EVA CHANGING

Vol.55

結果

「あれ?シンちゃん、そんなところで何してんの」

 家に着替えとシンジのプレゼントを取りに帰っていたミサトが戻ってきた。廊下で一人立っていたシンジを見て疑問に思う。

「今リツコさんがアスカを検査しているんですよ。それで待っているんです」

「ふ〜〜ん、それでまだなの?」

「はい、結構時間が経ちましたけど」

「まだやっているのかしら?」

 コンコン

「リツコさん、終わりました?」

 ビクッ!

「ちょ、ちょちょちょっと待って」

 シンジの声に髪が逆立ち心臓が口から飛び出そうになった。

「?どうしたんですか」

「今片付けているから、ちょっと待ってっぎゃっ!

 慌てるリツコ、どうやら転んだらしい。

 

 

 

「は、入ってきて良いわよ」

 リツコの言葉に二人が入ってきた。

「リツコさん、検査はどうだったんですか?」

 検査結果が気になるシンジ、真っ先に質問する。

「ええ、その事だけど・・・驚かないでちょうだい」

「は、はいっ」

 背筋を伸ばし緊張する。リツコは眼鏡を人差し指で押し上げて掛け直すと口を開いた。

「検査の結果はね・・・」

「はい」

 ゴクリと生唾を飲んだ。

「ここじゃなんだから部屋を変えましょう」

「えっええ?ここじゃダメなんですか」

 いつ目が覚めるかわからないのでアスカの傍に居たい。

「ええちょっと・・・カメラを設置してあるからすぐに戻れるから安心して」

「・・・はい、わかりました」

 天井の隅を見るとカメラが設置してある、これなら部屋を開けていてもアスカの状態が逐一わかる。

「きましょう」

 三人は病室をでると他の部屋に移動した。

 

 

 

「それでリツコさん!検査結果を教えてください」

「わかったわ」

 リツコはタバコに火をつけ一口吸うと足を組み話し始める。

「検査した結果はね、頭痛の原因は機器にも発見できない別な所にあったのよ」

「「別な所?」」

 シンジとミサトは息を呑んだ。

「ええ、原因はメンタル、精神的なものよ」

「精神的?どういう事ですか」

「よくあるでしょう、精神的なものからくる病、ストレスが良い例ね」

「ストレスなんて・・・アスカそうは見えませんでしたけど」

「そうねアスカ、毎日を楽しく過ごしていたけど」

 同居している二人、アスカがストレスを受けていたように感じられない。

「ええ今のアスカにストレスは皆無」

「じゃあどうして?」

「アスカの性格覚えてる?」

「性格?」

「来日した時はタカビ〜で我侭で乱暴ものだったでしょう」

 アスカ来日時は誰も手におえないほどの性格であった。

「はい」

「それが突然、お淑やかになったでしょう、それは私のはつ・・ごほごほっ、失礼。当然お淑やかになったからなのよ」

 自分の発明である事を打ち明ける事ができない。もち打ち明けて原因がリツコである事を知られたら生きていられないだろう。

「そうですね、いきなり性格がかわっちゃってビックリしましたけど今はもう慣れました」

「突然性格がかわったことが災いしたみたい」

「どうしてですか?」

「性格が急にかわったことで身体がそれについて行けなくなったのよ」

 検査結果から割り出した答えである。

「ついて行けなくなった・・・アスカの体はどうなるんですか?」

「時間が経てば目覚めると思うわ、でも・・・」

 口を噤んだ。

「でも?何ですかリツコさん!」

「シンジ君、ショックを受けないでね。性格がどうなるかわからないの」

「えっええっ!?

「今のままの性格で目覚めるか、元の性格に戻るか・・・最悪の場合、性格が消え喜怒哀楽を失うわ」

「そんな・・・」

 シンジは肩を落とした、最初の二つは良い性格があるが最後の一つは性格が消える。すなわち何も感じない。

「リツコ何とかできないの?」

「・・・」

 無言で首を横に振った。

「リツコさん、お願いします!アスカをアスカをっ!」

「ごめんなさい、こればかりは無理なの、アスカ自身の問題だから・・・今の性格、元の性格の戦いね、それに勝った方が目覚めた時にわかるわ・・・」

「アスカ・・・」

 モニタ〜に映る眠っているアスカを見たシンジは持ってきてもらったプレゼントを手に取ると席を立った。

「シンちゃん・・・」

「どんなになろうとアスカはアスカです。目覚めたらプレゼントを渡します」

 微笑むと部屋を出て行き病室に向かった。


「うそっ〜〜〜ん、アスカの性格どうなっちゃうのかしら?」

「葛城三佐知らないの?」

「知らないわよ、だって続きはまだなんでしょ」

「そう・・・くすくす、くすくす知らないのね」

「何よその笑いは?レイは知っているの?」

「・・・秘密」

「くう〜〜知っているわね。その私は知っていますよ〜顔は、くう〜〜うらやましいわね、本を発売日より前に買えた気持ちね」

「いいえ、直接生原稿を見た感じ」

「なんですって〜〜?う、うらやましい」

「知りたい?」

「知りたいわよ、教えてくれるの?」

「・・・さよなら」

「あっこら〜〜、期待させるな〜〜」

 検査結果でました、なんと!アスカちゃんの性格が・・・どうなるのでしょうか?

 目覚めた時の性格、投票の数でしようかな(笑)冗談です

 こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


Vol.54 眠り姫 Vol.56 ASUKAU

EVA CHANGING Vol.55 結果