EVA CHANGING
Vol.36
委員長立つ
シンジが夢の世界を漂っている最中、アスカは一人学校に向かっていた。
(もうっ、どうしてシンジ君ってバカでスケベなのかしら)
(覗くなんて最低)
(謝ったって許してあげないんだから)
昨日と今朝のシンジの態度にご立腹、性格が変わってこんなに怒ってるのは初めてであろう。
「アスカ〜おはよう〜」
背中から聞き覚えのある声、振り向いてみるとヒカリが走ってきた。
「おはよう」
「あれ?碇クンと一緒じゃないの?」
ヒカリはシンジがいないのに気がついた、出会うといつもシンジと一緒にいるので不思議に思った。
「シンジ君・・・・知らないっ!」
聞かれ一瞬戸惑ったがシンジの顔を思い出し語尾が半音高くなった。
「喧嘩でもしたの?」
アスカの表情と声の感情から二人の仲に何か危機があったことを見抜くヒカリ。
「し、してないわよ」
「うそでしょ」
「う、うそじゃないわよ。は、早く行かないと遅刻しちゃう」
「ゆっくり歩いてもまだ間に合うわよ、碇君と喧嘩したんでしょう」
「そ、それは・・・・」
ヒカリの迫力あるドアップに思わず身を引き顔をそむけ目をそらす。
「仲ガ良かったのにどうして?」
「・・・・・・」
何も言えなくなり俯く、いや言えないのだ。
(言えないわ・・・・お風呂を覗かれたなんて、もしヒカリが知ったら・・・・)
アスカの想像通りヒカリが知ったらこの場で『不潔!不潔よ〜〜』と大声で連呼し頬を赤らめながらイヤンイヤンが止まらないだろう、そして2人の危ない妄想に走るだろう。
「言えないの?」
「・・・・うん、ごめんね」
ヒカリはちょっと残念であった、委員長の責任感から喧嘩した訳を知って二人を仲直りさせてやりたいと思ったからである。
「わかったわ、理由は聞かないわ。でも早く仲直りしてね」
「・・・・・・・」
『うん』と言葉が出なかった、シンジが謝ってきても許す気が無かったからである。
「行きましょう」
「うん・・・・」
俯いて歩くアスカ、その表情は寂しげで今にも泣き出しそうである。横目に見ながらヒカリは思った。
(アスカ、元気ないわ・・・まったく碇君は、アスカを悲しませるなんて学校に来たら問い詰めてやらないと)
ヒカリの中でシンジはすでに悪者になっている。
「アスカ!元気を出して、この私に任せなさい!」
胸をドンと叩き委員長としての正義感?に燃えるヒカリであった。
「う、うん・・・」
しかしアスカはそんなヒカリが暴走しないか心配であった。
(もし喋らなかったら腕の一本や二本覚悟してもらわないとね)
恐ろしい事を考えるヒカリ、果たしてシンジは大丈夫なのであろうか。
「洞木さんって結構過激なのね」
「はい、妙に正義感があるんですよ、委員長としての責任があるというかお節介というか」
「多分後者の方ね、でも言っちゃえば良かったのにスッキリするわよ」
「いやですよ、ヒカリに知れたらどうなるかミサトさん知っているでしょ」
「知らないわよん♪」
「もう知っているくせに、この前も凄かったんですよ」
「へえ〜何々?」
「教室で不潔〜〜〜って叫んだら窓ガラスにヒビが入ったんですよ」
「ふ〜〜ん、凄いわね兵器として利用できないかしら?」
「・・・・できるわけが・・・・・できるかも」
「でしょう、リツコに言ってこよう〜〜っと」
委員長ヒカリちゃん、ついに起動(笑)シンジ君は大丈夫なのか?
委員長の特権を利用してシンジ君を拷問にかけるんでしょうね(爆)
こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
EVA CHANGING Vol.36 委員長立つ