EVA CHANGING
Vol.47
果報は寝て待て
「あ〜〜〜美味しかった♪」
満腹になりお腹をさすり爪楊枝を歯に刺すミサト、花の独身がおやぢ化している。
「満足しました?」
「満足よ、大満足、ゲップ〜〜〜ゥ」
「もうはしたないですよ」
アスカはお茶を入れながらミサトのおやぢ化に呆れた。
「さあてと」
「何をするんですか?」
「昼寝よ」
「・・・・ひ、昼寝ですか。そんな暇があったらシンジ君を探しに行きましょう」
「探すってどこを探すの?へたに探すより待っていた方が良いわよ、昔から言うでしょ果報は寝て待てってね」
ミサトの言う事は一理ある。闇雲に探しても見つからないしミサトとアスカのニ人でシンジを探すのは不可能に近い。
「で、でも・・・」
「大丈夫、大丈夫〜〜、諜報部に任せておけば絶対に見つけてくれるわよ。さあ寝ましょうね」
「きゃっ」
ミサトはアスカの腕を引っ張るとリビングに寝転がった。
「たまにはこうして二人で寝るのも良いわね」
「・・・はい、ミサトさんの手を握っていると安心します」
「待ちましょう、待っていればきっと良い報告があるはずよ」
アスカの頭を優しく撫で、ニッコリ微笑んで安心させる。
「・・・なんだかミサトさんが本当のお姉さんのような気がします」
「ふふ、嬉しい事言ってくれるわね〜〜私もアスカが本当の妹だったら良いわ」
「・・・私一人っ子だったからずっと姉妹に憧れていたんです」
「私も憧れていたわ、友達は姉妹がいて羨ましかったわ。それでいつも両親を困らせていたの弟か妹が欲しいって」
ミサトは天井を見つめ遠い昔の事を思い出した、セカンドインパクト前の幼き日の生活を。
「今はシンちゃんやアスカ、可愛い弟妹ができて幸せよ」
「アタシも幸せです、この生活をずっと続けたいのに・・・」
アスカは唇を噛み握る手に力がこもる。
「もう自分を責めないの、そんなのアスカらしくないわよ。そんなアスカをシンちゃんは見たくないと思うわ、だからもう忘れなさい」
「・・・はい」
「よろしい、ふあああ〜〜〜眠くなっちゃったわ。寝ましょう、寝て起きたらきっと良い事が起こるわよ」
「はい」
二人は瞳を閉じると吉報を信じ眠りについた。
「・・・・ん、んんっ」
何時間経っただろうか、アスカは目を覚ました。ミサトは隣でまだイビキをかいて寝ている。
「何時かな?」
時計を見ると午後六時半を回っている、窓から見える空は夕焼け雲が広がっていた。
「大変!もうこんな時間、早く夕食の準備をしないと」
「う〜〜ん、もう飲めないわよ、ごくごく」
寝言である、ミサトにとっては極楽の夢であろう。
「ふふ、ミサトさんたら」
だらしない姉であるが頼れる姉でもある。自室からタオルケットを持ってくると風邪を引かないようにかけた。
「さあてお料理お料理」
腕まくりをし台所に向かう。
カチャッ
「玄関?」
エプロンを身に着けているとき玄関から微かに開く音が聞こえた。
「葛城三佐がお姉さん?お姉さん?お姉さん?・・・おばさん、納得」
「くぉうら!おばさんで納得するんじゃないの!」
「すごく納得」
「だから、納得するんじゃないの!」
「超納得」
「超を付けるな超を」
「ならなんて言えばいいの?」
「お姉さんよ、お姉さん」
「・・・お姉さんと呼ばれるもの後わずか」
「どうしてよ?」
「だってもうすぐ大台だから」
「大台なんかにならないわよ。なんたって私は永遠の十八歳なんだからね」
「・・・・・さよなら」
ミサトさん、優しいなあ〜〜アスカちゃん安心。
そして玄関には・・・?
こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
EVA CHANGING Vol.47 果報は寝て待て