EVA CHANGING

Vol.4

レイ、驚く

「ふあ〜ああ・・・・」

 朝、シンジは着替えを済ませ、朝食を用意するために部屋を出る。すると台所からリズミカルな包丁の音と味噌汁のいい匂いがしてきた。

「あれ?」

 疑問に思いながら台所に行ってみると、そこにはエプロンをつけたアスカが味噌汁を味見していた。

「アスカ?」

シンジ君、おはようございます」 (ニコ

「おっおはよう」

 可愛い笑顔とエプロンがマッチしていてシンジは照れてしまった。

ゆっくり寝ていてくださればいいのに

 普段なら絶対に出ない言葉にシンジは涙があふれそうになった。

(なんて優しいんだ)

「よかったら手伝うよ」

簡単ですから新聞でも読んでいてください

 ジ〜ン!

 また感動して喜びに打ち震えていた。そして新聞を読みながらアスカの後姿を眺めていた。

(・・・何かいいよな)

 

 

「ふあああ」

 少しするとミサトがあくびをしながら、やって来た。

「おはよう」

おはようございます

「おはようございます」

 ミサトは2人の格好が新婚の様に見えからかいを始めた。

「あら〜2人とも新婚さんみたいよ」

「ミッミサトさん」

「もうミサトさんたら」

 2人は真っ赤になりシンジは新聞で顔を隠してしまう、ミサトはその姿が可愛くなり微笑んだ。アスカは真っ赤になりながら嬉しそうで包丁を動かしていた。

イタッ!

 アスカが突然悲鳴を上げた、指を切ったようだ。

「アスカ!指を見せて」

はっはい

 シンジは指の傷を確かめていた、アスカは握られていることにうつむいて真っ赤になっていた。

「だいじょうぶだよ、傷は深くないから一応消毒をしとくね」

はい・・・・

 消毒をしてバンソウコウを指に巻きつける、その間アスカはドキドキしながら治療を見ていた。

「これでよし」

シッシンジ君・・ありがとう

 これでもかというくらいに、真っ赤になり治療を終えた指を眺めていた。その姿をミサトは瞳が光り口が開きだす。

「アスカ〜シンちゃんに治療してもらって嬉しいのはわかるけど、お腹ペコペコよ」

ハッ!・・・はい今用意します

 我にかえると急いで配膳をした。

 テ〜ブルにはシンジがいつも作っているのと見栄えが変わらない、見事な料理がならんだ。

「へ〜なかなかおいしそうじゃない。どれどれ、パク」

 ミサトはいい具合に焼けたししゃもを口に運んだ。

「ん!おいしいわよアスカ、上出来よ」

 別にミサトに上出来と言われても嬉しくないのだが、アスカは満足して喜んだ。

よかった、シンジ君も食べてください

「うん、いただきます」

 ゴク!

 味噌汁を口に運ぶ、一口飲んだところで動きが止まった。

(こっこれは・・・・絶妙の味噌の分量、赤と白の合わせ!ダシは・・・・昆布ににぼし!これはどうだ、ワカメに計算され切られた一口大の豆腐!・・・・いつの間に)

 料理評論家シンジの動きが止まったことにアスカは不安になっていた。

あの・・・シンジ君、お口に合わなかったのかしら・・・・

「ハッ!・・とんでもない、おいしいよアスカ!」

ふふ、よかった

 おぼんを両手に持ち喜んだ、その姿にシンジは照れてしまう。

(かっ可愛いな・・・・)

 そこに口を挟まないミサトではない、2人をからかう。

「よかったわねアスカ、これでシンジ君のお嫁さんもバッチリ確保したわね」

「ミッミサトさん、んもう・・・」 (ポワァ)

「・・・・・・・」

 アスカは両手で顔を隠し、首を振って恥ずかしがっていたが否定をしなかった。シンジも真っ赤になり固まっていた。

(よしよし、青春ね)

 ミサトのビ〜ルはすすんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして登校、変身して始めてである。シンジは両手で鞄を持って歩いているアスカをチラチラ盗み見ながら歩いていた。

(・・・・・)

どうしました?

「いっいや別に・・・」

 気づかれドキドキ緊張して、ソッポを向いてしまう。

 テクテクテク・・・・

「あっ綾波だ」

 2人はレイの後姿を見ると走って追いかけた。

「綾波〜おはよう」

「碇クン、おほよう・・・」

レイさん、おはよう

「アスカ、おはよ?・・・・・」

 レイは一瞬、耳を疑ったいつもならファ〜ストと言ってくるのに、今日は名前それもさん付け。

「アスカ、どうしたの?・・・・」

どうしました?

 今度は耳と瞳を疑った。言葉遣いが変わっており、しぐさまでもが上品になっているのがわかった。

(・・・アスカ、弐号機パイロット、赤毛猿、乱暴、野蛮・・・・・夢ね)

「碇クン、おやすみなさい・・・」

「あ綾波、どこ行くんだよ?」

「夢・・・帰って眠るの・・・」

 レイは今を夢と思いこんで、今来た道を引き返そうとした。

「はあ?何寝ぼけているんだよ」

「でも、アスカが変・・・おやすみなさい」

レイさん、ヒドイ!私は変じゃありません

 アスカは肩を振るわせると、瞳に涙を貯めた。

「そうだよ綾波!アスカは変じゃないんだよ」

(・・・・・碇クン、アスカをかばっている・・・・夢?・・・違う、現実・・・・)

「本当にアスカ?」

はい

「わかったわ、おやすみなさい・・・・」

 レイはそのまま家に帰ろうとした。

だから違うって!


「こんにちは、アスカです。今回はいかがでしたが?感想お待ちしています」

「アスカ、良かったわね。シンジ君に治療で手を握ってもらえて」

「ミッミサトさん (ポワァ〜)」

「フフ、可愛いわよ」

「もっもう!向こうに行っていてください」

「はいはい、それじゃあお姉さんは退場しましょう。みんなまたね〜」

「ふう〜 (でもシンジ君が治療してくれた)」

「グウグウ・・・グウグウ・・・・」

「レイさん、寝ないでください!」

「グウグウ・・・アスカ・・・・」

「もう、後書きなんですよ」

「そう・・・・グウグウ」

「レイさん!」

「問題無いわ・・・・グウグウ」

「・・・・・」

 いつの間にアスカは料理が上手になったのでしょうか?多分シンジの作っているのを見ていたんでしょうね(笑)

 こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


Vol.3 ミサト、驚く Vol.5 みんな、驚く

EVA CHANGING Vol.4 レイ、驚く