EVA CHANGING

Vol.39

レイの手紙

(・・・・・・・)

 家を出て行く決意を固めたシンジ、握った拳をジッと見つめ続けている。

(・・・・・1時間目が終わったら帰ろう)

 今日一日、学校に居るのは耐えられない、早引きして荷物をまとめる事を考えた。

(・・・・・アスカに謝ってから・・・・)

 ショックを受けたメ〜ルを貰ったが、謝らないのは心に靄が掛かってスッキリしない。

(さよなら・・・・・)

 シンジの瞳にはアスカから送られてきたメ〜ルが歪んで見えた。

「・・・・・・・・」

 二人のやり取りとハッキングして見ていたレイ、小さく息をはくとキ〜を打ち始めた。

 カタカタ・・・カタカタ・・・・

 打ち終えると文章を読みなおし間違いがないか確認し送信ボタンを押した。

 ピッ!

 

 

 ピッ!

 アスカの端末にメ〜ル受信の合図。

・・・・・・

 ウンザリしていた、差出人を確認する事無く削除しようとしたが・・・・

 ピッピ!

 画面に新たなウインド〜が開き文字が現れた。

 

『差出人:綾波レイ』

 

レイさん?

 驚いた、レイのメ〜ルである。いつもはアスカから送らないとメ〜ルが来ないのだが、初めてレイからメ〜ルが送られてきたのである。

何かしら?

 メ〜ルを開き読んでみる。

 

『碇クンに話は聞いたわ、それに今のメ〜ル読まないとダメ』

『頭ごなしになってはいけないわ』

『アスカの気持ちはわかるけど碇クンの気持ちもわかってあげて』

『読んで気持ちをわかってあげて、そうしないと後悔するわ』

 

・・・・・・・

 メ〜ルには文章ファイルが添付されていた、先ほどのシンジのメ〜ルである。

・・・・・・・

 再び削除しようとするが、レイのメ〜ルを思いだし読んでみる。

 

『アスカ、ごめん。昨日はどうかしてた、僕が僕で無かった』

『あれは僕じゃ無いんだ、でもこれじゃあ言い訳にしかならないね』

『許してもらわなくても良いから謝りたい』

『1時間目が終わったら屋上に来てほしい』

 

・・・・・・・

 カタカタ・・・カタカタ・・・・

 読み終えたアスカはチラリとシンジの背中を見るとユックリとキ〜を打ち送信ボタンを押した。

 ピッ!

 

 ピッ!

(あっ!)

 シンジの端末に受信の合図、期待は無いが急いで確認する。

 

『差出人:惣流・アスカ・ラングレ〜』

 

(アスカッ!)

 先ほどのメ〜ルでショックを受けたが嬉しかった、急いで中身を確認する。

 

『さっきはごめんなさい、メ〜ル読みました』

『終わったら屋上で』

 

(アスカ・・・)

 読み終えると振り向いてアスカの方を見た、向こうもこちらを見ている。

 コクン

 アスカはシンジの顔を見ないで頷いた。しかしそれでもシンジは嬉しかった、謝ることができるのだから。

 

 

 

 

(良かった・・・・)

 二人のやり取りを見ていたレイは端末を閉じると机にうつ伏し寝息を始めた。

(すうすう、すうすう・・・ライバルがいる方が燃えるから・・・すうすう、すうすう)


わお〜〜レイ〜なかなか憎い演出ね」

「・・・・間違ったかしら?そのまま碇クンを奪えば良かったかも・・・」

「それでも良かったんじゃない?でもそれじゃあここがLRSになって面白くなくなっちゃうわよ」

「面白くなくても良いわ、碇クンとなら面白くなくても平気・・・ぽっ」

「シンちゃんとならご飯何杯でもいけるでしょ」

「イけるって・・・・ぽっ、葛城三佐恥ずかしいわ・・・・ぽっ」

「をいをい、何想像してんのよ。見当はつくけど」

「二人だけのお家で碇クンと・・・ぽっ」

「レ〜イ」

「一日中一緒にいるの・・・ぽっ」

「レイちゃ〜〜ん」

「ぽっぽっぽ」

「別の世界へ行っちゃった」

 なんと!レイちゃんが二人の仲介役を買って出ました、これで仲直りできれば良いですね。でもシンジ君は家を出る決意をしてしまっている。

 アスカちゃんは許してくれるのか?

 こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


Vol.38 届かない手紙 Vol.40 別れ

EVA CHANGING Vol.39 レイの手紙