「く・・・・・くるしい・・・・・」 「さっさと死ぬのよ」 首に爪がめり込み血がにじみ出てくる。 ア、アタシ・・・死んじゃうの? アタシが死んだらもう一人のアタシが身体を使う・・・ アタシの身体は死なないのね でも・・・ 死にたくない アタシが死んだらシンジ君やミサトさんに会えない 会うのはもう一人のアタシ・・・ そんなのはイヤ 死にたくないよ、シンジ君・・・ 「けほけほっ」 咳き込むアスカ、顔色が青ざめてくる。 「ちっ、まだ死なないのしぶといわね」 更に首を締める手に力が入る。 ダメ・・・意識が・・・ こんな所で死んじゃうの?・・・ アタシに殺されるなんて・・・ 「早く死になさいよ!」 イヤ・・・ 死にたくない・・・ まだ死ねない・・・ シンジ君に会いたい 「くっ・・・は、離して・・・」 アスカは掴まれていた手を掴むと力を振り絞り離し始めた。 「くっ抵抗する気?この死に損ないが」 「は、離してっ!」 「きゃっ」 アスカは締められていた手を払いのけた、その衝撃でアスカが吹き飛ばされる。 「はあはあ、はあはあ・・・」 「ちっ、もう少しで死ねたものを」 「アタシはシンジ君に会うまでは死ぬわけにはいかないわ」 「シンジ〜?ハンッ、あんなバカに会ってどうするのよ」 「シンジ君はバカじゃない、アタシにとって大事な人よ」 「大事な人?バカも休み休み言いなさい。アンタ頭イカレタんじゃないの?」 「イカレテなんかいないわ、アタシはシンジ君がシンジ君の事が・・・」 その先を喋ろうとするが言葉が出てこない。 「好きだって言うの?バカを好きになるなんてアンタバカじゃないの?」 「バカじゃないわ、アタシはシンジ君が好きよ。アナタも好きなんでしょ」 「ど、どうしてアタシがあいつの事を好きになるのよ」 アスカは否定したが一瞬目を逸らした。 「アタシにはわかるわ、同じアスカだから」 「な、何が同じよ!全然違うわ、本当のアスカはアタシよ」 「うっ・・・」 再び襲いかかり首に手をかけた。 「今度は確実に殺してあげるわよっ!」 「い、いや・・・アタシはシンジ君が好き、シンジ君に会うまで死ねないっ!!」 「黙れっ!」 手に力がこもる。 「死ぬわけにはいかないっ!」 |
EVA CHANGING
Vol.57
微笑みの先に
(アスカ・・・)
シンジはリツコ達と話した後病室で両手を組み祈っていた。祈り始めてもう二時間が経とうとしている。
(・・・あっ)
一瞬アスカのまぶたが微妙に震えているのに気がついた。
「ア、アスカッ!」
おもわず立ち上がり叫んだ、するとアスカの右腕が微かに動く。
「アスカッ気がついたんだね?」
シンジの声が耳に入ったのか静かにまぶたを開けた。
「アスカ・・・」
「シ・・・」
シンジの顔を見るとゆっくりと唇を開いた。
「シ・・・シンジ・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・シンジ君」
「・・・アスカ、誕生日おめでとう」
シンジは微笑むとアスカの手をそっと握り、持っていたプレゼントを渡すのであった。
「おおっアスカが目覚めたわ」
「性格はどうなったのかしら」
「シンちゃんを君付けで呼んでいるから凶暴アスカかな」
「SALね」
「そうSAL、SALはお淑やかアスカにも言えるじゃない」
「そうとも言うわね」
「アスカは全てSALなんだからギャグにならないわよ」
「ギャグ・・・しくしく、しくしくギャグにならないの?」
「泣く事ないでしょ、ほら涙拭きなさい」
「はい・・・・ち〜〜〜」
「おおっと待った!鼻はかまないでよ、ティッシュでかんでちょうだい」
「ズボラなのにティッシュ持ち歩いているんですね」
「シンちゃんが五月蝿いのよ〜出かける時にハンカチ持った?ティッシュ持った?てね」
「そうなの・・・うらやましいわ」
「あっどこ行くの?」
「私もシンジ君にハンカチ持った?ティッシュ持った?をやってもらいます・・ぽっ」
「ありゃりゃ行っちゃった。私も帰ろ」
アスカちゃんようやく目覚めました。性格はお淑やかです(^^)
シンジ君良かった〜無事にプレゼントを渡せて(SS上ではまだ12/4です)
こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
EVA CHANGING Vol.57 微笑みの先に