EVA CHANGING
じゅういちわ
おみまい
学校帰りシンジとアスカはレイを見舞うためにアパ〜トに向かっていた。
「世話が焼けるわね」
「ふふ、心配していたじゃないか」
「心配してないわよ、別に」
「素直じゃないなあ」
「ん、何か言った?」
「いや、何も」
たあいもない会話をしながらアパ〜トに到着した、相変わらず寂しいところである。
コンコン!
「綾波」
「・・・・・」
一応ノックしてみる。返事は無い。
ガチャ!
シンジはドアノブを回し部屋に入った。
「綾波・・・・うわ!」
「なんなのこれは?」
2人は入るなりに部屋の惨状に驚いた。ゴミ箱から外れたテッシュが所狭しと散らばっているのだ。ベットを見るとレイが安らかな寝息を立てて眠っていた。
「寝てるみたいだね、部屋を片付けよう」
シンジは鞄を置くなり散らばったテッシュを片付け始めた。アスカは手伝う気は無く見ていた。
ポイポイポイポイ・・・・・・
「どうしてこんなに散らかしたんだろう?」
「さあね、まったく無頓着よね」
「・・・・・・」
シンジはアスカもだろ!って言いたかったが、身の危険を知っていたのであえて口に出さなかった。
「ん・・・・ん〜ん・・・誰?」
レイは物音に気づき眼をこすりながら、2人を見た。
「ごめん、起こしたかな」
「あ〜シンちゃん!嬉しい、来てくれたんだね」
コケ!
レイは起きあがり抱きつこうとしたが病みあがりなので、ベットを出たとたんにこけた。
「イタッ!」
「だっ大丈夫?」
「うん!」
ガバ!
「ちょちょっと、綾波〜」
レイはシンジに抱きつき、すりすりしていた。アスカはその2人を見て黙っているはずが無い。
ボカ!
「こら!レイ、病人は病人らしく寝てなさい」
「イタ〜、あっ!アスカ頭に角が生えてるよ」
ゲシ!
「なんですって〜!」
「イタタタ、シンちゃん助けて〜」
2人のやりとりにシンジは半笑いで見ていた。
(仲いいね)
「元気そうじゃないか、熱はもう無いのかい?」
「汗かいたら、良くなったみたい」
「下着、かえたほうがいいよ」
「うん、シンちゃん見たらダメよ」
「みっ見ないよ〜」
シンジはレイの小悪魔っぽい笑いに赤くしながらうつむいた。
「誰がアンタのを見るのよ!」
「シンちゃん!」
「綾波〜・・・」
「さっさと、着替えてこ〜い!」
アスカはレイを邪険にするように脱衣所に追い出した。
「下着かえたら、気持ちい〜」
部屋に戻るとアスカが座ってテレビを見ていた、シンジは台所に立ち何か料理している。
「シンちゃん、何作っているの?」
「栄養のあるものを作っているから綾波は座っていて」
「は〜い」
部屋に戻ると、座布団にチョコンと座った。
「珍しいわね、今ごろ風邪を引くなんて」
「へへ、実は窓を開けっぱなしで寝ていたんだ」
「・・・・アンタらしいわね」
自慢するかのように胸を張っていた、アスカは頭を押さえ呆れていた。
「おまたせ、できたよ」
「うわ〜おいしそ!」
運ばれてきたのは玉子、野菜が入った雑炊、レイはおもわずよだれを垂らした。
フキフキ!
「いただきま〜す!」
「「?」」
レイはスプ〜ンを手に取らず膝の上にのせており、シンジの方を向いて口を開けていた。
「綾波、何?」
「ア〜〜〜ン」
「レイ何やってんのよ」
「シンちゃん食べさせて」
ボカ!
アスカはレイの態度に怒り頭を叩いた。
「自分で食べなさいよ!」
「綾波、食べれるだろ?」
「え〜食べさせてもらいたいな」
頬を膨らませシンジを見ていた。アスカはスプ〜ンをレイの前に突き出した。
「元気なんだから、自分で食べなさい」
「ゴホッゴホ!あ頭が痛いよ〜・・・シンちゃん、食べさせて〜」
わざとらしく咳き込み頭を押さえ、瞳をうるませシンジに訴えかける。
「わざとらしいのよ!」
「シンちゃん・・・・・・ウルウル;;」
シンジはわざととわかっていながら生来の優しさから、この場を収めるために渋々承諾した。
「わかったよ綾波、スプ〜ンを」
「うん!」
レイは一変して満面の笑顔になり、口を開けた。
「まったく・・・・・」 (でも使えるわね・・・・ニヤリ)
アスカは肘をつきながら呆れていが、2人に悟られないように口に手を持っていきあくどい笑いを浮かべた。
「はい」
「モグモグ、おいし〜^O^」
親鳥が雛にえさを与えるように、二人の情景は似ていた。アスカは見ているのも馬鹿馬鹿しくなりテレビを見ていた。
「ごちそうさま!」
すべてを平らげ満足に手を合わせていた。シンジも自分の料理を残さず食べてくれたことに、嬉しかった。そして薬を飲み3人で喋って楽しいひとときをすごした。
時間も過ぎ空は薄暗くなってきた。
「それじゃあそろそろ帰るから」
「え〜?帰っちゃうの」
「うん、夕食の用意をしないといけないからね」
「もう熱も下がったんだから大丈夫でしょうが!」
「ゴホッゴホッゴホ!!ううう・・・クラクラする」
またわざとらしく病人の様に振る舞うが、アスカが仁王立ちになり腕を組んで睨んだ。
「レイ、アンタねえ・・・・わざとらしいのよ!」
ゴス!
「いった〜い;;」
「シンジ!帰るわよ」
「綾波、大丈夫?」
「平気よ!帰ったら夕食の支度よ」
アスカはシンジの襟を掴み部屋を出ていった。レイは倒れながら手を差し伸べている格好で悲劇のヒロインを演じていた。
「シ〜ンちゃ〜ん!・・・・・・」
「ゴッホッゴホ、悲劇のヒロイン綾波レイです」
「どうしてスポットライトが当たっているのよ!もう風邪は治ったんでしょうが」
「ああ・・・窓から見える木の葉が全部散った時、私は死ぬのね・・・・・」
「・・・・・・勝手にやってなさい」
「もうアスカもちゃんと演じてよ」
「は?」
「アスカは私の主治医なの」
「・・・・・本当に病院行った方がいいわよ」
「もう、しらけちゃったな」
「いいかげんにしなさい」
「は〜い、シンちゃんの愛の看病でレイちゃん完全復活!」
「看病って雑炊を作っただけじゃない」
「シンちゃんの愛が入っていて美味しかった!」
(ゴクリ・・・・・私も作ってもらおうかしら)
「アスカ、どうしたの?よだれよだれ」
「え!あっああ・・・フキフキ」
「さあ!次回もレイちゃんが活躍、シンちゃんをゲットだぜ〜 (ポケモン風に)」
(じゅるじゅる・・・シンジの雑炊・・・・食べさせてもらう・・・・・)
こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
じゅうわ レイちゃん、くしゅん じゅうにわ レイちゃんのにちようび
EVA CHANGING じゅういちわ おみまい