拶をするが・・・・
プイッ!
無視され料理を続ける。シンジは弱弱しく肩を落すとミサトを見た。
「・・・ミサトさん〜〜〜」
「ありゃあ〜〜これはこれは」
「ご飯出来ました」
2人をよそにアスカは黙々と朝食をテ〜ブルに並べ始めるが一つ違うところがあった。
「クエクエクエ〜〜」
「あっ!ペンペンそこは僕の椅子だよ」
ペンペンがいつもシンジが座っている椅子に座ったからである。
「はいペンペン」
「クエ〜〜〜」
アスカは当然のようにペンペンの朝ご飯をテ〜ブルに置いた、そしてシンジのは・・・
「・・・・・」
「えっ?〜〜〜〜ここって」
シンジの朝ご飯が置かれた場所はいつもペンペンが食べている所であった、つまり床に直に置かれたのである。
「アスカ!酷いよどうしてこんな事するの?」
ここまでされては当然怒るのが常識だろう、以前の性格のアスカには怒ったら逆ギレされて沈黙していたが、現在のアスカはそんな事が無いので少し強めに怒ったが・・・
バッチ〜〜〜ン!!
「はうっ!〜〜〜〜」
強烈なピンタが右頬を襲った、体は飛ばなかったが脳が揺れ片膝をついた。
「なっアスカ!・・・・」
痛みが走る右頬を押さえ怒鳴ろうと思いアスカを見たら言葉が出なくなった。
(な、泣いている?)
アスカの瞳から一雫の涙が流れていた。
「どうして?シンジ君どうして平気でいられるの?」
「な、何の事?」
シンジはアスカが無く意味がわからない。
「そうやってとぼけてしらを切るつもり?見たいなら見たいって言えば良いのに・・・」
怒っているが言葉の後半で頬が赤くなり言葉の大きさも小さくなっていく、当然その意味を知っているミサトは声を殺しながら笑っていた。
(わおっ〜〜〜アスカ大胆〜許可があれば見て良いのね)
「な、何を見るんだよ〜〜」
「またとぼけて、シンジ君なんて大キライ〜〜!!」
カア〜と頬が赤くなり力を振り絞って大きな声をぶつけた。
「はうっ〜〜〜!!」
シンジは飛んだ、昨日と同じように壁にめり込んで気絶するのであった。
「あら〜〜シンちゃん大丈夫かしら?」
「知りません!」
ミサトの心配?も耳に貸さずに黙々と食べるアスカであった。
「シンちゃんがシンちゃんが〜〜〜〜!」
「知りません!トボケル人は嫌いです」
「シンちゃんて不死身かも」
「?」
「だってアスカにピンタされても壁にめり込んでも生きているのよ、こりゃあ不死身ね」
「アタシのピンタはそんなに凄くありません!」
「凄いわよ〜〜だってアスカのピンタは使徒をも倒すからね」
「ミサトさん〜〜〜」
「じょ、冗談よ冗談」
「今のは本気にしか聞こえませんでしたけど」
「や〜〜ね〜〜〜本気にしちゃ駄目よん、見たいからアスカの・・・」
「な、何をですか?」
「や〜〜ね〜〜〜本編でも言っているじゃない、大胆すぎるわよ」
「あ、あれはなんていうか・・その言葉のアヤで・・・」
「ほほう〜〜言葉のアヤでスンゴイ言葉がでるの〜〜お姉さんにはマネできないわ」
「・・・・か、帰ります」
「帰ってシンちゃんに見せるのね♪」
「違います!」
シンジ君にとっては最悪の朝ですね、昨日気絶したのにまた気絶、体は大丈夫なのでしょうか?
アスカちゃんは当然怒っていますけど、ちょっと凄い発言だ(許可があれば見て良い?)
こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
EVA CHANGING Vol.34 BAD MORNING