「ア、アスカッ!」
微かだけとシンジ君の声が聞こえた・・・アタシ寝坊したのかしら?早くご飯作らないと遅刻しちゃう・・・でもなんだか体が重いわ。
・・・目が覚めたらいつも見慣れたアタシの部屋の天井じゃなかった。見た事のある天井、病院だったわ。どうして病院のベッドで寝ていたのかしら?・・・そうだわ、アタシ頭が痛くなって・・・夢の中でもう一人のアタシがいて・・・首を締められて・・・シンジ君に会いたいと思っていたら、目の前が真っ白になって・・・。
目が覚めたら目の先にシンジ君が居た、喋ろうとしたけど上手に喋れなくて『シンジ君』しか言えなかった。
「・・・アスカ、誕生日おめでとう」
シンジ君、アタシの誕生日覚えててくれたんだ嬉しい・・・渡されたプレゼント、握ってくれた手、暖かかった。
・・・シンジ君の暖かい手、アタシ戻って来れたんだ、もう一人のアタシじゃなくてアタシで・・・目の前が真っ白になって行く時、もう一人のアタシが微笑んで言ってくれた。
「アンタにはバカシンジがお似合いよ。頑張りなさいよ」
認めてくれたの?いいえ、もう一人のアタシもアタシだからシンジ君がお似合いなのね。
・・・もう一人のアタシ、アタシ頑張るから。
シンジ君の手、握っていたかったんだけどミサトさんがそれを見て。
「あら〜〜二人とも熱いわね〜〜」
って茶化すの。でも瞳には涙が浮んでいたわ。
「アスカ、本当に良かったわ」
アタシを抱きしめて・・・ありがとうミサトさん、ただいま。
目覚めたから退院しても良いと思ったんだけど、リツコさんから色々聞かれ体に異常が無いか検査をする事に、早く帰りたいのに・・・そうだ、プレゼント、シンジ君何をくれたのかしら?
・・・時計だわ、それもアタシが欲しかったアニエス・b、どうしてアタシが欲しかった事を知っていたのかしら?ってヒカリから聞いたのね。フフ、シンジ君ありがとう一生大事にするからね。
退屈な検査、リツコさんは張り切っていて自分に酔っていたわ、ちょっと恐い。
検査が終わったのは夜遅く、帰りたいけどリツコさんは明日帰りなさいって言って今日は泊まる羽目に、シンジ君・・・早く会いたい。
次の日、朝は早く目が覚めたわ、もう習慣付いちゃった。シンジ君とミサトさん、ペンペン、朝ご飯大丈夫かな?多分レトルトね。帰ったら美味しいものをうんと作らなきゃ。
暫くベッドから外と見ていたらリツコさんが入ってきて退院許可が出たわ、嬉しい帰れる。ミサトさんが迎えに来てくれるみたい、ちゃんと安全運転かしら。
グオオオオオンッ!
それから五分くらいリツコさんと話をしていたら外から聞きなれたエンジン音、ミサトさんが来たわ。速いわね。
「アスカ〜おっは〜〜帰るわよん」
「あっはい」
来たのはミサトさんだけ、シンジ君は来てないの?
「アスカ〜〜どうしたの?元気が無いわね」
「げ、元気ですよ」
「うっそ〜〜?シンちゃんが来ていないから元気が無いんでしょ」
「そ、そんな事ありません」
・・・本当はシンジ君に来てもらいたかった。
「シンちゃんは家でアスカを迎える為に準備をしているのよ」
「家にいる・・・」
・・・ちょっと悲しいな、でも帰ったら会えるんだから。
「んじゃあ、超光速で帰るわよん、リツコ後でね」
「安全運転して帰りなさいよ。また戻ってきたら無様よ」
「大丈夫大丈夫〜私が安全運転よ」
「・・・お気楽ね」
リツコさん呆れていた・・・当然アタシも呆れたわ、無事に帰れるかしら?
ミサトさんの車、いつも以上に速かったけど安全運転、不思議だわ。
ドックン、ドックン
家に近づくにつれ胸の鼓動が高鳴る・・・どうして?
ドックン、ドックン
・・・シンジ君に会えるからなのね。
マンションに到着、一日ぶりだけど懐かしい気がするわ。
「アスカ〜」
「はい?」
「私はこれからネルフに行くから、夕ご飯豪勢にしてねん」
「はい、わかりました」
「んじゃ、頑張ってね〜〜」
ミサトさん嵐のように去って行ったわ、お料理頑張らなくっちゃね。
ドックン、ドックン
遂に帰ってきたわ、玄関前・・・この向こうにシンジ君が・・・
ドアを開けて・・・そしたらシンジ君が猛ダッシュで来たわ、ビックリしちゃった。
「ア、アスカお帰り」
「シンジ君、ただいま・・・ごめんなさい迷惑かけちゃって」
・・・ごめんなさい、会えて嬉しい。
「そんな事無いよ、元気で戻ってきてくれて嬉しいよ」
「優しいのね、あ、プレゼントありがとう。ほら」
「う、うん」
左腕につけた時計、似合うかしら?アタシの大事な宝物。
「ア、アスカッ!」
「ん?なに」
シンジ君どうしたんだろう?顔が真っ赤、風邪でも引いたのかな?
「す、好きです。ぼ、僕と付き合ってください」
・・・告白、突然で驚いたわ、シンジ君汗ビッショリ。・・・もうっム〜ドないなあ、玄関でするなんて、もうちょっとロマンチックな場所で言って欲しかったな。
でもアタシもシンジ君が好きだから・・・
Vol.59
THIS IS ONLY THE BEGINNING
「・・・はい」
EVA CHANGING
Ver.ASUKA
END
「ぬお〜〜〜!!!終わっちゃった〜〜」
「そう、終わりなのね」
「そうよ、終わりなのよ終わり!」
「終わり・・・SALとの破局、碇クン私の元へ来てくれるのね」
「違うわよ。シンちゃんが告白してアスカOKしたの、ハッピ〜エンドなのよ」
「そうハッピ〜・・・ハッピ〜なのね・・・しくしく、しくしく」
「泣かないの、祝ってあげましょう」
「しくしく、しくしく、おめでとう、しくしく、しくしく」
「祝ってんのか悲しんでんのかわからないわね」
「悲しいの、しくしく」
「祝ってあげなさい、ここはLASだからどんなに頑張ってLRSにはなんないのよ」
「そうなの、虚しい努力だったわ・・・さよなら」
「そうよレイ、虚しい努力だったのよ。んじゃ私も帰ろうっと、みんな読んでくれてありがとうねん♪」
はいっ!長かったEVA CHANGINGは今回を持ちまして終了です。読んでくださったみなさん、ありがとうございました<_>
原作の刺々しい性格をかえてお淑やかなアスカちゃんにしたら面白いだろうなと思い、連載をスタートしました。
お淑やかなアスカちゃんだとシンジ君は守らなくちゃいけないと正義感に燃えて強くなりました。ミサトさんは相変わらずな行かず後家(笑)血が繋がってなくても本当の家族ですね。
シンジ君の告白をOKしたアスカちゃん、二人幸せ者〜〜この生活がずっと続くと良いですね。
こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
EVA CHANGING Vol.59 THIS IS ONLY THE BEGINNING