EVA CHANGING

Vol.52

COUNT DOWN 1

「ミサトさ〜〜ん、用意できました?」

「ん〜〜ちょっち待って〜〜」

 シンジはミサトの部屋の前で呼びかけた、どこかに出かけるようだ。

「早くしてくださいね〜」

「お待たせ〜〜〜」

 数秒もしないうちに襖が開いた、ミサトの格好はTシャツにGパンと外に出て恥ずかしくない格好である。

「それじゃあ行きましょうか」

「そうね」

 二人はミサトの愛車、ルノ〜・アルピ〜ヌに乗るために駐車場に向かった。

「安全運転してくださいね」

「わ〜〜〜ってるって絶対に事故は起こさないから」

「ちょっと不安です」

 シンジはシ〜トベルトを閉めたのを何度も確認する、それほとミサトの運転が恐い。

「じゃあ行くわよ〜〜」

 けたたましくエンジン音が響き車は発進する。

ぎょええええええ〜〜〜!!

 発進して駐車場から出た直後にシンジは絶叫を上げた、車はすぐにトップスピ〜ドにのりシンジの体はGでシ〜トに押しつけられる。

「ミ、ミミミミサトさんんんんん、ああ、あああ安全運転してくださいぃぃぃ」

「ん〜〜なんか言った〜〜」

 エンジン音と運転に夢中でミサトの耳に言葉は届いていない。

「五分で到着するわよ〜〜〜」

「む、無理だぁ〜〜〜安全運転って言ったのに〜〜〜〜」

 車は更にスピ〜ドを増し目的地目掛けて爆走した。

 

 

 

「到着〜〜〜」

 車はデパ〜トの駐車場に入った。

「ミ、ミサトさん、安全運転って言ったでしょう」

 ずっとGを体に受け続け呼吸困難に陥った、駐車場に止まりようやく空気が吸える。

「ちゃんと安全運転したわよ、事故らなかったでしょ♪」

「・・・意味が違う」

 シンジはこの時思った、帰りは電車で帰ろうと。二人は店内に入ると目的地が決まっているのか、その階を目指してエスカレ〜タ〜に向かった。

「シンちゃんは何買うの?」

「時計です」

「へえ〜時計、スウォッチ?」

「いいえ、アニエス・bです」

「へえ〜アニエス・b、ブランドものじゃない」

 シンジの口からでたメ〜カに驚いた、アニエス・bは女性に人気のブランド、男のシンジから口に出る事はまずない。

「委員長に聞いたんですよ、アスカがアニエス・bの時計を欲しがっているって」

「ほお〜しっかりリサ〜チしているわね」

「ええ、アスカの誕生日プレゼントですから喜ぶものでないと」

 明日はアスカの誕生日、シンジは明日の為に一週間前からアスカの欲しそうなものを探していたが、なかなか見つからなかった。そこでアスカの親友ヒカリに聞いたところすぐに答えが返ってきたのである。

「結構値が張るわよ」

「大丈夫ですよ、バッチリ下ろしてきましたから」

 ポンとお尻のポケットを叩いた、そこには財布が入っている。

「うひゃ〜〜最近の子供はお金持ちね〜」

「ミサトさんは何を買うんですか?」

「私は財布、ヴィトンの財布よ」

「へえ〜ヴィトンですか、アスカ喜びますよ」

 ヴィトンは有名、男のシンジでも知っている。

 

 

 

「さあてどれが良いかな?」

 時計売り場、種類が多くあり色々なデザインがケ〜スに陳列している。

「シンちゃん、これなんか良いんじゃない?」

「本当ですね、シンプルだけどデザインが良いですね」

 ミサトが指差した時計は黒地の文字盤に大きく白字でbの文字が書かれており、シルバ〜の円形のフレ〜ムでアナログ、黒皮ベルトである。

「これにするの?」

「どうしようかな・・・・こっちが良いかな」

 シンジが指差した時計は先ほどの時計と同じ種類であるが、こちらは白地の文字盤に大きく黒字でbの文字が書かれており、フレ〜ムはつや消しシルバ〜であった。

「そうね、シンちゃんが良いんなら良いんじゃないの?」

「アスカ、喜びますかね?」

「喜ぶわよ〜〜愛しのシンちゃんが買ったものは何でも喜ぶわよ」

「ミ、ミサトさん」

 思わず頬が赤くなった。が思った。

(これにしよう)

 シンジ、アニエス・bの時計お買い上げ。

 

 

 

 その後、ミサトもプレゼントを買い休憩をする為にレストランに入った。

「ふ〜〜美味しい〜〜」

 シンジはコ〜ヒ〜を喉に流しこみ一息ついた、もちろんコ〜ヒ〜はブラックではなく砂糖クリ〜ム入り。

「あとは明日渡すだけね」

「はい、アスカの喜ぶ顔が目に見えますよ」

 席に置かれた袋を見て微笑んだ、明日の事を考えるとワクワクする。

「ふふ、そうね。喜ぶでしょうね。で、シンちゃんはアスカの事をどう思っているの?」

 ミサトの顔が真剣になった。

「どう思っているって?どういう事ですか」

「アスカを好きとかそういう事」

「な、ななななな何を言うんですか!いきなり」

 口に含んだコ〜ヒ〜を吐き出しそうになった。

「アスカの事好きなんでしょ?」

「・・・・・は、はい」

 ミサトの真剣な眼差しを見てお茶らけで無い事を感じ取った、目を反らすと小さく頷き呟いた。

「アスカ、可愛いもんね。告白しちゃいなさい」

「えっ〜〜〜〜〜〜〜〜!」

「好きなら告白、これ常識よ」

「で、でも〜〜・・・」

 俯くシンジ、ふと時計が入った袋に目をやった。

「アスカもシンちゃんが大好きよ」

「そ、そうですか」

「ええ、女の私だからわかるわ。アスカは待っているのよ」

「待っている・・・」

 シンジの頭にアスカの笑顔が浮んだ。

 

 

 

「・・・・はい」

 シンジの気持ちは決まった。


「告白タ〜〜イム!果たしてシンちゃんはアスカにOKを貰えるのでしょうか?」

「ミサトさん、やめてください〜〜」

「どうして?いいじゃんいいじゃん!」

「私ならいつでもOKよ」

「あ、綾波」

「さあ碇クンどうぞ告白して」

「おおっ、レイ、大胆」

「すぐに結婚できるように婚姻届も持ってきたわ、さあこれにサインをして」

「や、やめてよ〜〜〜」

「レイ〜やっちゃえやっちゃえ〜〜」

「ミサトさん〜止めてくださいよ」

「レイ、GO!」

「了解、目標は碇クン」

「うわ〜〜」

 明日はアスカちゃんの誕生日、二人でプレゼントを買いに〜。ミサトさんの一言にシンジ君は?

 こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


Vol.51 絶叫、そして・・・ Vol.53 ASUKA

EVA CHANGING Vol.52 COUNT DOWN 1